春うらら金科玉条 第16話 あらすじ/ネタバレ
夜が深まり、県衙内で二度目の公判が始まる。緊張が張り詰める中、荼蘼(とみ)は落水事件の重要な目撃証人を連れて再び公堂に立つ。証人たちは夜の闇の中でぼんやりとしか覚えていない様子だが、一様に、人が落水した後、水面に生命の気配はなかったと証言する。
荼蘼(とみ)は、もし自分が范建(はんけん)だったら、偽装死を使って私利を得るためにどのように計画を立てるだろうかと考える。そんな時、公堂から嘲笑や疑問の声が上がる。荼蘼(とみ)は真の才能がないと笑われ、早く嫁いで事件に口を出すべきではないと忠告される。しかし、荼蘼は動じることなく、推理を続ける。
彼女は、才能がありながらも運に見放され、生活の重圧と家族の欲深さに苦しめられた一人の秀才の物語を語り始める。秀才は妻の富と地位を利用しながらも不満を抱き、偽装死によって妻に罪を着せ、財産を独占しようと企てる。この陰謀を実行するためには、妻のそばにいる婆のような内通者が必要だった。范建(はんけん)と王媽媽(おうまま)の関係がまさにそれだ。
自分の推測を確かめるため、荼蘼は夜に湖畔を訪れ、事件を再現することにする。月が隠れた風の強い夜、范建(はんけん)は計画通りに行動し、奇声を上げて通行人の注意を引き、巧妙な手品を使って自分が湖に落ちたように見せかけ、その隙に逃走する。翌日、湖に遺体が浮いてこないことに人々が疑問を抱き始めた時、荼蘼はついに答えを明かす。范建は、目の前で大きな箱から無傷で出てきたのだ。すべての謎が解き明かされた。
夜が更け、荼蘼は夜叉の助けに感謝するため会いに行くが、春大山(はる だいせん)に見られてしまう。夜叉は春大山(はる だいせん)に、小琴(しょう きん)の秘密の邸宅とその中の秘密について、春家とは血のつながりのない子供と徐氏(じょ し)の胎児の真実を明かす。これらの衝撃的な事実が春大山(はる だいせん)の心に響く。
一方、范建は荼蘼に面会を求め、単大人もそれを承諾する。かつてのライバルである荼蘼に、長年の計画が女性に敗れたことを悔やむ范建。彼は講和を申し出て、徐家の権力を握ったことを誇示するが、言葉には落胆と不甘が滲む。
その一方で、錦衣(きんい)衛は駅に潜入するが、行方がバレて韓無畏(かんぶい)に気づかれてしまう。韓無畏(かんぶい)は錦衣(きんい)衛をすぐに追いかけず、阿意離(あいり)に墨舞閣(ぼくぶかく)の動きを伝え、その目的を賭ける。しかし、その夜、阿意離(あいり)は墨舞閣(ぼくぶかく)の刺客に襲われるが、韓無畏(かんぶい)が間に合って助かる。この経験から、韓無畏は阿意離(あいり)に同情し、彼女の安全を守ることを誓う。その後、韓無畏は阿意離を洛陽別苑に送り、康正源(こうせいげん)も増援部隊を送り込む。阿意離をめぐる争奪戦と保護の戦いが静かに始まった。
第16話の感想
第16話は、緊迫感と驚きが満載の素晴らしいエピソードでした。荼蘼の推理力が光り、范建の偽装死のトリックが暴かれた瞬間は爽快感がありました。また、夜叉が春大山に明かした小琴(しょう きん)の秘密や、韓無畏が阿意離を助けるシーンなど、今後の展開が気になる要素も盛りだくさんでした。
特に印象に残ったのは、荼蘼が秀才の物語を通して范建の心理を分析するシーンです。彼女の洞察力と推理力はさすがで、范建の計画を完璧に看破していました。また、范建が敗北を認めて講和を申し出るシーンも、彼のプライドの高さと同時に、荼蘼への畏敬の念を感じさせるものでした。
つづく