如懿伝(にょいでん)~紫禁城に散る宿命の王妃~ 第75話 あらすじ/ネタバレ

草原の篝火に潜む陰謀

木蘭圍場の篝火映し出す、牧区の姑娘たちの歌声と狩猟の宴は、盛大な祝祭へと昇華する。皇帝はモンゴル各部の使節と共に喜びを分かち合い、勇士たちの角逐舞は最高潮に達し、皇帝は笑顔を浮かべて喝采する。しかし、夜が深まるにつれ、皇子永璂(えいけん)は疲れを感じ、愉妃(ゆひ)に暇乞いをして帰ろうとする。愉妃(ゆひ)は付き添おうとするが、炩妃(こうひ)に無理やり酒を勧められる。如懿はそれを察し、三宝(さんぽう)に皇帝に報告させた後、永璂(えいけん)を先に連れ去り、豫妃はそっと後を追う。

永璂(えいけん)は草原の雄大な景色に魅了され、先を走っていく。しかし、突然、刺客が現れ永璂(えいけん)を捕らえ、命を奪おうと脅迫する。如懿は焦り、自分を永璂(えいけん)と交換し、刺客を傷つけないと約束するが、刺客は挑発的な言葉を吐き、失寵した皇后がいなくなっても、嫡子である永璂(えいけん)には後継者となる可能性があると主張する。知らせを受けた皇帝は、凌雲徹を連れて急いで駆けつける。豫妃は刺客を止めようとするが、刺客は動じず、事態は緊迫する。

刺客の正体と復讐の目的

皇帝は刺客を大声で制止する。刺客は寒部の人間だと名乗り、寒部が受けた不当な扱いと寒香見(かんそうけん)の復讐のために彼女を寒部に連れ戻すことを主張する。寒香見(かんそうけん)はその人物について何も知らない。皇帝は永璂(えいけん)を救うために、刺客に全うな死を与えることを約束する。穎妃は刺客は寒部の人間ではないと指摘し、刺客は穎妃を寒香見(かんそうけん)と間違えていたことがわかる。豫妃は事が露呈することを恐れて刺客を脅迫しようとするが、凌雲徹が機転を利かせて永璂(えいけん)を救い出すも、自身は負傷する。侍衛たちはすぐに刺客を捕らえ、皇帝は凌雲徹を称え、黄馬褂を賜る。

寒香見(かんそうけん)は真実を明らかにし、皇帝は刺客の挑発に乗せられたことを悟る。刺客は皇帝を無能だと嘲笑し、皇帝は永琪(えいき)に刺客の身元を調査させるが、刺客は自害してしまう。炩妃(こうひ)はモンゴル包に戻ると激怒し、豫妃の失態と凌雲徹の忠誠心に恨みを抱く。江侍医の診断によると、永璂(えいけん)は無事であり、安神調養するだけで済む。如懿は自責の念に駆られると共に、凌雲徹が連座することを恐れ、二人には生死を共にしただけの関係であり、心には皇帝しかいないと主張する。

皇帝と如懿の心のすれ違い

皇帝は眠れぬ夜を過ごし、凌雲徹が命を懸けて如懿を救った場面を思い出し、複雑な心境に陥る。穎妃が慰めるが、皇帝は納得できず、夜に永璂(えいけん)を訪ねる。如懿も眠れず、豫妃に疑念を抱く。皇帝が到着すると、二人は永璂(えいけん)のそばで見守る。皇帝は永璂(えいけん)に将来を期待し、厳しく接するが、如懿は不満を募らせ、二人の言い争いはエスカレートし、皇帝は怒って立ち去ってしまう。

永璂(えいけん)は驚き、如懿は優しくなだめる。翌日、寨桑は刺客との関係を否定しようと焦る。皇帝と永琪(えいき)は豫妃を疑うが、情状酌量して行動を起こさない。皇帝は豫妃をすぐに京に戻すことを決意するが、永琪(えいき)はそれが波紋を呼ぶのではないかと懸念する。皇帝は利害を考慮し、豫妃に掌掴と禁足を命じ、年明けに再審することにする。豫妃は抵抗するが、結局連れ去られてしまう。

後宮の暗闘と如懿と皇帝の試練

圍場から戻って以来、皇帝は如懿を遠ざけ、永璂(えいけん)もまだ驚いている。愉妃(ゆひ)は如懿に積極的にコミュニケーションを取るように勧めるが、如懿は心のわだかまりが解けない。凌雲徹が永璂(えいけん)を家に送るとき、炩妃(こうひ)と茂倩(ぼうせん)は次々と凌雲徹に如懿から離れるように警告する。凌雲徹は葛藤を抱えるが、最終的に正義を貫くことを決意し、家庭内での矛盾はさらに深まる。

この事件の後、後宮では暗闘が繰り広げられ、各勢力が暗躍し、如懿と皇帝の関係はかつてない試練を迎える。

如懿伝 第75話 感想

第75話は、木蘭圍場で繰り広げられる緊迫感溢れる展開と、後宮に潜む陰謀が明らかになる衝撃的な内容でした。

特に印象に残ったのは、永璂(えいけん)が刺客に襲われるシーンです。如懿の必死の説得や凌雲徹の活躍により事なきを得ましたが、皇子を狙った大胆な犯行に驚愕させられました。また、この事件を通して、豫妃の暗躍や炩妃(こうひ)の冷酷さが浮き彫りになり、後宮の権力闘争の激しさを改めて感じました。

一方、皇帝と如懿の関係は、この事件をきっかけにさらに悪化します。皇帝は如懿を遠ざけ、永璂(えいけん)の教育にも厳しく接するようになります。如懿は皇帝の態度に傷つき、二人の間に溝が生じていきます。

この回は、事件の真相が明らかになるだけでなく、登場人物たちの複雑な感情や思惑が描かれており、見応えのある内容でした。特に、如懿の心情の変化や皇帝の苦悩は、視聴者に強い共感を呼び起こすでしょう。

今後の展開としては、豫妃の処罰や炩妃(こうひ)の暗躍が気になるところです。また、皇帝と如懿の関係が修復されるのか、それともさらに悪化するのかにも注目です。

つづく