玉骨遥(ぎょっこつよう)第18話 あらすじ/ネタバレ

静かな九嶷(きゅうぎ)山で、時影(じえい)はついに朱顔(しゅがん)と向き合う決意をした。朱顔(しゅがん)は彼の正体、嘉蘭(からん)国の世子(せいし)であることを知っていた。時影(じえい)は朱顔(しゅがん)の住居にゆっくりと歩み寄り、複雑な表情を浮かべた。彼は当年、花を贈ったのは何気ない行為だったと打ち明けた。まさか朱顔(しゅがん)があらゆる非難を受け、命を懸けて自分を救うとは思っていなかった。彼の深い愛情に、時影(じえい)は感動と罪悪感を覚えた。彼は、過去の闇い影に囚われ、朱顔(しゅがん)を苦しめたくない一心で、自分の正体を隠していたと告白した。

朱顔(しゅがん)は涙を堪えながら、自分の執著が師匠の気持ちを無視してしまったことを悔やんだ。彼女は時影(じえい)の心の傷が癒えていないことを知っていた。どんな強力な術法でも、その傷を癒すことはできない。師匠の沈黙と忍耐に、朱顔(しゅがん)は慰める言葉が見つからなかった。ただ、ずっとそばにいたいと願うだけだった。彼女は世子(せいし)が生きているという真実を知り、花を贈られた恩返しをする決意を新たにした。

しかし、時影(じえい)の心には波紋が広がっていた。彼は朱顔(しゅがん)への想いが師弟の情を超えていることに気づいた。神々の前で、彼は俗な心を抱いてしまったことを告白し、不浄の法による厳しい罰を受け入れる覚悟を決めた。それは、智識慧剣を研ぎ、骨を削ぎ落とし、俗念を断ち切るためだった。傷が癒えていないにもかかわらず、時影(じえい)は罰を受けることを主張した。彼の決意に、刑を執行する者は心を痛めた。

一方、大司命(だいしめい)は混乱した状況に対処するため、少司命(しょうしめい)である時影(じえい)の正体を公表し、危機に対処するために彼を出山させることを決めた。しかし、神袍を脱ぎ捨てる道は危険が伴い、万劫(まんごう)地獄を経験しなければならない。時影(じえい)の霊力が保たれるかどうかは未知数だった。大司命(だいしめい)は時影(じえい)を守るため、朱顔(しゅがん)に誅心呪をかけた。時影(じえい)に危害を加えないようにするためだった。

青(せい)王は世子(せいし)が生きているという知らせを聞き、氷族(ひょうぞく)への忠誠心に疑念を抱き、白族との婚姻を急いで勢力を固めた。青妃(せいひ)は精明で有能な白雪鷺(はくせつろ)を時雨(じう)との縁談に選び、力を借りようとした。白雪鶯(はくせつおう)は真相を知り、姉がなぜ青妃(せいひ)を助けて少司命(しょうしめい)と戦うのかと問いただした。白雪鷺(はくせつろ)は生存之道を理由に、自分の行動はすべて自衛と未来のためだと答えた。

朱顔(しゅがん)は白雪鶯(はくせつおう)からの手紙を受け取り、白雪鷺(はくせつろ)に騙されていたことを知った。時影(じえい)に報告しようとしたが、時影(じえい)は門を閉ざし、朱顔(しゅがん)は長跪不起した。最終的に時影は心軟になり、彼女に会った。朱顔(しゅがん)は自分の委屈を訴え、時影と一緒に雪景色を見たいと申し出た。時影は朱顔に感謝しつつ、師弟の名のもとに規律を守る必要があることを教え、学成したら帰郷しなければならないとほのめかした。

朱顔は去ることを拒み、師匠と肩を並べて九嶷(きゅうぎ)山を守ると誓った。彼女はあらゆる手段を尽くし、重明(ちょうめい)に魚スープで誘惑して、時影に自分を残すように説得してもらおうとした。しかし、赤王(せきおう)夫婦が突然現れ、朱顔を連れ戻そうとした。時影と大司命(だいしめい)は異議を唱えず、朱顔の帰郷は決まったようだ。

別れが近づき、朱顔の心は不安と決意でいっぱいだった。彼女は自分のやり方で師弟の情を守り、たとえ前途がわからなくても、勇敢に歩んでいくことを決意した。一方、時影は心の奥底で、日増しに深まるこの感情を本当に断ち切り、孤独で冷淡な少司命(しょうしめい)の地位に戻ることができるのか、もがき続けていた。

第18話の感想

第18話は、複雑な感情が交錯する回でした。時影と朱顔の心の葛藤、大司命(だいしめい)の苦悩、青(せい)王の疑心闇鬼などが描かれ、物語が大きく動き始めました。

時影の朱顔への想いは、師弟の情を超えたものへと変化しつつあります。しかし、彼は自分の過去や立場から、その想いを素直に受け入れることができません。彼の葛藤は、表情や行動を通して繊細に表現されており、見ていて胸が痛くなりました。

朱顔は、時影の正体を知って動揺しながらも、彼への想いを貫こうとします。彼女の純粋さと一途さは、見ていて応援したくなるような魅力があります。

大司命(だいしめい)は、時影を救うために苦渋の決断を下します。彼女は時影の才能を信じつつも、彼の身を案じる気持ちも強く、その葛藤が伝わってきました。

青(せい)王は、時影の生存を知って疑心闇鬼に陥ります。彼の猜疑心は、物語をさらに複雑なものにしていくでしょう。

つづく