如懿伝(にょいでん)~紫禁城に散る宿命の王妃~ 第38話 あらすじ/ネタバレ

皇帝は熟慮の末、如懿に、璟瑟の遠嫁は本意ではないが、皇后の情を慮っての決断であると打ち明けます。如懿は、皇女は皇室の顔であり、皇後の血肉でもあることから、国家と家族の利益を優先し、信頼できる人物を派遣すべきだと進言します。皇帝は言葉を飲み込み、再考する必要があると答えます。

太后は憂慮を抱き、如懿に頼って皇帝の決断に影響を与えようとしますが、体面を気にして積極的に示好しません。すると、如懿がちょうど訪ねてきて、年下であることを自認し、太后の心配を分かち合いたいと申し出ます。太后は、朝臣たちが皆手をこまねいていると率直に言いますが、如懿は朝臣たちの諫言が核心を突いていないと指摘します。彼女は、太后が朝臣たちを率いて、恒媞長皇女の降嫁の利点を議論し、自らそれを成し遂げたいと表明することで決意を示すことを提案します。これには、実は富察氏(ふちゃし)に圧力をかけ、利害を天秤にかけて最終的には大局に従わせるという含みがあります。太后は最初は理解できませんでしたが、如懿の助言を受けて、この行動が富察氏(ふちゃし)に圧力をかけ、利害を天秤にかけて最終的には大局に従わせることを目的としていることを悟ります。太后は如懿の知恵を賞賛しますが、彼女の心の中にはまだ皇后に対する恨みがあることも察知します。

最終的に皇帝は、璟瑟を遠嫁させることを決意し、如懿と純貴妃に説得を命じます。如懿は先に皇后に会い、皇后はすでに傅恒(ふこう)たちの私心を理解しており、家族の犠牲が子供たちにまで及んでいることを嘆きます。如懿は皇帝の意向を率直に伝えると、皇后は表面上は平静を装っていますが、内心は激しく動揺し、皇女は国事を優先すべきだと強調します。如懿は本音を吐露し、自分には子供がおらず、皇后の轍を踏むまいと、言葉には無力感と悲しみが滲みます。皇后は怒りを抑えきれず、如懿に退室を命じます。

その後、如懿と純貴妃は一緒に皇女を訪ねますが、璟瑟は頑なに拒否し、皇后と太后に直接訴えたいと要求します。純貴妃が理由を説明すると、璟瑟は横暴な態度で、純貴妃の娘を代わりに嫁がせることを提案します。如懿は、満蒙の婚姻の重要性を説き、皇女は尊い身分であり、大清の社稷のために力を尽くすべきだと強調します。皇女は最終的に説得され、涙ながらに承諾し、母娘は別れを惜しみます。皇后は心を痛めます。

皇帝は、璟瑟の幼い頃を思い出し、胸が張り裂けそうになります。如懿は、皇女が頻繁に帰省できるように皇女府を設置することを提案し、皇帝は渋々承諾します。皇帝は、璟瑟をコルチンに遠嫁させ、恒媞を侍郎の宗正に嫁がせることを命じ、太后は大いに満足します。皇帝は皇後の体調を気遣い、帰京を早め、舟路に変更して労を軽減することを決めます。旅の途中、皇帝と皇后は家事を語り合い、皇后が去った後、皇帝は如懿を誘って月を鑑賞します。この行為は皇后の不快感を招き、如懿が故意に自慢していると考えてしまいます。皇后は一人で月を眺めて気を紛らわせていると、偶然玫嬪に出くわし、中宮の不吉な言葉や皇子の早世について聞かされ、心は乱れ、誤って水に落ちてしまいます。幸いにも凌雲徹に救助されますが、皇后はすでに意識が朦朧としており、わけのわからないことを口走ります。皇帝は凌雲徹に重賞を与え、皇後の危篤状態を知ります。

この時、侍医は皇后が病に倒れ、危篤状態であると報告します。皇帝の決断と如懿の知恵は、国の安定と家族の利益を考えたものでしたが、無意識のうちに皇後の心の苦しみと痛みを増幅させ、取り返しのつかない悲劇を招いてしまいました。

第38話感想

第38話は、皇后と如懿の対立がさらに深まり、悲劇の序章を感じさせる回でした。

皇帝は、璟瑟の遠嫁を決定しますが、その裏には皇后への配慮という複雑な思いが隠されています。如懿は、国家と家族の利益を優先すべきだと進言しますが、皇后は娘の犠牲を嘆き、激しく動揺します。

如懿は、皇后の気持ちを理解しつつも、自分の無力感と悲しみを吐露します。このシーンは、如懿の複雑な心情が伝わってくる名場面でした。

一方、璟瑟は遠嫁を拒否し、皇后と太后に直接訴えたいと要求します。純貴妃が理由を説明しますが、璟瑟は横暴な態度で、純貴妃の娘を代わりに嫁がせることを提案します。このシーンは、璟瑟の幼さや傲慢さを浮き彫りにしています。

つづく