如懿伝(にょいでん)~紫禁城に散る宿命の王妃~ 第37話 あらすじ/ネタバレ

太后は皇帝と面会し、人前で言えない重要な事があると告げます。愛息永琮(えいそう)の死で悲しみに暮れる皇帝は、現実を受け入れようとせず、太后は国を治める皇帝の立場を思いやり、悲しみを乗り越えるよう説得します。皇后も病床に伏し、悲しみに暮れています。

恒媞皇女が入宮し、太后は喜びます。皇帝は東巡を控えており、恒媞の婚事が気にかかっているのです。恒媞は姉の遠嫁を太后が悔やんでいることを知っており、太后は恒媞の婚事を自分で決めようと決意します。

璟瑟皇女は皇后を見舞い、姉妹の情で慰めます。皇后は「宮中の女子は、息子がいてこそ価値がある。娘は錦上添花に過ぎず、息子がいなければ娘も無力だ」と嘆きます。皇后は永琮(えいそう)を守れなかったことを悔やみ、心を痛めています。璟瑟は皇帝が国事で忙しく、皇后的病気に気づいていないことを伝えます。皇后は東巡に同行する国母としての責務を果たすため、立ち直ろうと決意し、侍医を呼びます。

皇帝は皇后を東巡に連れて行くことを決めますが、欽天監(きんてんかん)は皇后に災厄があると報告します。皇帝は気にしませんが、皇后は旅の途中で病状が悪化し、化粧で衰弱を隠すようになります。皇后は富察氏(ふちゃし)の面目を失わないよう、璟瑟皇女に良縁を結び、家名を輝かせてもらいたいと願います。

科爾沁部から嫡皇女との結婚を望む声が上がり、皇帝は皇后に相談します。皇后は璟瑟がまだ幼いため、恒媞を代わりに嫁がせたいと考えますが、皇帝は朝廷の反対を理由に拒否します。太后はすでに娘を一人嫁がせており、恒媞を苦しめたくないと主張します。皇后は心配し、強く反対します。

この会話を玫嬪が偶然耳にし、太后に報告します。太后は皇帝が自分の娘を偏愛していることを知り、恒媞を全力で守ろうと決意し、群臣に恒媞の遠嫁に反対するよう命じます。玫嬪は嘉妃にもこの情報を伝え、宮廷に暗流が渦巻きます。

群臣の反対に直面した皇帝は、意歡(いこう)に説得を頼みますが、意歡(いこう)は皇帝の心が変わらないことを悟り、何も言いません。太后は意歡(いこう)を責め、恋情に溺れたことで失敗したと批判します。夜、太后は皇后に先帝から賜った真珠の領約を贈り、皇后は恒媞に金色の鴛鴦を贈ります。母娘の深い愛情が伝わってきます。

皇太后と皇后の言い争いを聞いた如懿は、斉侍医に薬を届けてもらうことで雰囲気を和らげようと提案し、皇帝は同意します。太后は過去のことを振り返り、もし嫻貴妃が嫡福晋(ふくじん)だったら、自分の苦しみを理解してくれたかもしれないと語ります。皇后は嫻貴妃には子がいないことを理由に、恒媞の嫁入りは避けられないと反論します。太后は怒り、斉侍医が到着したところで立ち去ります。

張廷玉(チョウ・テイギョク)は皇帝と面会し、恒媞が科爾沁に嫁ぐことの弊害を直言します。太后の権力が強くなりすぎることを懸念しています。如懿は屏風の後ろで静かに聞き、心中で考えをめぐらせます。親族愛、権謀術数、皇室の栄誉をめぐる戦いが、紫禁城の奥深くで静かに始まろうとしています。

第37話の感想

第37話は、悲しみと緊張が入り混じった、非常にドラマチックなエピソードでした。皇太后と皇后の恒媞の結婚をめぐる対立が激化し、宮廷には暗流が渦巻いています。

皇后は永琮(えいそう)の死で精神的に追い詰められ、病状が悪化しています。それでも、国母としての責務を果たそうと奮起する姿は感動的でした。一方、皇太后は恒媞を嫁がせたくないという強い意志を示し、皇帝の意向に真っ向から反対します。

如懿は、この対立を解決しようと奔走します。斉侍医に薬を届けてもらうことで、太后と皇后の争いを和らげようとするなど、彼女の知恵と優しさが光るエピソードでした。

また、張廷玉(チョウ・テイギョク)が恒媞の遠嫁が太后の権力を強めることを懸念するシーンも印象的でした。宮廷の権力闘争が激しさを増していくことが予想されます。

つづく