花青歌(はなおうた)~悪役皇子の花嫁~ 第29話 あらすじ/ネタバレ

夜、静寂に包まれる。月光が水のように流れ、魏南伊は公冶棋 (こうや き)に紀楚(きくち)の決意を静かに語った。紀楚(きくち)の心は花青歌(はなおうた)に完全に占領されており、たとえ重要な魚符のためであっても、彼は少しも揺らぐことなく、復讐の執念さえも捨て去ろうとしていた。魏南伊はそれを目の当たりにして、複雑な気持ちを抱くと同時に、公冶棋 (こうや き)が秘めた憎しみを感じ取った。彼は皇后の本性を暴き、過去の恨みを晴らすことを誓った。

その頃、紀楚(きくち)は酔いつぶれていた。魏南伊は彼を部屋に連れ戻そうとしたが、途中で紀楚(きくち)は魏南伊を花青歌(はなおうた)と間違えてしまった。その様子を偶然目撃した花青歌(はなおうた)は、自分の手が徐々に透明になっていくのを見て、不吉な予感がした。もしかしたら、この世を去る時が来たのかもしれない。しかし、目の前の紀楚(きくち)と魏南伊の親密な様子は、彼女の心を鋭く刺し、涙が音を立てずに流れ落ちた。彼女は何も言わずに部屋に戻り、涙を流した。

一方、紀楚(きくち)と魏南伊は住処に戻ると、すぐに魚符がなくなっていることに気づいた。そこへ花青歌(はなおうた)が現れ、魚符は彼女の胸に隠されていた。紀楚(きくち)の問いかけに、花青歌(はなおうた)は弁解するしかなかったが、紀楚(きくち)の怒りは収まらず、彼女を外出禁止にした。花青歌(はなおうた)は自分の境遇が紀楚(きくち)をさらに危険な目に遭わせるのではないかと心配した。

皇后は花青歌(はなおうた)が外出禁止になったことを知り、冷たく咲った。これは花青歌(はなおうた)の忠誠心の証明になると考えたのだ。しかし、彼女はそれで安心することはなく、紀楚(きくち)への次の攻撃を企てた。公冶棋 (こうや き)も魚符の盗難を知り、花青歌(はなおうた)の正体を疑ったが、紀楚(きくち)の複雑な感情を知っていたため、今は様子を見るしかなかった。

皇后は病気を装って紀雲(きぐも)に花青歌(はなおうた)の窮状を伝え、兄弟間の仲違いを図った。紀雲(きぐも)は最初は信じなかったが、皇后的煽動によって紀楚(きくち)に不満を抱き始め、彼が花青歌(はなおうた)と離婚して別の女性を娶ろうとしているのではないかと疑うようになった。紀楚はそれを知らず、皇上の突然の呼び出しによって別の問題に巻き込まれた。皇上が魏南伊姉弟が城にいることを知ると、事態が悪化するのを防ぐために、紀楚に彼らをすぐに送り出すように命じた。紀楚はこれが紀雲(きぐも)の陰謀だと知り、怒りを燃やして彼と対決することを決意した。

外出禁止中の花青歌は、紀菀児(きえんじ)が南境に嫁ぐという知らせに衝撃を受けた。彼女は部屋から逃げ出そうとしたが、小南瓜(しょう なんきん)が現れてさらに衝撃的な事実を告げられた。そして、自分の死が近づいていることを悟った。花青歌の体は幻のように変わり始めていたが、彼女は諦めようとはしなかった。彼女は紀楚にすべてを説明したかったのだ。

紀楚は花青歌への心配を抑えきれず、夜中に彼女を訪ねた。涙を流す花青歌を見て、彼は胸が痛んだ。心の中ではまだ疑念が残っていたが、彼は花青歌の言葉を信じ、彼女の苦しみを理解しようとした。しかし、花青歌が彼に近づこうとした瞬間、彼女の体は透明になり、その温もりをつかむことができなかった。絶望と未練の中で、花青歌はついに心からの言葉を叫んだ。彼女の説明に紀楚は応え、二人は固く抱き合い、この瞬間を永遠に刻もうとした。しかし、現実は残酷だった。花青歌の体は徐々に消えていき、未完成の告白と紀楚の悲しみが残された。

第29話の感想

第29話は、花青歌と紀楚の切ない恋模様が描かれた回でした。紀楚は花青歌への愛を貫き、復讐さえも諦めようとしますが、花青歌は自分の存在が彼を危険にさらすのではないかと心配します。皇后は二人の仲を引き裂こうと画策し、紀楚に疑惑の目を向けさせます。

一方、花青歌は自身の身体が消えつつあることに気づきます。彼女は紀楚に真実を伝えようとしますが、葉いません。そして、二人は永遠の別れを迎えることになります。

この回は、花青歌と紀楚の愛の深さと切なさが描かれており、視聴者の心を打つ内容でした。また、皇后的悪辣さと公冶棋 (こうや き)の複雑な感情も描かれており、今後の展開が気になるところです。

つづく