春うらら金科玉条 第5話 あらすじ/ネタバレ
夜闇に潜む影
墨のような闇夜に、荼蘼(とみ)は高い塀にそっと近づき、侵入を試みる。しかし、不運にも巡邏中の役人と鉢合わせになりそうになる。奇妙なことに、その役人はまるで無形の手によって倒され、暗闇に引きずり込まれていった。荼蘼(とみ)が驚きを隠しきれないうちに、急な足音が近づき、彼女はよろめいてしまう。その千鈞一髪の瞬間、力強い手が背後から彼女を支えた。振り返ると、そこには夜叉の姿が。彼は軽く微笑み、通りかかっただけだと告げ、荼蘼(とみ)を助けて塀を越えさせた。
断裂した木片と血痕
屋敷内を捜索する二人。すると、折れた木片を発見する。そこには乾いた血痕が残っており、古びた血の匂いが漂っていた。荼蘼(とみ)は鋭い直感で、この血痕は3日前の夜に侵入してきた者のものであると断定する。彼女は慎重に証拠となる木片を回収し、夜叉は彼女を家まで送り届ける。しかし、夜叉と別れた途端、韓無畏(かんぶい)が現れ、まるで全てを把握しているかのように彼女を見つめる。
秘密の会合と謎の男
二人は夜に趙老七(ちょうろうしち)の家を訪れる。すると、家の中では明かりが灯っているものの、趙老七(ちょうろうしち)の妻である趙婉若ではなく、軍服を着た男と謎の女性が一緒にいるのが見える。この状況に疑念が募るが、夜も更けてきたため、韓無畏(かんぶい)は荼蘼(とみ)を先に家に送り、康正源(こうせいげん)にこのことを伝えるよう指示する。
趙老七(ちょうろうしち)の過去と謎の死
実は、趙老七(ちょうろうしち)は元々趙姓ではなく、趙婉若に助けられたことで趙家に婿入りし、改名した人物だった。しかし、結婚後は本性を現し、怠惰になり、趙婉若に暴力を振るうようになった。趙家は抵抗を試みたものの、最終的に訴えを取り下げ、老夫婦は相次いで亡くなり、趙婉若は一人ぼっちになってしまった。
隠された毒と真相への道
翌朝、韓無畏(かんぶい)は春家を訪れ、昨夜見た張五娘(ちょう ごにょう)と付貴が趙老七(ちょうろうしち)の家で密会していたことを明かす。そして話題を変え、荼蘼の“護花使者”である夜叉について尋ねる。荼蘼は正直に答えると、韓無畏(かんぶい)は彼女の安全を心配し、密かに護衛を増員する。
荼蘼は点心を携えて趙婉若を見舞いに行く。すると、彼女の腕の傷跡と、場違いな華やかな衣服に気づく。会話の中で、荼蘼は誤って相克する食べ物を食べてしまい、腹痛を起こす。趙婉若の言葉で、彼女は食べ物の相克には大きな秘密が隠されているのではないかと考える。
文大夫(ぶんたいふ)から、荊花と魚スープを一緒に食べると致死的な可能性があることを知る。そこで、公の場で趙老七の吐瀉物を再検査することを要求すると、見過ごされていた瓜の種を発見する。実は、この瓜の種は魚肉に巧妙に混ぜられており、隠された致死性の毒となっていたのだ。さらに、折れた木片が趙老七の足の傷跡と一致したことで、彼の嫌疑はますます強まる。
しかし、証拠は揃っているものの、趙老七が自殺を装って他人を陥れたことを直接証明することはできない。荼蘼はひらめき、現場で荊花、魚スープ、米を混ぜた後の反応を実演し、事件の経過を再現しようと試みる。この一連の発見と推理によって、事件はますます複雑化するが、真相が明らかになる予兆も感じさせる。
第5話の感想
第5話は、緊迫感と謎が入り混じった展開で、最後まで目が離せませんでした。特に、荼蘼が夜叉の助けを借りて屋敷に侵入するシーンはハラハラドキドキしました。また、趙老七の過去や、食べ物の相克に隠された秘密など、新たな謎が明らかになり、今後の展開がますます気になります。
キャラクターの活躍も印象的でした。荼蘼は鋭い洞察力と行動力で事件解決に貢献し、夜叉は頼りになる存在として荼蘼をサポートしていました。また、韓無畏(かんぶい)の冷静な判断力と、趙婉若の悲壮な過去も描かれ、物語に深みを与えていました。
つづく