花青歌(はなおうた)~悪役皇子の花嫁~ 第30話 あらすじ/ネタバレ
皇后は宮殿の一角で、紀菀児(きえんじ)の嫁入り用の靴を丁寧に縫っていました。針と糸の間には、皇后が若い頃の自分を思い出させるような、過去の年月の流れが感じられます。そのとき、皇后の心の痛みを察した皇帝が静かに部屋に入ってきました。皇帝は皇后への深い信頼を言葉にし、皇后は穏やかにそれに応えますが、心の複雑さを隠しきれません。
一方、紀菀児(きえんじ)は李丞相との結婚を知ってから、深い憂鬱に陥っていました。彼女の視界は色を失い、侍女の気遣いも彼女の心の闇雲を払拭することはできません。紀菀児(きえんじ)は、運命の安排の中で、個人の感情は取るに足りないものだと悟り、妥協を選びました。しかし、その妥協の背後には、計り知れない苦悩と屈辱が隠されています。
花青歌(はなおうた)は埃をかぶった書斎に入りました。そこには、長い間誰も訪れていないことを物語るクモの巣が張り巡らされています。紀菀児(きえんじ)と偶然出会い、結婚の知らせを聞くと、すぐに紀楚(きくち)のもとに助けを求めますが、紀楚(きくち)にもどうすることもできません。花青歌(はなおうた)はさらに紀楚(きくち)から、公冶棋 (こうや き)が復讐のために紀菀児(きえんじ)を捨てようとしていることを聞かされ、紀菀児(きえんじ)の境遇を不憫に思います。
紀雲(きぐも)は気分が落ち込んでいましたが、幸いなことに林夕瑶(りん せきよう)の優しい慰めを受けました。まもなく、紀菀児(きえんじ)の大婚の日がやってきました。多くの人が彼女を見送りに来ましたが、公冶棋 (こうや き)の姿が見えず、紀菀児(きえんじ)の心は沈みます。彼女は涙をこらえて振り返り、後悔の念を抱きながら一歩一歩進んでいきます。花青歌(はなおうた)は帰路につくと、涙が止まりません。彼女は紀菀児(きえんじ)に伝えられなかったことが多く、これが永遠の別れになるのではないかと心配しています。紀楚(きくち)はそばで静かに慰め、最終的には花青歌(はなおうた)を連れて輿を追いかけることにしました。紀菀児(きえんじ)のために何かできることを願っています。
しかし、公冶棋 (こうや き)は到著したものの、姿を現すことができず、闇闇から静かに見守るしかありません。心中は複雑です。紀菀児(きえんじ)は公冶棋 (こうや き)に宛てた手紙を書き、紀楚(きくち)に託します。もし彼が来なかったら、その手紙を灰にしてほしいと頼みます。輿が遠ざかるにつれ、紀菀児(きえんじ)の出発は決定的となり、紀楚(きくち)は花青歌(はなおうた)を強く抱きしめ、慰めます。一方、公冶棋 (こうや き)は紀楚(きくち)が去った後、手紙を手に取り、苦悩の末に破り捨てます。しかし、後悔の念から再び手紙を開くと、そこには紀菀児の深い愛情が綴られており、涙が止まりません。来世ではこの思いに応えたいと願うしかありません。
皇帝は書斎で賢(けん)妃の肖像画を見つめています。今日は彼女の命日であり、深い愛情が再び呼び起こされます。紀楚(きくち)は夜に夢を見て、悪夢にうなされます。夢の中では、母の無念が鮮明に蘇ります。目が覚めた後、花青歌(はなおうた)は賢(けん)妃が歌っていた歌を歌って彼をなだめ、その温もりが彼の心の闇闇を払拭してくれることを願います。
第30話の感想
第30話は、花青歌(はなおうた)と紀菀児の切ない別れが描かれた回でした。紀菀児は李丞相との結婚が決まり、花青歌(はなおうた)は公冶棋 (こうや き)に復讐するために紀菀児を捨てようとしていることを知ります。花青歌(はなおうた)は紀菀児を助けようとしますが、間に合いませんでした。
紀菀児は涙ながらに花青歌(はなおうた)と別れ、李丞相の元へと嫁いでいきます。花青歌(はなおうた)は紀菀児を追いかけようとしますが、紀楚(きくち)に止められます。紀楚(きくち)は花青歌に、紀菀児の幸せを祈るように言います。
花青歌は紀楚(きくち)の言葉に従い、紀菀児の幸せを祈ります。しかし、花青歌は紀菀児のことを忘れられません。花青歌は紀菀児への想いを胸に、これからも生きていくことを決意します。
つづく