春うらら金科玉条 第11話 あらすじ/ネタバレ

荼蘼(とみ)は再び、荒れ果てた寺院を訪れた。しかし、そこには以前とは違う光景が広がっていた。夜叉がいつの間にか寺院を綺麗に整え、温かみのある空間に変えていたのだ。荼蘼(とみ)は夜叉に、なぜ幽州に戻ってきたのか、そしてなぜ傷だらけなのかと尋ねる。しかし、夜叉は黙ったまま、逆に荼蘼(とみ)がなぜ自分を追ってきたのかと質問する。荼蘼(とみ)は約束を守るためだと答える。

夜叉はついに重い口を開き、自分が朝廷に追われている罪人であることを告白する。荼蘼(とみ)は驚きを隠せない。夜叉は、生まれた時から人には言えない秘密を抱えており、光と闇の狭間で生きてきたと打ち明ける。夜叉の苦悩を感じ取った荼蘼は、彼を助けようと決意する。彼女は夜叉が罪を犯していないと信じ、潔白を証明するためには全力で協力すると約束する。夜叉は荼蘼の決意に複雑な表情を浮かべる。

一方、康正源(こうせいげん)は重苦しい表情で部屋に入ってきた。韓無畏(かんぶい)は、何かあったのかと尋ねる。康正源(こうせいげん)は、単一(たん いっ)の祖父の墓が盗掘されたという衝撃的な事実を節度使府で知ったと明かす。現場を調査しに行ったものの、羅立(らりつ)とその手下は神隠しだと嘘をついて真相を隠蔽しようとする。荼蘼は、羅立(らりつ)と盗賊の確執を利用して事件を解決しようと考える。彼女は韓無畏(かんぶい)に協力を求め、韓無畏(かんぶい)は快諾し、信頼できる護衛を派遣する。康正源(こうせいげん)は韓無畏(かんぶい)の行動に感銘を受ける。

しかし、捜査が進展する中、皇宮から「羅立(らりつ)に触るな、幽州から離れろ」という密旨が届く。韓無畏(かんぶい)は納得できないものの、大局と荼蘼の安全を考え、今は我慢するしかないと思う。

数日後、荼蘼は事件の手がかりを発見する。過児(かじ)は荼蘼の苦労を労い、彼女のために鳩のスープを作る。荼蘼は夜叉のために、このスープを手作りしようと決意する。料理の腕前はないものの、心はこもっている。二人は一緒にスープを飲み、未来について語り合う。そして、裁判の日には必ず夜叉が来ると約束する。夜、荼蘼は家に帰る途中、咳が止まらない老人に出会う。同情した荼蘼は、老人にお手拭いを渡す。この老人は、後に夜叉と深い関係があることがわかる。

翌日、羅立(らりつ)は康正源(こうせいげん)に盗掘事件を公開裁判にしないよう要求する。韓無畏は納得できないものの、康正源(こうせいげん)は別の計画を立てている。康正源は表面上は承諾するが、実際には先手を打つつもりだ。韓無畏は普段着に着替えて街を歩き、羅立(らりつ)が荼蘼に裁判を依頼したという噂を流す。しかし、この噂はかえって羅立を怒らせてしまい、彼は事件について話すことを禁止する。しかし、このことで逆に噂が広まってしまう。

ついに裁判の日がやってくる。夜叉は約束通りに現れるが、裁判は公開されないまま終わってしまう。真実、権力、感情が交錯する戦いが、幽州城で静かに幕を開ける。

第11話の感想

第11話は、ストーリーが大きく動き出した回でした。夜叉の秘密が明らかになり、荼蘼は彼の潔白を証明するために動き出します。康正源と韓無畏も事件解決のために奔走し、羅立との対立が激化していきます。

特に印象に残ったのは、夜叉と荼蘼のシーンです。夜叉が自分の過去を打ち明けるシーンは、彼の苦悩が伝わってきて切なくなりました。また、荼蘼が夜叉のためにスープを作るシーンは、二人の絆の深さを感じさせてくれました。

裁判のシーンは、緊迫感があり、ハラハラドキドキしながら見守りました。羅立の悪事が暴かれるのか、夜叉は無事に解放されるのか、今後の展開が気になります。

つづく