如懿伝(にょいでん)~紫禁城に散る宿命の王妃~ 第20話 あらすじ/ネタバレ
皇帝は如懿への旧情を顧みながらも、大局を優先せざるを得ず、毓瑚(いくこ)に事件の追及を中止させ、嘉嬪の世話と如懿の安全を命じる。大皇子は如懿との深い絆から皇帝に直訴し、阿箬(あじゃく)を叱責するが、皇帝は取り合わず、純嬪のもとへ送る。
李玉が宣旨を伝え、如懿は庶人に降格され、冷宮に幽閉される。惢心と三宝(さんぽう)は如懿に従うことを希望するが、如懿は惢心を伴い、三宝(さんぽう)は海常在(はいじょうざい)に託す。如懿は李玉に皇帝との面会を懇願し、皇帝に公正を信じているかと問う。如懿は皇帝を見誤ったと告げる。皇帝は墙头马上という、かつて如懿との定情の曲を聴いたと話す。皇帝は如懿の冤罪を理解しながらも、時勢に抗えず、最愛の女性が冷宮に入るのをただ見守るしかない。
如懿は宮殿に戻り、皇帝から贈られた簪を眺め、過去の思い出に浸る。庶人の衣服に着替えた如懿は、海蘭(かいらん)と純嬪に見送られる。李玉は如懿に、今日が嘉嬪、玫嬪、慎常在の冊封の儀であると告げる。冊封の儀では、3人は華やかな衣装を身にまとい、皇后に礼を尽くす。一方、如懿は翠雲館の空き部屋に連れて行かれる。歴代の失寵した妃嬪(ヒヒン)はここに幽閉されており、如懿もまた、この冷宮に閉じ込められる。
如懿は冷宮の薄暗い中庭に入る。李玉は如懿に別れを告げ、今後細心の注意を払うよう忠告する。惢心は李玉からかつて贈られた绒花を返却し、如懿の冤罪が晴れるまでは身につけることはできないと語る。李玉は绒花を受け取り、惢心のために大切に保管し、いずれ再び手渡すことを約束する。
深夜、惢心は水を汲みに起きると、窓の外に人影がちらつく。幽霊と思い込んだ惢心は如懿の背後に隠れる。2人は灯を点け、戸を開けるが、そこには誰もいない。外に出ると、気が狂ってしまった女性たちが数人いる。如懿は惢心に点心を渡すように命じ、女性たちは我先にと奪い合う。その様子を、35歳ながら老け込んだ容貌の吉太嬪(きっちょうひん)が眺めている。彼女は太后に陥れられ、9年間冷宮に幽閉されていると訴える。
深夜、皇帝は阿箬(あじゃく)を侍寝させる。阿箬(あじゃく)は皇帝に侍寝できることを喜び、皇帝を喜ばせると約束する。翌日、馬公公が冷宮に食事を運んでくる。気が狂った女性たちが我先にと争う中、如懿の受け取った饅頭はカビが生えている。しかし、如懿は吉太嬪(きっちょうひん)の食事が自分とは違うことに気づく。吉太嬪(きっちょうひん)は、馬公公に賄賂を渡せば良い待遇を受けられると教える。皇帝は阿箬(あじゃく)を寵愛し、数日連続で侍寝させる。嘉嬪は不快感を示し、皇子を出産した後に阿箬(あじゃく)を完全に支配することを決意する。嘉嬪は、この子は自分だけでなく、世子の希望でもあると考える。
第20話の感想
第20話は、如懿が冷宮に幽閉されるという衝撃的な展開が描かれ、視聴者を釘付けにした。皇帝は如懿への愛を胸に秘めながらも、大局を優先し、彼女を冷宮に送らざるを得ないという苦渋の決断を下す。如懿は皇帝の真意を理解できず、絶望に打ちひしがれる。
冷宮の薄暗さと陰鬱な雰囲気は、如懿の悲惨な境遇をより一層際立たせている。吉太嬪(きっちょうひん)の登場は、冷宮の過酷な現実を如懿に突きつける。一方、惢心の忠誠心と李玉の優しさは、如懿にとって唯一の慰めとなる。
第20話は、愛と裏切り、権力と陰謀が渦巻く宮廷ドラマの真骨頂ともいえるエピソードである。如懿の悲劇的な運命は、視聴者に深い感動を与えるとともに、宮廷の冷酷さを改めて思い知らせる。
つづく