玉骨遥 第20話 あらすじ/ネタバレ

ストーリー展開とともに、時影(じえい)の心は朱顔(しゅがん)が自分の精神結界に侵入したことに対する疑問が深まる。彼は、宮商が残した霊力の余波がまだ消えていないため、二人の霊力間の微妙なつながりが、朱顔(しゅがん)が不意に彼の精神世界に足を踏み入れた原因ではないかと推測する。一方、青妃(せいひ)は青罡(せいこう)を朱顔(しゅがん)との縁談の瀬戸際に追い込む。青妃(せいひ)の意図は明らかで、この縁談を通じて青族と赤(せき)族の同盟を固め、青罡(せいこう)の将来の青(せい)王への道を切り開きたいと考えている。

青罡(せいこう)はこの突然の取り決めを前に、複雑な気持ちを抱く。彼は、まもなく時雨(じう)の王妃となる雪鷺(せつろ)に会い、彼女から共感を得ようとする。雪鷺(せつろ)は結婚の取り決めには淡々と受け止めているが、青罡(せいこう)には時勢に従うようにと諭す。朱顔(しゅがん)の身分と背景は、青罡(せいこう)にとって大きな助けになるからだ。しかし、青罡(せいこう)の心は動かず、雪鷺(せつろ)の権謀術数の言葉に、彼の迷いと苦悩はより一層無力なものとなる。

一方、北冕(ほくべん)帝宮では、妃選びの大芝居が静かに繰り広げられている。時雨(じう)は父君の目の前で、迷うことなく白雪鶯(はくせつおう)を選び、二人の想いは北冕(ほくべん)帝の承認と祝福を得る。青妃(せいひ)はこれを機に時雨(じう)と雪鷺(せつろ)の縁談を成立させようと考えていたが、北冕(ほくべん)帝は青妃(せいひ)の思惑とは逆に、時雨(じう)と白雪鶯(はくせつおう)の婚約を認め、青妃(せいひ)に九嶷(きゅうぎ)山の平穏を乱さないようにと警告する。

朱顔(しゅがん)は世子(せいし)の決定を知り、喜びと不安が入り混じる。彼女は師匠である時影(じえい)が早く無極風城に来て、再会してくれることを願う。しかし、一ヶ月待っても、師匠からの音沙汰はない。夜、朱顔(しゅがん)は再び夢の中であの馴染みの奇境に足を踏み入れる。彼女は許願の樹に近づこうとするが、目に見えない結界に阻まれる。その時、青罡(せいこう)の出現がその静寂を破る。彼は朱顔(しゅがん)にこの縁談を断るように懇願する。朱顔(しゅがん)は青罡(せいこう)の気持ちを尊重し、彼に諦めないようにと諭す。

精神結界の中で、時影(じえい)は再び朱顔(しゅがん)と出会う。朱顔(しゅがん)の甘えと挑発に、時影(じえい)は咲いでごまかすしかない。しかし、同時にこの貴重な親密な時間を満喫する。朱顔(しゅがん)は幻影の師匠に、母妃からの縁談に悩んでいることを打ち明ける。彼女の言葉には、時影(じえい)への依存と憧れが溢れている。時影(じえい)は心の中で喜び、精神結界の許願の樹もこの感情によって赤い花を咲かせる。

一方、時影(じえい)と重明(ちょうめい)は氷族(ひょうぞく)の陰謀を密かに追っている。彼らは、氷族(ひょうぞく)の十巫(じゅうふ)の長である巫咸(ふかん)が本当に死んでいないことを発見する。これは、氷族(ひょうぞく)の脅威がまだ消えていないことを意味する。氷族(ひょうぞく)の背後にある秘密を明らかにするため、時影(じえい)は九嶷(きゅうぎ)郡に潜入し、智者(ちしゃ)が残した手がかりを探すことにする。その過程で、彼らは巫咸(ふかん)が落とした地形図と迷宮の解き方を発見し、九嶷(きゅうぎ)山の中に氷族(ひょうぞく)の内通者がいるという推測をさらに裏付ける。

時影(じえい)はこの重大な発見を大司命(だいしめい)に報告し、追跡を続けるように命じられる。同時に、彼は大司命(だいしめい)が霊力を使って自分と朱顔(しゅがん)を引き合わせた真相を知る。大司命(だいしめい)の探りや憶測に、時影(じえい)は自分の立場を明確にする。彼は世俗の騒動には関与するつもりはなく、朱顔をも巻き込みたくないのだ。朱顔とのつながりを完全に断ち切るために、彼は祝婚書を書き、朱顔に人間界の幸せを享受し、山中のことを気にしないように願う。

しかし、この断固たる祝福は朱顔の心を深く傷つける。時影(じえい)からの祝いの手紙と贈り物を受け取った時、彼女は涙を流さずにはいられない。彼女は、自分と師匠との縁は本当に尽きてしまったのかもしれないと悟る。しかし、この悲しみのなかでも、彼女は師匠の深い愛情と無力さを知り、自分の信念と追求をさらに強くする。

第20話感想

第20話は、複雑に絡み合う人間関係と、それぞれのキャラクターの葛藤が描かれた回だった。特に印象に残った点は以下の3つだ。

  1. 青罡(せいこう)の苦悩: 青罡(せいこう)は、青妃(せいひ)によって朱顔との縁談を強要され、苦悩する。彼は朱顔への想いを抱いているが、青族の未来を背負う責任感から、縁談を断ることができない。青罡(せいこう)の葛藤は、彼の優しさゆえであり、見ていて切ない気持ちになった。
  2. 時影(じえい)と朱顔の再会: 時影と朱顔は、精神結界の中で再会を果たす。時影は、朱顔の甘えと挑発に戸惑いながらも、彼女の想いに応える。二人の親密な様子は、見ていて微咲ましく、今後の展開が楽しみになった。
  3. 時影の決断: 時影は、朱顔との関係を断ち切るために、祝婚書を書く。彼は、朱顔の幸せを願い、彼女を世俗の騒動から守りたいと考えている。時影の決断は、彼の優しさの裏返しであり、彼の深い愛情を感じた。

つづく