玉骨遥 第31話 あらすじ/ネタバレ

怪我で負傷した時雨(じう)は、青妃(せいひ)に単独行動の真相を告白する。青妃(せいひ)は咎めるどころか、少司命(しょうしめい)時影(じえい)が見舞いに来たことを知ると、黙認する。時影(じえい)は霊力で時雨(じう)の傷を癒し、さらに自身の霊力を込めた霊珠を授けて苦痛を和らげる。時影(じえい)の鋭い洞察力に、時雨(じう)は隠し事をできなくなり、軍隊生活への嫌悪を吐露し、時影(じえい)に撤退の責任を代行するよう懇願する。時雨(じう)の怪我は事実であり、撤退は重大な問題であるため、時影(じえい)は彼の要求を承諾する。

青妃(せいひ)は再び現れ、スープを手に時雨(じう)に飲ませようとする。しかし、そのスープには霊力者に効く蠱毒が仕込まれていた。時雨(じう)は自ら飲もうとするが、青妃(せいひ)に急いで止められる。時影(じえい)は不審に思い、スープをひっくり返し、毒計を暴く。青妃(せいひ)は自己保身のため、罪を無実の侍女に押し付け、家族の命を脅迫する。侍女は仕方なくスープを飲み、悲劇的な結末を迎える。

一方、朱顔(しゅがん)は師匠である時影(じえい)が神袍を放棄したことに困惑する。彼女は師匠が名声に執著しないことを知っているが、玉菲(ぎょくひ)の忠告により、時影(じえい)は氷族(ひょうぞく)の再侵攻に備えて空桑(くうそう)の未来のために計画を立てているのではないかと考える。時影(じえい)は撤退の責任を引き受け、大司命(だいしめい)の支持を得るが、時雨(じう)が回復したら兵権を返還すると主張し、大司命(だいしめい)の心には不信の影が落ちる。時影(じえい)は空桑(くうそう)を第一に考え、母上の教えに従い、天地、民、血脈に恥じない行動をとることを誓う。

時雨(じう)は隠居を決意し、世子(せいし)の座を時影(じえい)に譲り、雪鶯(せつおう)と遠くへ旅立とうとする。朱顔(しゅがん)はそれを聞いて仮対し、空桑(くうそう)と雪鶯(せつおう)の両方に不公平だと主張する。時影(じえい)は鲛族の御水術で白風麟(はくふうりん)を威嚇し、撤退に同意させ、命令の執行を確実にする。

朱顔(しゅがん)は師匠に会いたいと白府を訪れるが、大司命(だいしめい)に時影は国事に忙しく、邪魔をしてはいけないと言われる。しかし、大司命(だいしめい)は白雪鷺(はくせつろ)に時影に茶点を持っていくことを許可し、朱顔(しゅがん)は疑念を抱く。大司命(だいしめい)は時影と白雪鷺(はくせつろ)の結婚の可能性を示唆し、朱顔(しゅがん)は心を痛めて去る。白雪鷺(はくせつろ)は時影の心が自分にないことを知っていながらも、自分の選んだ道を歩むことを決意し、青罡(せいこう)は心配するものの、何もできない。

朱顔(しゅがん)と時影の誤解は深まり、時影は街を歩いたり、影絵芝居を見たりして誤解を解こうとする。特に影絵芝居の星尊(せいそん)と白薇(はくび)の深い愛情は、朱顔(しゅがん)への一途な愛情を表現している。しかし、朱顔(しゅがん)は時影が白雪鷺(はくせつろ)のために準備したと思い込み、落胆して定情の品を選びながらも渡すことができず、急いで立ち去る。白雪鷺(はくせつろ)は時影が選んだ環佩を見せびらかして、朱顔(しゅがん)の苦しみをさらに増すが、彼女は師匠の幸せを願う。

蘇摩(そま)の慰めにより、朱顔(しゅがん)の気持ちは少し落ち著き、時影も自分の気持ちをどのように伝えたらいいのかを仮省する。2人の感情の葛藤は、まだ解き放たれる瞬間には程遠いようだ。

第31話感想

第31話は、波乱に満ちた展開と複雑な感情が交錯する見応えのあるエピソードでした。

青妃(せいひ)の悪辣さが改めて浮き彫りになり、無実の侍女を犠牲にしたことで、その冷酷さが際立ちました。一方で、時雨(じう)の苦悩や朱顔(しゅがん)の葛藤、そして時影の決意など、様々なキャラクターの心情が丁寧に描かれており、物語に深みを与えていました。

特に印象的だったのは、時影と朱顔(しゅがん)のすれ違いです。お互いへの想いを抱きながらも、誤解や週囲の思惑によって距離ができてしまう様子は、もどかしくもあり、切なくもありました。

また、時影の決意も大きな注目ポイントでした。神袍を放棄し、空桑(くうそう)の未来のために尽力することを決めた姿は、彼の責任感と覚悟を感じさせ、今後の展開がますます気になります。

つづく