花青歌(はなおうた)~悪役皇子の花嫁~ 最終回 第36話 あらすじ/ネタバレ
夜闇に包まれた皇宮に、嵐が近づいていた。
紀楚(きくち)は鋭い眼光で刃を握りしめ、皇后との決著をつけるべく立ち上がる。一方、紀雲(きぐも)は孝心を名目に母后に酒を注ぐが、皇后は今日の不吉を理由に断る。母の疑念が消えていないことを悟った紀雲(きぐも)は、潔白を証明するため、自ら杯を飲み幹す。
その頃、公冶棋 (こうや き)は密かに動き、皇上の側近を排除。侍衛たちが倒れる中、紀楚(きくち)は堂々と大殿に足を踏み入れ、紀雲(きぐも)と対峙する。紀雲(きぐも)は機の下に隠していた剣を抜き、すでに準備をしていたことを明かす。彼は母の罪を償うため、皇位継承を承諾しながらも、自らの命を捧げる決意をしていた。
孤立無援となった皇后は、誰をも信じられなくなり、実の息子の敬酒さえためらう。紀楚(きくち)が皇后に刃を向けようとした瞬間、紀雲(きぐも)は母の前に立ちふさがる。母の罪は自分が背負うべきだと、彼は決意を固めていた。
しかし、突如として公冶棋 (こうや き)が皇后に迫り、復讐の炎を燃やす。その剣は皇后の命を奪おうとするが、危機一髪のところで紀菀児(きえんじ)が飛び出し、身を挺して剣を受ける。彼女の衣は血に染まり、命を落としてしまう。
紀菀児(きえんじ)の犠牲に、紀楚(きくち)と紀雲(きぐも)の争いは止まる。その場に花青歌(はなおうた)が現れ、事態はさらに複雑化する。皇后は狂乱となり、花青歌(はなおうた)を人質に紀楚(きくち)の命を要求。紀楚(きくち)はためらうことなく死を受け入れようとするが、花青歌(はなおうた)は彼の死を望まず、自らの命を絶つ。彼女は「勿忘我」と言い残し、煙となって消え、腕輪だけを残していく。紀楚は悲しみに暮れる。
夢から覚めた小説家は、激動の感情を文字に綴り、物語の結末を書き換える。紀雲は自らの命を捧げ、母を救い、紀楚を皇帝に推挙する。皇后は幽閉され、娘を失った悲しみから自害。彼女の策略はすべて水の泡となる。紀雲は公冶棋 (こうや き)に助けられ、林夕瑶(りん せきよう)と共に山奥で平穏な生活を送る。公冶棋 (こうや き)は最愛を失い、悲しみと酒に溺れる日々を送る。
紀楚は花青歌(はなおうた)の面影を抱きながら孤独に国を治め、生涯独身のまま生涯を終える。小説家は彼の深い愛情を新作に込め、編集長に提出するが、最初は拒否される。しかし、謎のオーナーに認められ、驚くことにそのオーナーは紀楚にそっくりで、彼女を「花青歌(はなおうた)」と呼ぶ。まるで時空を超えた再会のように、紀楚が本当に境界を越えて彼女の元に来たのではないかと疑わせる結末となる。
第36話の感想
最終回は、衝撃的な展開が続く息もつかせぬ内容でした。紀楚と紀雲の兄弟愛、花青歌の自己犠牲、皇太后の狂気と悲劇、そして小説家の創造力と愛。様々な要素が絡み合い、深い感動と余韻を残す結末となりました。
特に印象に残ったのは、紀菀児(きえんじ)の自己犠牲です。彼女は、母である皇太后を庇うために命を落としましたが、その行動は、家族への深い愛情と、罪を償いたいという強い意誌を表しています。また、花青歌の死も、紀楚への深い愛と、彼の幸せを願う気持ちからくるものでした。
小説家の創造力と愛によって、物語はより深い意味を持ち、読者に感動を与えました。彼女は、登場人物たちの想いを尊重し、彼らの幸せを願う気持ちで物語を書き上げました。