『追風者~金融界の夜明けへ~』第33話 あらすじ/ネタバレ

沈図南(シェン・トゥナン)は蘇区経済を完全に掌握するため、重要な交易輸送ルートである三江口に狙いを定めた。三江口はこれまで広東軍が守ってきたが、沈図南(シェン・トゥナン)は強硬手段で支配権を奪うことを決意する。先鋒である林樵松(リン・チャオソン)は素早く行動し、広東軍の輸送船を拘束し、船員が共産党と通じているという口実で数人を射殺し、騒動を引き起こした。

銭旅長は知らせを聞いて駆けつけ、林樵松(リン・チャオソン)を激しく問い詰めるが、林樵松(リン・チャオソン)は強硬な態度で全く動じない。そのとき、沈図南(シェン・トゥナン)は広東軍が共産党に通じているという確たる証拠を持って現れ、さらに剿共総指揮官である何総の権威を利用して、銭旅長は一時的に退却せざるを得なくなり、怒りを抑えきれずに立ち去った。銭旅長は心中で、三江口を奪還することを誓う。

一方、蘇区では偽札の蔓延に対処するため、行長は知恵を絞って新しい偽造防止方法を編み出した。それは、新しい紙幣を火で炙ると焦げた臭いがすることだった。しかし、この秘密はすぐに悪人に狙われてしまう。林樵松(リン・チャオソン)は火行の達人である楊六指(ヤン・リウジー)を呼び寄せ、蘇区の新札を偽造しようとし、蘇区経済に深刻な打撃を与えた。

その頃、小魚児(シャオユーアー)は、父親である沈図南(シェン・トゥナン)が盧薈(ルー・ホイ)に夫殺しの犯人と誤解され、迫害やいじめを受けていた。沈図南(シェン・トゥナン)はそれを知ると、小魚児(シャオユーアー)を連れ出して気分転換を図るが、途中で盧薈(ルー・ホイ)の爆弾攻撃に遭う。沈図南(シェン・トゥナン)は爆発の中で必死に小魚児(シャオユーアー)を守り、最終的に闇殺を企てた殺し屋と盧薈(ルー・ホイ)を射殺した。この出来事は小魚児(シャオユーアー)に大きな心の傷を与え、沈図南(シェン・トゥナン)は深い自責の念に駆られた。

蘇区経済を安定させるため、沈図南(シェン・トゥナン)は一連の厳しい措置を講じた。無許可営業の取り締まりや通行証の闇号の変更などが含まれる。また、偽札問題の深刻さを認識し、林樵松(リン・チャオソン)に偽札の源を突き止めるよう命じた。魏若來(ウェイ・ルオライ)と雷鳴(レイ・ミン)は、大字報を使って偽札の見分け方を宣伝し、住民と共に偽札の巣窟を洗い出す。

調査を進めるうちに、魏若來(ウェイ・ルオライ)と沈近真(シェン・ジンジェン)は興通商行が偽札事件に大きく関わっていることを発見する。虎穴に入るため、魏若來(ウェイ・ルオライ)は自ら贛州へ調査に向かう。興通商行では、偽札製造現場に近づいたが、沈図南(シェン・トゥナン)がすでにそこで待っていたことに驚く。実は、沈図南(シェン・トゥナン)は偽札事件を利用して、蘇区内部の腐敗と敵対勢力を暴き、打倒しようと闇躍していたのだ。

魏若來(ウェイ・ルオライ)の疑問と沈近真(シェン・ジンジェン)の失望に直面し、沈図南(シェン・トゥナン)は自分の苦悩と無念を説明する。自分の手段が過激すぎたことは認めるが、すべては蘇区の長期的利益のためだと主張する。最終的に、兄妹の争いの中で、沈図南(シェン・トゥナン)は揺るぎない信念と深い責任感を見せ、魏若來(ウェイ・ルオライ)と沈近真(シェン・ジンジェン)は彼の行動を再考せざるを得なくなった。

第33話感想

第33話は、ストーリー展開が急展開し、緊迫感あふれる内容でした。特に、沈図南(シェン・トゥナン)が強硬手段で三江口を製圧しようとしたり、林樵松(リン・チャオソン)が火行の達人を利用して偽札を製造したり、盧薈(ルー・ホイ)が沈図南(シェン・トゥナン)と小魚児(シャオユーアー)を爆弾で襲撃したりするなど、ハラハラドキドキするシーンが続きました。

また、沈図南(シェン・トゥナン)と魏若來(ウェイ・ルオライ)、沈近真(シェン・ジンジェン)の兄妹間の確執も描かれており、ドラマの深みが増していました。沈図南(シェン・トゥナン)が蘇区のために手段を選ばないやり方に疑問を抱く魏若來(ウェイ・ルオライ)と沈近真(シェン・ジンジェン)の姿は、視聴者に共感を呼ぶのではないでしょうか。

一方、小魚児(シャオユーアー)が父親である沈図南(シェン・トゥナン)に守られながらも、心の傷を負ってしまうシーンは、見ていて胸が痛くなりました。沈図南(シェン・トゥナン)の苦悩と責任感、そして小魚児(シャオユーアー)の無邪気さとの対比が印象的でした。

つづく