玉骨遥 第37話 あらすじ/ネタバレ

夜幕が降り、朱顔(しゅがん)は時影(じえい)の看病の疲れで眠りに落ちた。目が覚めると、ベッドの横には誰もいなかった。暖かさは残っていたが、時影(じえい)は彼女の製止を振り切って九嶷(きゅうぎ)郡への旅に出たという。重明(ちょうめい)神獣は仕方なく同行した。朱顔(しゅがん)は時影(じえい)が自分の正体を探ろうとしているのではないかと心配になり、雨にも負けず追いかけた。

ついに、朱顔(しゅがん)は小川のほとりで時影(じえい)と重明(ちょうめい)を見つけた。時影(じえい)は自分のアレルギー症状を緩和する薬草を探しに来たのだという。朱顔(しゅがん)がびしょ濡れになっているのを見て、時影(じえい)は傘を差し出し、優しく叱責した。彼は朱顔(しゅがん)との間に不思議な親近感を感じているが、二人の未来は朱顔(しゅがん)自身に決めてほしいと告げた。朱顔(しゅがん)は感謝し、酒を酌み交わしながらこの予期せぬ出会いを喜んだ。

席間、朱顔(しゅがん)は繁星(はんせい)湖畔で時影(じえい)の再生の儀式を完瞭しなければならないという大司命(だいしめい)の言葉を伝えた。時影(じえい)はここで朱顔(しゅがん)に想いを伝えようとしたが、彼女の目にはさらに深い秘密が隠されていることに気づいた。朱顔(しゅがん)は、この星明かりの下で時影(じえい)のために最後の踊りをすることにした。それは別れであり、秘めた愛の解放だった。踊り終えると、時影(じえい)は以前にもこの踊りを踊ったことがあるのかと尋ねた。その馴染み深さから、二人は前世からの縁があるのではないかと考えた。朱顔(しゅがん)は涙を浮かべ、明日になれば答えを出すと約束したが、時影(じえい)が眠りについた後、そっとキスをして別れを告げ、二度と会わない決意をした。

一方、大司命(だいしめい)は術法で北冕(ほくべん)帝を救ったが、彼の無能さと忠臣を害した事実を暴いた。青妃(せいひ)の自殺により、宮廷闘争は終結し、北冕(ほくべん)帝はようやく悔悟し、白嫣(はくえん)皇太后の名誉を回復し、時影(じえい)の皇子としての身分を認めた。

しかし、朱顔(しゅがん)は時影を救うために術法を使いすぎたため、五感を失い、よろよろと山を下りながら倒れてしまった。幸い、雪鷺(せつろ)と青罡(せいこう)に助けられたが、朱顔は眠り続け、二人はお手上げだった。雪鷺(せつろ)は古書を読み、術法でしか治せないことを知り、青罡(せいこう)と協力して、青罡(せいこう)家の家宝である宝玉を使って朱顔の一部感覚を呼び覚ました。

同じ頃、巫咸(ふかん)と白風麟(はくふうりん)の取引が進められ、星尊(せいそん)大帝は皇天(こうてん)戒指を手に入れ、権謀術数が再び激化していった。

時影は目を覚ますと、星回の血の誓いで転生したこと、朱顔が自分のために半分の寿命を犠牲にしたことを知った。彼は感謝と自責の念に駆られ、朱顔の別れは自分のことを恨んでいるからだと勘違いした。厨房で神僕が雪薇糕を作っているのを見て、失った記憶の断片、特に朱顔の細やかな気遣いを思い出し始めた。

時影は重明(ちょうめい)を繁星(はんせい)湖畔に呼び出し、記憶を取り戻したふりをして探りを入れた。重明(ちょうめい)は真実を明かし、時影はようやく朱顔の気持ちを知った。彼女はずっと自分を愛していたのだ。この事実に、彼は朱顔を探す決意を固めた。大司命(だいしめい)は惜しみながらも時影の選択を尊重し、神位を捨てて真愛を追うことを認めた。

こうして、時影は朱顔を探す旅に出発した。過去の過ちを正し、彼女と共に残りの人生を過ごし、朱顔が与えてくれた二度目の人生を大切にしようと決意した。

第37話感想

第37話は、感動と切なさ、そして希望が詰まった素晴らしい回でした。朱顔と時影の愛の深さ、そして二人の決意に胸を打たれました。

特に印象に残ったのは、朱顔が時影のために踊るシーンです。星明かりの下で舞う朱顔の姿は美しく、彼女の秘めた愛が伝わってきました。また、時影が朱顔の気持ちを知り、彼女を探す決意をするシーンも感動的でした。

第37話は、物語が大きく動いた回でもあります。朱顔の五感を失うという衝撃的な展開がありましたが、雪鷺(せつろ)と青罡(せいこう)の活躍で一命を取り留めました。また、北冕(ほくべん)帝が白嫣(はくえん)皇太后の名誉を回復し、時影の皇子としての身分を認めたことも大きな進展でした。

つづく