玉骨遥 第19話 あらすじ/ネタバレ

朝焼けに染まる九嶷(きゅうぎ)山

朝の光が九嶷(きゅうぎ)山を照らし、薄靄が立ち込める中、朱顔(しゅがん)は山頂に立ち、遠くを見つめていた。彼女は師匠・時影(じえい)が赤王(せきおう)夫婦の訪問を考慮して下山させたと思い込み、師匠を困らせたくない一心で、父王と母妃と共に無極風城へ戻る決意をする。

別れ際、朱顔(しゅがん)は涙を浮かべながら時影(じえい)に体を大切にするよう伝え、師弟の情はどんな場所でも断ち切れないことを伝える。彼女は再会の約束を期待して時影(じえい)を見つめるが、時影(じえい)は黙ったままで、温かみのある光を放つ玉骨を彼女の掌にそっと置く。それは白薇(はくび)皇后的遺物であり、彼女の出師の際に贈られたもので、深い意味が込められていた。

複雑な思いを抱えながら無極風城へ

朱顔(しゅがん)は時影(じえい)に別れを告げ、帰路につく。重明(ちょうめい)は驚きながらも、時影(じえい)の苦衷を理解していた。この混乱期に朱顔(しゅがん)を遠ざけることは、彼女を守るための最善策だったのだ。玉骨は権力の象徴であるだけでなく、時影(じえい)が朱顔(しゅがん)に寄せる深い愛情の証でもあった。彼はこの弟子に心を許し、生涯変わらぬ思いを抱き続けることを誓っていた。

無極風城に戻った朱顔(しゅがん)は、真っ先に止淵(しえん)を訪ね、感謝の気持ちを伝え、喜びと困惑を打ち明ける。止淵(しえん)は彼女の言葉から、彼女と龍血古玉(りゅうけつこぎょく)の深い縁を感じ取る。海皇(かいこう)との関係は理解できないものの、彼女の成長を嬉しく思う。朱顔(しゅがん)は少司命(しょうしめい)との再会を喜ぶ一方で、師匠の置かれた状況を心配し、時影(じえい)が無事に難を逃れることを願っていた。

朱顔(しゅがん)の奔放な行動と止淵(しえん)の複雑な心境

赤妃(せきひ)は朱顔(しゅがん)のために縁談を積極的に進めるが、朱顔(しゅがん)の言動は相手を遠ざけてしまう。彼女は粗野な態度を取り、酒楼では民衆をからかう悪漢に立ち向かい、莫公子(ばくこうし)の不興を買ってしまう。朱顔(しゅがん)は自分の行動に非はないと主張し、彼女の率直さと勇気は縁談を台無しにしてしまったものの、彼女の心の真実を表現することにもなった。

朱顔(しゅがん)は縁談の顛末を手紙に書いて遠く離れた師匠に送り、その中で師匠の高潔な人柄を称え、世の男性が師匠のように公正で私心のない人物であればと願う。母妃の再三の勧誘に対して、朱顔は止淵(しえん)を盾に、不適切な縁談を断り続ける。止淵(しえん)の協力もあり、この騒動は相手の怒りの退場で幕を閉じ、2人の間には特別な感情が芽生え始める。

朱顔と止淵(しえん)の複雑な感情

食事の後、朱顔は止淵(しえん)と一緒に炎鳳楼を散歩し、縁談への不満や仮感を打ち明ける。同時に、止淵(しえん)への好感も抱き始める。止淵(しえん)が愛する人の姿を語ると、朱顔は自分が師匠・時影(じえい)に抱いている感情が、師弟の情だけでは説明できないことに気づく。しかし、その感情は甘美でありながら苦く、彼女はそれを冒涜したくないため、心の奥底にしまい込む。

一方、止淵(しえん)も深い矛盾に陥っていた。朱顔への気持ちは変わってしまったが、彼は朱顔が自分が探している曜儀(ようぎ)ではないことを知っている。この感情は彼にとって禁断のものだった。さらに深く傷つくのを防ぎ、朱顔に迷惑をかけないようにするため、彼は赤王(せきおう)府を去り、この未練を胸に秘めたまま去ることを決意する。

夢の中の再会と永遠の約束

夜が更け、朱顔は夢の中で偶然にも時影(じえい)の精神世界に迷い込む。そこは彼女の心の安らぎの場だった。彼女は目の前の「師匠」に抱きつき、尽きることのない思いを伝える。しかし、2人がこれが夢であることに気づくと、時影(じえい)の姿は徐々に消えていき、師匠に価た許願の木だけが残され、時空を超えたこの愛を見守っていた。朱顔と時影(じえい)は、遠く離れていても心はつながっており、次の再会を心待ちにしていた。

第19話:複雑な感情と別れ

第19話は、朱顔と時影の師弟関係に大きな変化が訪れる回でした。朱顔は時影の真意を誤解し、無極風城へ戻る決意をします。一方、時影は朱顔への想いを胸に秘めたまま、彼女を危険から守るために距離を置くことを選びます。

朱顔の無邪気さと奔放さは、赤王(せきおう)府での縁談を次々と台無しにしてしまいます。しかし、その裏には、師匠への尊敬と愛情が隠されています。止淵(しえん)との交流を通して、朱顔は自分の本当の気持ちに気づき始めます。

一方、時影は朱顔への想いに苦悩します。彼は師匠としての立場と、自分の感情の間で揺れ動き、最終的に朱顔との別れを決意します。夢の中で再会を果たした2人は、複雑な感情を抱えながらも、永遠の約束を交わします。

つづく