如懿伝(にょいでん)~紫禁城に散る宿命の王妃~第36話 あらすじ/ネタバレ

嬿婉(えんえん)の寵愛と凌雲徹の苦悩

嬿婉(えんえん)は養心殿で寵愛を受け、凌雲徹は道端に佇み、心を痛めていた。如懿は彼に近づき、過去に囚われず、同じ過ちを繰り返さないよう諭す。凌雲徹は自省し、二度同じ相手に心を砕くのは愚かであると認める。如懿は彼の悔悟を見て、嬿婉(えんえん)を忘れれば侍衛に推挙すると約束する。凌雲徹は承諾し侍衛となるが、殿外で聞こえる笑い声に心を乱され、苦悩は深まる。

痘疫の蔓延と茉心(ばっしん)の復讐

9月、河北で痘疫が流行し、京師にも蔓延、多くの子供たちが亡くなる。太后は皇帝に宮中の防疫強化を訴える。その時、貴妃の旧僕である茉心(ばっしん)が如懿のもとを訪れ、母が痘疫で亡くなり、自身も感染し腕に赤い発疹が出たと訴える。茉心(ばっしん)は皇后を恨み、貴妃の仇を討つべく、如懿と海蘭(かいらん)を利用しようとする。如懿は罪のない人々を巻き込むことに反対し、復讐に加担することを拒否する。海蘭(かいらん)は如懿に過去の恨みを忘れないよう勧めるが、如懿は信念を貫き、揺るがない。嘉妃の侍女は全てを見聞きし、そっと立ち去り、後に茉心(ばっしん)と密会する。

如懿と嬿婉(えんえん)の邂逅

翌日、如懿は偶然嬿婉(えんえん)と出会う。嬿婉(えんえん)は家族の圧力により苦渋の選択を強いられ、愛する人を手放すことが辛かったと打ち明ける。如懿は淡々と、道は自分で選ぶものであり、他人の意見に左右される必要はないと返す。嬿婉(えんえん)は皇后の体調不良と如懿の権力を利用し、慎重に自衛することを決意する。さらに宮女を敬事房に潜入させ、舒嬪の安胎薬の秘密を盗み、子孫繁栄を図る。

復讐の計画と悲劇の始まり

玫嬪も茉心(ばっしん)と手を組み、皇后を息子の仇とみなし、復讐を誓う。二人は密かに七皇子の乳母の衣服をすり替え、禍根を埋める。

小年夜、皇帝は如懿と夕食を共にする。嬿婉(えんえん)は燕の巣を献上し、貴人に昇格する。皇帝は燕の巣の組み合わせが不適切だと指摘し、如懿に助言を求める。如懿は燕の巣の調理法を詳しく説明し、清湯でゆっくり煮込むことで本来の価値を引き出し、欲張りすぎると味が損なわれると強調する。嬿婉(えんえん)は教えを聞き、唯々諾々と従う。別れの際、誤って白磁の香炉を割り、それを白磁と勘違いした皇帝は不機嫌になる。嬿婉(えんえん)は心中で、如懿を超えるために努力することを誓う。

斉侍医が謁見し、皇帝は如懿に先に沐浴するように命じる。その途中、如懿は斉侍医が皇帝に嬿婉(えんえん)の薬の要求を伝えているのを耳にする。皇帝は舒嬪の疑いを避けるため、彼女の要求を承諾する。如懿は急いで戻るが、途中で珠飾を落としてしまい、探している間にこの秘密を知ってしまう。寝室に戻り、侍女の惢心と真相を明かすかどうか相談するが、惢心は余計な心配を増やすだけだと忠告し、黙秘するよう勧める。皇帝が如懿との夜を過ごそうとしたその時、七皇子が痘疫に感染したという知らせが入る。

皇后の苦悩と七皇子の死

皇后は永琮(えいそう)を宮廷から出さないことを主張するが、皇帝は利害を考慮し、擷芳殿に留めて治療を監督することを決める。如懿は海蘭(かいらん)を疑うが、海蘭(かいらん)は否定する。玫嬪は宮中で琵琶を弾き、貴妃の無念を訴えるかのように血を流すような音を奏で、気を失う。嘉妃は他人事のように振舞い、自分が妊娠していることを明かし、七皇子のことに関しては冷淡な態度を見せる。侍医は玫嬪の病気を診断し、寿命が限られているため、心を落ち着かせる必要があると告げる。大晦日の前夜、皇后は心配で擷芳殿の外で過ごし、皇帝も仏堂で祈りを捧げ、一滴の水も口にしない。ついに七皇子の死が伝えられ、皇后は悲しみに暮れ、泣き崩れる。宮中では悲しみが広がる。

如懿伝 第36話 感想

第36話は、如懿と嬿婉(えんえん)の対比が鮮明に描かれた回だった。如懿は常に冷静沈着で、他人の意見に流されることなく、自分の信念を貫き通す。一方、嬿婉(えんえん)は家族の圧力に屈し、愛する人を手放す苦渋の選択を強いられている。しかし、彼女は決して諦めず、皇后の体調不良と如懿の権力を利用して、自らの地位を確立しようとする。

また、この回では痘疫の流行と七皇子の死という悲劇が描かれた。痘疫は多くの子供たちの命を奪い、宮中の人々を恐怖に陥れた。七皇子の死は、皇后にとって大きな打撃となり、彼女の精神を蝕んでいく。

つづく