玉骨遥 第30話 あらすじ/ネタバレ

夜が更けていく中、時影(じえい)は重明(ちょうめい)を連れて陰気な牢獄へと足を踏み入れる。囚人から重要な手がかりを得ようとした矢先、突如其来的陰風が吹き荒れ、囚人は巫咸(ふかん)の策略にかかり、その場で命を落としてしまう。時影(じえい)は素早く仮応し、手がかりを追跡するが、いつの間にか幻影の迷宮に迷い込んでしまう。

この奇妙な世界の中で、時影(じえい)は星尊(せいそん)大帝・琅玕(ろうかん)の姿を目撃する。琅玕(ろうかん)は巫咸(ふかん)を自らの手で葬り去っており、その理由は氷族(ひょうぞく)に利用価値がなくなったからだと語る。

琅玕(ろうかん)はゆっくりと振り返り、自分の正体を明かし、白薇(はくび)皇后への尽きることのない想いと後悔の念をにじませる。時影(じえい)の問いかけに、彼は氷族(ひょうぞく)と手を組んだ理由、そして空桑(くうそう)を破壊して再建しようとした決意を率直に語る。時影(じえい)は怒りを覚えるが、このかつての皇帝が千年の執念に飲み込まれていることも理解する。

琅玕(ろうかん)の言葉には疲労と絶望が滲み出ており、彼は空桑(くうそう)の未来を継ぐことができる人物、時影(じえい)を待つために千年もの間彷徨っていたことを明かす。琅玕(ろうかん)は時影(じえい)に、皇帝になるか、補佐役になるかを選択するよう促し、最後に自分の苦しみを終わらせてほしいと懇願する。時影(じえい)は躊躇するものの、最終的に剣を振りかざし、この伝説的な皇帝の命を絶つ。

幻影が消え、時影(じえい)は現実世界に戻る。彼は重明(ちょうめい)に、智者(ちしゃ)が琅玕(ろうかん)であり、彼の執念が魔となり、氷族(ひょうぞく)を利用して空桑(くうそう)を脅かしていたことを明かす。巫咸(ふかん)の死により氷族(ひょうぞく)の脅威は消滅したが、海国(かいこく)の軍が新たな懸念となる。

一方、白風麟(はくふうりん)は捕虜となった人魚から戦功を上げようと企むが、時雨(じう)の命を受けた青罡(せいこう)に阻まれ、憤慨する。時雨(じう)は撤退を主張し、時影(じえい)も聖旨を携えて到著。平民の安全を確保し、止淵(しえん)は雲荒(うんこう)に長く平和が続くことを願う。

重明(ちょうめい)は時影(じえい)の心情を察し、彼が朱顔(しゅがん)のために神位を捨てようとしたことを話題にする。時影(じえい)はそれを否定しない。止淵(しえん)はタイミングよく割り込み、赤珠・翡麗(ひれい)との愛の物語を語り、時影に自分の気持ちを勇気を持って伝えるように促し、朱顔(しゅがん)に再び別れを経験させないようにと助言する。

時影は朱顔(しゅがん)の居所へと足を運び、病に伏している彼女を見舞う。朱顔(しゅがん)は部屋の整理をしている最中に時影と接近し、二人の間に微妙な感情が芽生える。時影は灯節を一緒に見に行こうと提案し、朱顔(しゅがん)は喜んで承諾する。

翌日、灯火が煌々と輝く中、朱顔(しゅがん)は時影を連れ、画廊を巡る。彼女のいたずら心と真剣さが交錯し、時影は思わず咲みを浮かべる。朱顔(しゅがん)は知識不足を補うべく、一生懸命説明するが、時折誤りがあり、それがまた楽しさを増す。時影は親密になろうとするが、朱顔(しゅがん)は彼の意図を理解しない。

時影は幼い頃に未完の影絵を探し、朱顔(しゅがん)は積極的に協力する。二人は人混みの中、寄り添いながら、花火の輝きを眺める。最終的に、朱顔(しゅがん)は影絵を見つけるが、事情により結末を知ることができないと言われる。老板は残念がる二人に、彼らの肖像画を切り抜いてプレゼントする。時影はさらに自ら手を加え、生き生きとした朱顔(しゅがん)像を切り抜き、深い意味を込める。

二人が温かい雰囲気に浸っていると、重明(ちょうめい)が急報を伝える。時雨(じう)に危険が迫っているという。時影は胸騒ぎを覚えるが、同時に朱顔(しゅがん)と残りの人生を共に過ごす決意を固める。未来は長く険しいかもしれないが、愛と責任が彼らを導き、この雲荒(うんこう)の地を守り続けるだろう。

第30話 感想

第30話は、衝撃的な展開と感動的なシーンが満載の素晴らしいエピソードでした。特に印象に残った点は以下の3つです。

  1. 琅玕(ろうかん)の真実: 琅玕(ろうかん)が智者(ちしゃ)であり、氷族(ひょうぞく)と手を組んでいたことが明らかになりました。彼の千年にもわたる苦悩と、空桑(くうそう)への執念が描かれており、複雑な感情を抱きました。
  2. 時影の決意: 時影は、琅玕(ろうかん)を倒し、空桑(くうそう)の危機を救いました。しかし、その過程で彼は大切なものを失い、大きな決断を迫られます。彼の苦悩と成長が描かれており、今後の展開が気になりました。
  3. 時影と朱顔: 時影と朱顔の仲が深まるシーンは、とても微咲ましかったです。二人が灯節を一緒に楽しむ様子や、影絵を探すシーンは、ほっこりとした気持ちになりました。

つづく