花青歌(はなおうた)~悪役皇子の花嫁~ 第28話 あらすじ/ネタバレ
紀楚(きくち)は、犯人を探す迷宮に陥っていた。証拠は揃っていないが、真相の輪郭はぼんやりと浮かび上がっていた。そんな中、公冶棋 (こうや き)が突然訪ねてきて、蘇家の事件の真相をいつ明らかにするのかと詰め寄ってきた。その言葉は皇后を指しているように聞こえた。
門の外で聞いていた花青歌(はなおうた)は、すべての線が繋がったように感じた。高貴な皇后こそが、闇躍する黒幕だったのだ。
紀楚(きくち)は苦悩していた。紀菀児(きえんじ)への愛を守りたいと思う一方で、仇敵が愛する人の母であるという残酷な現実を受け入れることができなかった。この愛は、権謀術数と憎しみの狭間で生き延びなければならない運命にあった。
一方、紀雲(きぐも)は家で酒に溺れていた。母の苦悩を知り、大きなプレッシャーを感じていた。林夕瑶(りん せきよう)は何も言わずに寄り添い、温かく見守っていた。彼女は何も求めず、ただ紀雲(きぐも)が必要な時にそばにいることを願っていた。
花青歌(はなおうた)も複雑な心境だった。彼女は、現実が小説とは大きく異なることに気づいていた。紀楚(きくち)の困惑に直面して、彼女は彼の側に立つことを決意した。どんな未来が待っていようと、彼女は彼と共に戦っていくつもりだった。
皇后の呼び出しは、宮廷闘争を最高潮に押し上げた。彼女は花青歌(はなおうた)を利用して、重要な魚符を手に入れようとした。花青歌(はなおうた)は葛藤と苦悩の中で、一縷の望みを求めて従うことにした。
一方、紀菀児(きえんじ)と公冶棋 (こうや き)の恋は岐路に立たされていた。紀菀児(きえんじ)は皇后に厳重に監視されており、想いを込めた手紙は届けることができず、公冶棋 (こうや き)に誤解されて破り捨てられてしまった。大雨の夜、紀菀児(きえんじ)は公冶棋 (こうや き)に会うために宮殿を抜け出したが、かつてないほど冷たく突き放されてしまった。公冶棋 (こうや き)の無言と傷つく態度は、もともと脆かった二人の関係を完全に崩壊させた。二人の間の美しい思い出は、永遠に心に刻まれた痛みとなってしまった。
紀菀児(きえんじ)の病状が悪化したことで、皇后は心を痛めた。彼女の守護は、母性の深さをより一層際立たせていた。一方、花青歌(はなおうた)は自分が皇后の策略の駒であることを知って、紀楚(きくち)に真相を問いただそうと決意した。勇気を出して紀楚(きくち)に面と向かって話そうとしたところ、彼が魚符を握っていることに気づいた。そして、衝撃的な事実が明らかになった。花青歌が紀楚(きくち)に近づいたのは、最初から目的があったのだ。
紀楚の酔いと苦しみは、魏南伊の心にも響いた。彼女は、花青歌の紀楚における地位を奪うことはできないし、無理強いはできないことを悟っていた。
第28話の感想
第28話は、衝撃的な展開が続いた回でした。皇后が黒幕であることが明らかになり、花青歌と紀楚の関係に大きな亀裂が生じました。また、紀菀児(きえんじ)と公冶棋 (こうや き)の恋も破局を迎えるなど、登場人物たちの運命が大きく動き始めました。
特に印象的だったのは、花青歌が皇后の策略に利用されていたことが明らかになったシーンです。彼女は紀楚の仇敵の娘でありながら、彼を愛するようになっていました。しかし、その愛は最初から偽りだったことが判明し、彼女の心は大きく傷つきました。
また、紀楚の苦悩も胸を打ちました。彼は愛する人との幸せを願う一方で、仇敵への復讐も諦めきれませんでした。その葛藤は、彼の心を蝕んでいきます。
つづく