一念関山(いちねんかんざん) -Journey to Love- 第30話 あらすじ/ネタバレ

夜が訪れ、金沙楼は煌々と灯りがともる。于十三(ユー・シーサン)と初月(ハツキ)は肩を並べて座り、酒を酌み交わす。于十三(ユー・シーサン)は冗談めかしつつも、初月(ハツキ)は良き伴侶に出会えていないからこそ、恋に悩んでいるのだと指摘する。彼は初月(ハツキ)に密かに想いを寄せているものの、2人の間に横たわる壁を理解しており、席を立とうとする。しかし、初月(ハツキ)は名残惜しそうに彼を引き留め、この楽しい時間をもう少し続けようと懇願する。于十三(ユー・シーサン)は彼女の願いを受け入れ、金沙楼の珍しい遊び道具の数々を案内し、初月(ハツキ)に前代未聞の自由と喜びを体験させる。

酒と食事を楽しんだ後、初月(ハツキ)は疲労を感じて部屋に戻って休む。于十三(ユー・シーサン)はそっと立ち去ろうとするが、金媚娘(キン・メイニャン)と鉢合わせする。妖艶な魅力を放つ金媚娘(キン・メイニャン)は、初月(ハツキ)と于十三(ユー・シーサン)の微妙な関係を一瞬で見抜き、2人の過去の出来事を持ち出して、于十三(ユー・シーサン)が本当に自分を愛していたのかを問いただす。金媚娘(キン・メイニャン)の直球質問に、于十三(ユー・シーサン)は正直に過去の想いを認め、金媚娘(キン・メイニャン)もまた、愛したことはあったが、于十三(ユー・シーサン)が自分を手放してくれたことに感謝していると答える。この会話を通して、2人はようやく心を開き、過去のわだかまりは消え去る。

一方、安帝の寝宮では、悪夢が彼の眠りを妨げる。夢の中で、任辛(レン・シン)は昭節(ショウセツ)皇后の復讐を果たすべく、安帝に刃を向ける。目を覚ました安帝は、任辛(レン・シン)が皇太子を殺害し、皇后の復讐を果たそうとしていると確信する。怒りに駆られた安帝は、鄧輝(トウ・フェイ)を呼び出して真相を問い詰める。鄧輝(トウ・フェイ)の黙認に安帝は激怒し、半月以内に任辛(レン・シン)の首を取らなければ、鄧輝(トウ・フェイ)の命で償うよう命じる。

別の方面では、如意(ルーイー)は金媚娘(キン・メイニャン)から于十三(ユー・シーサン)と初月(ハツキ)の行動を知る。複雑な心境の如意(ルーイー)は、于十三(ユー・シーサン)が戻ると、初月(ハツキ)が傷つけられるのではないかと心配して詰め寄る。于十三(ユー・シーサン)は何度も大丈夫だと約束し、ようやく如意(ルーイー)的理解を得る。その頃、寧遠舟(ニン・ユエンジョウ)は密報を受け、梧帝が東湖草舎に密かに移送されることを知る。一行はすぐに救出計画を実行に移す。

永安塔の火災事件がきっかけで、初月(ハツキ)は鄧輝(トウ・フェイ)の追跡に巻き込まれてしまう。鄧輝(トウ・フェイ)の尋問に対し、初月(ハツキ)は機転を利かせて、長慶 (チョウケイ)侯に関する情報を巧妙に隠蔽する。事後、初月(ハツキ)は李同光(リー・トングアン)に鄧輝(トウ・フェイ)の動向を伝え、2人の関係を改善しようと試みる。会話の中で、初月は于十三(ユー・シーサン)への想いが変わってしまったことに気づき、李同光(リー・トングアン)とは名目上の夫婦関係にとどめ、将来の保障として実権のある爵位を獲得することを決意する。

自分の気持ちの変化を自覚した初月は、于十三のもとを訪れ、長慶 (チョウケイ)侯の事件で朱衣衛が自分を狙っていることを告げ、彼に累が及ばないようにと心配する。于十三は初月の気遣いに感謝するものの、2人の身分の違いを理解しており、結ばれることは難しいと悟る。彼は放浪者ではあるものの、自分なりの立場と帰属があると述べ、初月の好意をやんわりと断る。

一方、金媚娘(キン・メイニャン)は如意(ルーイー)と使節団の安全を守るため、金沙楼の安都支部を閉鎖することを決意する。如意(ルーイー)は自分が足手まといになっているのではないかと不安になり、四夷館を去る決意をする。出発前、寧遠舟(ニン・ユエンジョウ)は如意(ルーイー)を特別な場所に連れて行き、2人は互いに想いを打ち明ける。どんな未来が待っていようと、目の前の人を大切に、無事に帰ってくると約束する。夜色に包まれ、2人の姿は徐々に遠ざかり、互いへの深い愛情と名残惜しさが残される。

第30話感想

第30話は、波乱に満ちた展開と複雑な感情が交錯する、見応えのあるエピソードでした。

于十三と初月の関係は、一歩前進しつつも、依然として壁が存在する様子が描かれました。初月は于十三への想いを自覚するものの、身分の違いを理由に彼を遠ざけてしまいます。一方で、于十三も初月への想いを認めながらも、自分の立場をわきまえ、身を引こうとします。2人の切ないすれ違いが胸を締め付けました。

金媚娘(キン・メイニャン)と于十三の会話は、印象的なシーンでした。過去のわだかまりを乗り越え、互いに感謝の気持ちを伝えることで、2人はようやく心を開き、新たな一歩を踏み出しました。

安帝と鄧輝(トウ・フェイ)の確執は、ますます深まっています。安帝は任辛(レン・シン)の闇躍を疑い、鄧輝(トウ・フェイ)に真相を問い詰めます。鄧輝(トウ・フェイ)の黙認は、安帝の怒りをさらに煽り、2人の関係は修復不可能なほど悪化してしまいました。

如意(ルーイー)と寧遠舟(ニン・ユエンジョウ)の別れは、切ないものでした。如意(ルーイー)は自分の存在が足手まといになっているのではないかと不安になり、四夷館を去る決意をします。寧遠舟(ニン・ユエンジョウ)は如意(ルーイー)を特別な場所に連れて行き、互いの想いを確かめ合います。2人の別れは、今後の展開を予感させるものでした。

つづく