如懿伝(にょいでん)~紫禁城に散る宿命の王妃~ 第43話 あらすじ/ネタバレ

紫禁城の奥深く、安吉大師は宮廷の安寧を祈願している。一方、艾児(あいじ)は安多法師を訪ね、啓祥宮での冷遇と苦難を訴える。安多法師は穏やかな言葉で慰め、心の平穏が苦難を乗り越える力になると説く。艾児(あいじ)は宮中で唯一温かい言葉をくれるのが安多法師だと感じ、慈悲を授かり来世で安寧を得られるよう数珠を賜りたいと懇願する。安多法師は慈悲の心で数珠を贈る。

嘉貴妃は氷宮女の交代に気づき、艾児(あいじ)の行方を尋ねる。安華殿で祈願していると聞き、その行為を嘲笑する。嘉貴妃は如懿が皇貴妃に封じられ、安吉大師が祝賀に訪れたことに憤慨し、宮女の噂で疑念を深める。安吉大師は祈願を終えると、皇帝は国事多忙を理由に立ち去る。別れ際に如懿の足取りが不安定なことに気づき、安吉大師が支えると、皇帝は何度も気を付けるようにと念を押す。その後、純貴妃は皇子への祈願として心経の写本を送り、安吉大師は如懿に香と七宝の念珠を贈る。この様子は純貴妃の侍女に密かに聞かれてしまう。

皇帝は多くの宮女が安華殿に集まっているのを見て、礼を欠くのではないかと懸念し、安吉大師に祈願後は宮廷を離れるように命じる。如懿は江侍医と惢心が相思相愛であることを知り、孝賢皇太后の喪が明けた半年後に縁談をまとめることを提案する。また、子供が生まれたら宮廷に連れてきて自分の子供のように育てると約束し、二人は感謝の気持ちでいっぱいになる。夜が更けると、嬿婉(えんえん)は蛍を使って皇帝を永寿宮に誘い、一夜を共にする。一方、如懿の宮殿では異変が起こり、三宝(さんぽう)は白い人影を見かける。刺客が物音を聞いて逃げ出し、行方はわからなくなる。如懿は皇帝に急報し、侍衛の巡回が不自然に速く、何か裏があるのではないかと疑う。

翌日、皇帝は啓祥宮で嘉貴妃と話をしている最中に、突然如懿を呼び出す。嘉貴妃は如懿が頻繁に安華殿を訪れていることを指摘し、安吉大師との関係をほのめかす。さらに、侍衛が刺客を追跡した際に手に入れたという証拠として、数珠と情書を提示する。如懿は否定するが、皇帝は疑念を抱くものの、二人の深い愛情を考慮してすぐに罪を問うことはしない。嘉貴妃は惢心を尋問することを提案するが、皇帝は事の真相が明らかになっていないとして拒否し、如懿に自省するように命じる。

太后は皇帝の対応を評価し、南域の高僧が関係しているため慎重に対処する必要があると指摘する。彼女は各宮殿の動向、特に安華殿を監視するよう密命を下す。皇帝は表面上は如懿を追及しているが、実際には彼女を守ろうとしているのは明らかであり、太后はこの機会に後宮の風紀を正そうとしている。

濡れ衣を着せられた如懿は、宮廷の恐ろしさを嘆く。彼女は惢心に李玉に偽の証拠を調べてもらうよう命じるが、ちょうど福珈(ふくか)が各宮殿を捜索するよう命じられる。嘉貴妃の宮殿で、福珈(ふくか)は艾児(あいじ)が身につけている数珠が宮女のものとは思えないほど高価なものであることに気づき、艾児(あいじ)を連れて行って尋問する。艾児(あいじ)は数珠は安多法師からもらったものだと正直に答えるが、太后は容赦なく罰する。太后は刺客事件と宮女は関係ないと強調し、皇帝に対して如懿の事件を徹底的に調査するようほのめかす。

嘉貴妃は皇帝の意図を理解し、如懿を簡単に処分することはないと知っているが、皇后の地位は清廉潔白でなければならないと考えているため、艾児(あいじ)を利用して事態を悪化させることを決意する。夜が更けても、皇帝は思い悩んで眠れない。牢獄の中では、艾児(あいじ)は後悔の念に駆られ、安多法師に迷惑をかけてしまったことを自責する。獄卒は策を授け、艾児(あいじ)は拷問を受ける際に不公正を叫び、皇帝の正義の心を呼び起こそうとする。しかし、彼女の運命は浮草のように定まらず、自分の意志でどうすることもできない。

第43話の感想

第43話は、如懿が濡れ衣を着せられ、窮地に立たされる緊迫感のある展開が印象的でした。嘉貴妃の策略によって、如懿と安吉大師との関係を疑われ、証拠まで捏造されてしまうという理不尽な状況に、思わず歯がゆい思いをしてしまいました。

しかし、如懿は決して諦めず、真実を明らかにしようと奮闘する姿に勇気づけられます。また、江侍医と惢心の恋模様や、皇太后の思惑など、様々な人間模様が絡み合い、目が離せない展開でした。

特に、艾児(あいじ)の悲劇は胸が痛みます。安多法師からもらった数珠が災いとなり、濡れ衣を着せられてしまう。彼女の無実を証明しようとする姿は健気でしたが、残酷な結末を迎えてしまい、やりきれない気持ちが残ります。

つづく