花青歌(はなおうた)~悪役皇子の花嫁~ 第7話 あらすじ/ネタバレ
朝焼けの光が、窓枠を透き通って、花青歌(はなおうた)の少し疲れた顔に、安堵の表情を浮かべていた。 昨日の紀菀児(きえんじ)の善意の行動は、彼女を鬱陶しい牢獄から一時的に解放してくれたが、同時に疑いの種を植え付けてしまった。紀菀児(きえんじ)の何気ない質問は、花青歌(はなおうた)の心に染み込むように降り注ぎ、自分の正体について改めて迷いを感じさせていた。しかし、紀菀児(きえんじ)の信頼と託された責任感から、花青歌(はなおうた)は不安を胸に秘め、まずは手提げ金魚の秘密を探ることにした。
夜が訪れ、花青歌(はなおうた)は部屋の中で忙しく動き回り、糯米を撒いて、週りの闇い雰囲気を払拭し、安眠を確保しようとしていた。 しかし、紀楚(きくち)の突然の訪問がその静けさを破り、彼は良い知らせを持ってきた。紀菀児(きえんじ)の懇願により、花青歌(はなおうた)は東正司に任命されることになったのだ。自発的なものではなかったが、この場所から逃れるという思いから、彼女は躊躇することなくこの突然の配置を受け入れた。
翌朝、花青歌(はなおうた)は忠実な守護者のように紀楚(きくち)の側に付き添い、彼が母親の殺害事件を執拗に捜査する様子を目の当たりにした。 山積みの書類の山に直面し、紀楚(きくち)の厳しい命令で、花青歌(はなおうた)は杜文書(と ぶんしょ)と一緒にこの困難な仕事に取り組まざるを得なくなった。彼女は心の中で不満を抱いていたが、これが自分の生存空間を確保するための唯一の方法であることを理解していた。
書類を閲覧していくうちに、花青歌(はなおうた)は鋭い直感で事件の重要な手がかりを徐々に整理していった。 彼女は物語の知識を巧みに利用して、重要な証拠の図を作成し、杜文書(と ぶんしょ)を通して紀楚(きくち)に提示した。紀楚(きくち)の驚きと承認は、花青歌(はなおうた)に一筋の光明を見せつけたが、彼女はそれが始まりに過ぎないことを知っていた。
夜が訪れ、花青歌(はなおうた)は真相を巡る取引をするために、入念に酒と料理を用意した。 彼女は鴛鴦壺の巧妙な仕掛けを利用して、紀楚(きくち)に無意識のうちに情報を吐露させようとしたが、彼の部下に看破され、逆に酔わされてしまった。目を覚ました時、花青歌(はなおうた)は既に翌朝になっており、紀楚(きくち)の疑いに対して、彼女は条件を提示した。1ヶ月間彼女に危害を加えない代わりに、彼女は自分が知っていることをすべて包み隠さず話すというのだ。
紀楚(きくち)のあっさりとした承諾は、花青歌を驚かせると同時に不安にさせた。 賑やかな通りを歩いていると、占い師に出会い、彼女は思わず心の困惑と願望を打ち明けた。占い師は彼女の穿越の謎を理解することはできなかったが、その短い交流は彼女に心の慰めを与えてくれた。
邸宅に戻ると、花青歌を待っていたのは山積みの書類の書き写し作業だった。 墨汁は彼女の衣を汚したが、彼女の目に宿る知性の光を隠すことはできなかった。紀楚(きくち)の嫌悪感が増していく中、花青歌は緊張を和らげるために物語を語ることを提案した。すぐに効果はなかったが、二人の距離を無意識のうちに縮めることができた。
7日間の期限が瞬く間に過ぎ去り、花青歌と紀楚(きくち)の関係は、緊張と対立の中で微妙に変化していった。 そして、彼女は予期せぬ旅の中で、自分自身の生き方と感情の拠り所を見つけていった。
第7話感想
第7話は、花青歌の心理描写と成長が印象的な回でした。紀菀児(きえんじ)との交流で生まれた疑念、東正司での新たな任務、事件の真相への一歩ずつ近づいていく様子など、花青歌の葛藤や決意が丁寧に描かれていました。
特に、紀楚(きくち)との取引シーンは緊迫感があり、花青歌の知略と勇気が感じられました。また、占い師との出会いで見せた心の弱さや、物語を語ることで紀楚(きくち)との距離を縮めようとする姿など、人間味を感じさせる描写も良かったです。
物語が進むにつれて、花青歌と紀楚の関係も変化しつつあります。最初は敵対関係でしたが、徐々に理解し合うようになっていく様子が興味深いです。
つづく