如懿伝(にょいでん)~紫禁城に散る宿命の王妃~ 第56話 あらすじ/ネタバレ
皇帝は妃嬪(ヒヒン)たちと共に円明園に滞在し、如懿の息子の百日祝いを紫禁城で行うのを待っていた。しかし、十皇子の容態が急変し、諴親王は皇帝に御医の増派を懇願する。皇帝は、自分と十皇子の健康は天災を免れることができると考えていたが、結局は天命に従うしかないことを嘆く。
円明園では、芝居の音が響き渡る中、嬿婉(えんえん)は立ち止まる。宮女は、聖寵を得るために崑曲を習うように勧めるが、嬿婉(えんえん)は返事をしない。一方、意歡(いこう)は仏堂で熱心に祈りを捧げ、息子の健康を願うが、宮中の厳しい規則のために、病床にある十皇子に会いに行くことができない。
その時、ジュンガルで内乱が勃発し、ダワチが主君を殺して自立したという知らせが朝廷に届き、衝撃が走る。太后の長女である皇女は、かつてジュンガルに嫁いでいた。その知らせを聞いた皇女は、太后に救援を求める手紙を送る。ダワチも降伏を申し出るが、その条件は皇女との結婚であった。この問題は難しく、太后が判断を下す必要がある。朝臣たちは戦を避けるために和親を主張するが、皇帝は苦悩し、太后に会うのを避ける。
十皇子の容態が危篤となり、意歡(いこう)は焦り、皇帝に宮外へ出て十皇子に会いに行くことを許してほしいと懇願する。しかし、皇帝は国事に忙しく、彼女の願いを聞き入れる暇がない。意歡(いこう)は太后に助けを求めるが、太后も孫の病気を心配するものの、どうすることもできない。太后は、誰か皇帝に長皇女を迎え入れるように説得してくれることを願う。意歡(いこう)は深夜に皇帝に謁見し、十皇子を生母の元に帰すように懇願する。太后に賜った身であるため、普段は慎み深く行動しているが、今は母として強くならざるを得ないと訴える。皇帝はしばらく考えた後、国事が忙しいことを理由に、意歡(いこう)に退室を命じる。
如懿は太后を訪ね、太后が心配で食欲がないことを知り、太后が娘を思う気持ちを理解していると慰める。その後、如懿は皇帝に会い、出兵の難しさと江南の水害の深刻さを話し、太后に正直に話すように勧める。皇帝は躊躇するが、如懿の説得を受けて、十皇子を舒妃の宮殿に戻して慈母の心を慰めることに決める。
皇帝は太后の寝宮を訪れ、長皇女とダワチの結婚を提案して国境を安定させようとする。太后は、そのような行為は皇室の恥辱になると怒りを露にする。皇帝は苦しい胸の内を明かし、大局のためにやむを得ず愛する娘を手放さなければならないと語る。太后は、もし如懿が女の子を産んだら、皇室のために遠嫁させて平和を保ちたいと嘆く。皇帝は複雑な気持ちになり、太后に大局を優先してくれるように懇願する。
太后のところを後にした皇帝は、如懿と偶然出会う。二人は言葉なく見つめ合う。皇帝は太后的怒りを思い出し、如懿は優しく慰める。そして、自分が皇帝のそばにいることを約束する。如懿は、お腹の子供が女の子だったら、また遠嫁することになるのではないかと心配し、心が晴れない。
突然、十皇子の訃報が伝えられ、皇帝は悲しみに暮れる。名前も付けてあげられず、息子の顔も思い出せない自分を、不甲斐ない父親だと自責する。舒妃は知らせを聞いて悲しみに打ちのめされ、養心殿の前に跪く。皇帝は優しく慰めるが、心の痛みは隠せない。舒妃は子を亡くした悲しみでやつれ、自分の体力が弱かったせいで息子に累が及んだと自責する。夜遅く、如懿は皇帝の詩を黙々と書き写し、哀悼の意を表す。その様子を見た皇帝は、さらに罪悪感と愛情を深める。
第56話の感想
第56話は、悲劇的な展開が続く回でした。十皇子の急死は、皇帝、舒妃、そして如懿に大きな衝撃を与えました。皇帝は、自分の無力さを痛感し、舒妃は深い悲しみに沈み、如懿は腹の中の子供の将来を心配します。
また、ジュンガルの内乱によって、太后は長女の運命を案じ、皇帝は難しい決断を迫られます。和親という選択肢は、皇室の威厳を傷つけるものですが、国を守るためには必要な犠牲なのかもしれません。
この回では、各キャラクターの苦悩が描かれており、視聴者の心を揺さぶります。特に、舒妃の悲しみは胸を締め付けられる思いでした。また、如懿の母としての強さと、皇帝の苦悩にも共感させられました。
つづく