如懿伝(にょいでん)~紫禁城に散る宿命の王妃~最終回第87話 あらすじ/ネタバレ

紫禁城を去る宿命の王妃

皇帝は妃嬪(ヒヒン)たちを連れて木蘭秋狝に出かけ、如懿は紫禁城に一人残された。夜の静寂の中、容珮(ようはい)と共に城楼を歩く如懿は、かつて弘暦(こうれき)との思い出を刻んだ場所へと足を止める。城楼に上り、広大な紫禁城を見下ろす如懿は、様々な想いが胸に去来する。

夜が更け、庭で茶を飲みながら昔を懐かしむ如懿と容珮(ようはい)。如懿は容珮(ようはい)との出会いから宮中の出来事までを振り返り、弘暦(こうれき)との出会い、結婚、中宮としての生活の甘さと信頼を思い出す。しかし、現在の状況を語る如懿は、もはや過去に執着していない。

如懿の心には、皇帝だけでなく、多くの故人が浮かぶ。彼女は、姑母、阿箬(あじゃく)、晞月、さらには嬿婉(えんえん)を思い出し、宮廷闘争の残酷さを嘆き、穏やかな日々を過ごし、子孫に囲まれることができたならと願う。もし、このような変事がなければ、今頃は妃嬪(ヒヒン)たちと談笑し、皇帝も側にいたかもしれないと想像する。

茶の香りが薄くなると、如懿は容珮(ようはい)に茶を替えるように命じるが、自身は緑梅を静かに眺めながら、安らかに息を引き取る。

知らせを受けた皇帝は驚き、如懿が長い間病に伏せていたことを知る。喪儀の取り扱いについて、彼は苦悩し、悲しみと怒りに暮れる。翊坤宮では、妃嬪(ヒヒン)たちが悲しみに暮れ、それぞれが思いを巡らせる。

皇帝は如懿の遺書を手に取り、彼女の解脱と自由を思い、涙を流すものの、ついに宮門をくぐることはなかった。十二皇子が母妃の遺書を差し出すと、皇帝は心を痛め、一人去っていく。

皇帝は破れた肖像画を前に、李玉から如懿の病状の真実を聞かされ、後悔の念に駆られる。郎画師は絵を復元することができず、真情は二度と戻らないと告げる。皇帝は城壁を独り歩き、昔を思い出し、声を上げて泣く。そして、如懿の安寧を願って、皇貴妃の礼に従って葬儀を行い、痕跡を消すように命じる。

太后は皇帝の行動を理解できず、皇帝は如懿の意志を説明する。太后も如懿の気持ちに理解を示し、それ以上は何も言わない。

9年後、皇帝は梅塢で緑梅を眺め、如懿への思いを募らせる。太后は、嬿婉(えんえん)の件が解決し、嬿婉(えんえん)が毒を飲んで自害したことを伝える。皇帝は十五皇子を太子に立て、複雑な心境で、自分は孤独な老人だと嘆く。

晩年、乾隆帝(けんりゅうてい)は如懿の断髪を取り出し、自分の白髪と共に棺に納め、ようやく安息を得る。緑梅は芽吹き、太上皇は亡くなり、二人の髪の毛を握りしめ、永遠に続く愛を物語っているかのようである。

第87話の感想

如懿伝の最終回は、感動的で悲劇的な結末を迎えた。如懿は、長い闘病生活の末に、静かに息を引き取った。彼女の死は、宮廷の誰もが悲しみに暮れさせた。特に、皇帝は如懿の死を深く悲しみ、後悔の念に駆られた。

如懿の死は、宮廷闘争の残酷さを改めて浮き彫りにした。如懿は、多くの陰謀や策略に巻き込まれ、苦しめられた。しかし、彼女は最後まで自分の信念を貫き通し、気高く生きた。彼女の死は、宮廷の人々に大きな衝撃を与え、宮廷のあり方を見直すきっかけとなった。

最終回では、如懿と皇帝の愛の深さも描かれた。如懿は、皇帝を深く愛しており、皇帝もまた如懿を愛していた。しかし、二人の愛は、宮廷のしがらみによって引き裂かれてしまった。如懿の死は、皇帝にとって大きな損失であり、彼は生涯如懿を忘れなかった。

如懿伝は、壮大な歴史ドラマであり、人間の愛と憎しみ、野心と欲望を描いた傑作である。最終回は、感動的で悲劇的な結末を迎えたが、如懿の生き様は、私たちに多くのことを教えてくれる。

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