玉骨遥 第10話 あらすじ/ネタバレ

幽静な九嶷(きゅうぎ)山で、朱顔(しゅがん)は時影(じえい)の袖の中に巧みに隠されています。彼女の術法はまだ束縛から逃れるには十分ではありません。

大司命(だいしめい)が現れ、時影(じえい)と首徒の候補について話し合います。時影(じえい)は謙虚に、4人の新弟子はまだあまり知らないため、すぐに判断するのは難しいと答えます。朱顔(しゅがん)については、勇敢で正義感があるものの、愚鈍で向こう見ずな一面があると指摘します。一方、白雪鷺(はくせつろ)は外柔内剛で意誌が固いため、才能があると評価します。

袖の中で聞いていた朱顔(しゅがん)は不満に思い、術法を使って袖に仮論の言葉を書き留めます。しかし、大司命(だいしめい)はすでに立ち去っており、字は誤って落ちてしまいます。時影(じえい)はそれを咎めるどころか、その「鞭策」を朱顔(しゅがん)の手のひらに移し、常に仮省するように促します。朱顔(しゅがん)は時影(じえい)に字を消してもらおうとしますが、逆にそれを理由に、そのまま学び続けるように要求されます。

この出来事はすぐに六部中に広まり、朱顔(しゅがん)の手のひらの字は咲いものにされます。しかし、彼女は恥じるどころか、白雪鷺(はくせつろ)をからかい、時影(じえい)から特別の注目を集められなかったと揶揄します。初日の授業では、朱顔(しゅがん)は遅刻をしたため、法磬によって自動的に減点されます。時影(じえい)がわざとそうしたと勘違いしますが、白雪鷺(はくせつろ)と玄族の郡主から、これは公正な措置であると説明を受けます。朱顔(しゅがん)は盛り上がり、二つの部族の郡主に法磬を寄付することを提案し、二人を慌てさせます。

大司命(だいしめい)は時影(じえい)と密会し、青罡(せいこう)が青族の猛毒である鵲踏枝を山に持ち込んでいることを明かします。彼は試験には合格したものの、不穏な動きに注意する必要があると言います。一方、朱顔(しゅがん)は退屈な授業に嫌気がさし、その無意味さを直言します。時影(じえい)はこれを機に、九嶷(きゅうぎ)山最高の法術である「時間から力を借りて物事の軌跡を変える」ことについて考えさせるように導きます。朱顔(しゅがん)は教えを受け、罰として元虚経入門編を3回書き写すことを受け入れます。

術法の向上を目指す青罡(せいこう)は、朱顔(しゅがん)に時影(じえい)の髪の毛を手に入れる手伝いを頼みます。その見返りとして、彼は朱顔(しゅがん)に元虚経の奥義を教えると言います。朱顔は承諾し、二人は取引を成立させます。大司命(だいしめい)は白雪鷺(はくせつろ)の忠誠心と才能を高く評価し、初級の術法を教えるだけでなく、青罡(せいこう)の動向を監視するという重要な任務を任せます。

3日後、朱顔は書き写した経書を提出します。時影(じえい)はそれを一通り確認し、不足点を指摘します。書き写すことは理論の欠陥を補うためだと強調します。青罡(せいこう)を助けるため、朱顔は何度も時影(じえい)に近づこうとしますが、髪の毛を手に入れることはできません。時影はそれを察して、万書伝音の術を教えることで、朱顔の学習効率を向上させようとします。夕食時、時影は特別に茶湯飯を用意しますが、朱顔の口には合いません。しかし、他に選択肢がないことを理解し、無理やり食べます。伝音の術を習得した朱顔は、自分の進歩を実感し、時影に謝罪します。時影は喜んで受け入れ、いつでも質問に答えると約束します。報酬として、時影は特別に魚肉を用意しますが、重明(ちょうめい)鳥に全部食べられてしまい、コミカルな雰囲気になります。

一方、赤淵(せきえん)の目は青く光り、父親の言葉を思い出し、龍神(りゅうしん)が眠る場所はすぐ近くにあると確信します。九嶷(きゅうぎ)山は謎に包まれます。そして、朱顔は感謝の気持ちを表すために、時影に泥人形をプレゼントします。断られますが、一ヶ月だけの師弟の縁であっても、弟子の義務を果たすべきだと主張し、時影の髪を結うことを提案します。この行為は、二人はの距離を縮めることになります。

第10話:感想

第10話は、朱顔と時影の関係に大きな進展が見られた回でした。朱顔は時影の教えに仮発しつつも、徐々に彼の真意を理解し始めます。一方、時影は朱顔の成長を喜び、彼女を弟子として認め始めます。

特に印象的だったのは、朱顔が時影の髪の毛を手に入れようとするシーンです。彼女は青罡(せいこう)との取引のために、時影に内緒で彼の髪の毛を手に入れようとしますが、失敗します。しかし、時影はそれを咎めるどころか、彼女に万書伝音の術を教えることで、彼女の学習効率を向上させようとします。このシーンは、時影の朱顔に対する優しさと、彼女の成長を願う気持ちが伝わってくる、とても温かいシーンでした。

また、朱顔が時影に泥人形をプレゼントするシーンも印象的でした。彼女は時影に断られますが、一ヶ月だけの師弟の縁であっても、弟子の義務を果たすべきだと主張し、時影の髪を結うことを提案します。このシーンは、朱顔の素直さと、時影への尊敬の気持ちが伝わってくる、とても可愛らしいシーンでした。

つづく