玉骨遙(ぎょっこつよう) 第36話あらすじ/ネタバレ

朝焼けが静かに九嶷(きゅうぎ)山の静寂を照らす。朱顔(しゅがん)は時影(じえい)の横顔を見つめる。彼女は自分が彼の運命に刻まれた劫だと知り、彼を傷つけたくないと決心する。時影(じえい)の回復を待って、彼女はそっと姿を消そうと考えていた。

翌日、時影(じえい)は目覚めた。しかし、彼の記憶は混乱し、寿宴前夜の記憶が途切れていた。そこに朱顔(しゅがん)が現れ、大司命(だいしめい)が残した密書を渡す。そこには時影(じえい)が海国(かいこく)の仮乱鎮圧で重傷を負い、記憶を失ったことが記されていた。そして、朱顔(しゅがん)は彼の世話をする侍女として現れたのだ。

しかし、朱顔(しゅがん)の体は陰陽の気の侵食を受け、徐々に感覚を失っていく。触覚が鈍り、熱湯に手を浸しても痛みを感じない。時影(じえい)は傷薬を持ってきてくれるが、その手際の良さに朱顔(しゅがん)は驚く。彼は山中で修行していたため、薬草に詳しいのだという。朱顔(しゅがん)は時影(じえい)から目を離さないようにし、彼のそばにいることを決意する。

入浴中、朱顔(しゅがん)のぎこちない動きに時影(じえい)は疑問を抱く。彼は自分の宮殿にこのような不器用な侍女がいるはずがないと考える。さらに、2人之間的不思議な親近感にも戸惑う。朱顔(しゅがん)は時影(じえい)に借りがあるため、償うためにここにいると答える。

重明(ちょうめい)の出現で、時影(じえい)の記憶が戻るのではないかと危機が訪れる。しかし、朱顔(しゅがん)は機転を利かせ、時影(じえい)と重明(ちょうめい)は山中で何度か会ったことがあると嘘をつく。時影(じえい)は嘉蘭(からん)に戻りたいと思うが、朱顔(しゅがん)は大司命(だいしめい)の命令を理由に引き止める。

山の人々が朱顔(しゅがん)に親しげな態度を示すことから、時影(じえい)は彼女が悪人ではないと感じる。彼は朱顔(しゅがん)に去るように言うが、彼女は彼の状態を理由に留まる。時影が帝王穀で先祖を祭りたいと言うと、朱顔は先皇后である白嫣(はくえん)の姿に変身し、彼を慰める。

夜になり、朱顔は玉骨の力を使って雪寒薇(せつかんび)を手に入れ、時影の大好きな雪薇糕を作る。その日の交流で、時影は朱顔への嫌悪感が消え、親近感と信頼感が芽生える。雪薇糕の甘さは、2人の間に芽生えた恋心のように甘い。

翌日、時影は街で民衆の生活を体験したいと言い出す。朱顔は仮対するが、結局は同行することに。身元がばれないように、彼らは重明(ちょうめい)と一緒に遠くの街に行く。時影は様々な珍しい物に興味を持ち、朱顔への感謝の印として霊獣を買ってあげようとするが、断られてしまう。身元がばれてしまい、2人は急いでその場を去る。

朱顔の体調は悪化し、嗅覚と味覚を失う。しかし、彼女は時影のために最後の晩餐を作ろうと決心する。彼女は苦労しながら調味料を区別し、2人にとって忘れられない思い出を作ろうとする。時影は朱顔のかすれた声に心を痛める。彼は彼女の過去は関係なく、彼女を守りたいと考える。

2人は大切に食事をし、言葉にできない感情を噛み締める。夜が再び訪れ、九嶷(きゅうぎ)山は静寂に包まれる。しかし、時影と朱顔の心には、"牽掛"という名の種が芽生えていた。

第36話の感想

第36話は、朱顔と時影の切ない恋心が描かれた回でした。朱顔は時影に恩返しをするために、記憶を失った彼を献身的に支えます。しかし、彼女の体は徐々に陰陽の気の侵食を受け、感覚を失っていく。それでも、彼女は時影のために最後の晩餐を作り、2人で大切な時間を過ごします。

時影は記憶を失っているとはいえ、朱顔への親近感を感じ始めます。彼は彼女の過去を知りながらも、彼女を守りたいという気持ちを抱きます。2人の間に芽生えた恋心は、切なくも美しいものでした。

しかし、朱顔の体調は悪化の一途をたどり、彼女は時影の前から姿を消す決意をします。時影は朱顔の失踪に気づき、彼女を必死に探します。

つづく