宮廷の諍い女 第10話 あらすじ/ネタバレ
紫禁城の奥深く、眉荘(びそう)の心には華(かひ)妃・年世蘭(としらん)妃への憎しみが渦巻いていた。しかし、彼女は冷静に、軽率な行動は危険だと自分に言い聞かせていた。眉荘(びそう)の親友である甄嬛(しんけい)も、唇亡歯寒の道理を理解しており、華(かひ)妃・年世蘭(としらん)妃への警戒を強めていた。
最近、甄嬛(しんけい)は身体の疲れと眠気を頻繁に感じ、疑惑を抱いていた。温実初(おん・じつしょ)太医の診察により、真相が明らかになった。甄嬛(しんけい)の日常の薬に、誰かが慢性毒を盛っていたのだ。
真相を知った甄嬛(しんけい)は怒りを抑え、信頼できる侍女や宦官と共に犯人を突き止める計画を立てた。綿密な計画の末、内奸の花穂と小印子が浮上し、逮捕された。証拠を突きつけられた二人は、失寵した余氏の指示だったと白状した。
甄嬛(しんけい)は怒りと失望を胸に、余氏の悪行を皇帝に報告した。さらに、余氏が倚梅園で甄嬛(しんけい)になりすまし、皇帝の寵愛を得たことも暴露した。皇帝は大激怒し、余氏に死を賜った。しかし、余氏は抵抗し、冷宮は緊張状態に陥った。
甄嬛(しんけい)はこれ以上関わりたくなかったが、親友の安陵容(あん・りょうよう)が立ち上がった。甄嬛(しんけい)への恩返しと宮中の陰鬱を払拭するため、安陵容(あん・りょうよう)は勇気を出して冷宮に向かい、蘇培盛(そ・はいせい)公公に協力を求めた。そして、弓弦で余氏の苦しみと苦悩を終わらせた。
事後、安陵容(あん・りょうよう)は複雑な気持ちで甄嬛(しんけい)のもとを訪れた。解放の喜びを分かち合いたいと思ったが、眉荘(びそう)から疑問と不信の声が上がった。眉荘(びそう)の不安と誤解は、安陵容(あん・りょうよう)の心に深く突き刺さった。彼女は悲しみと劣等感を感じ、二人の親友からの信頼が想像以上に薄いと悟った。安陵容(あん・りょうよう)は苦しみと孤独を抱え、甄嬛(しんけい)の寝宮を後にした。この夜、三人の姉妹の間には初めて言葉では言い表せない隔たりが生まれた。
この騒動は、甄嬛(しんけい)に宮廷の危険性を認識させ、安陵容(あん・りょうよう)に宮廷生活の残酷さと無情さを深く思い知らせた。そして、三人の間に、後に多くの誤解と争いの種を蒔いたのである。
第10話の感想
第10話は、宮廷の争いの激しさと、登場人物たちの複雑な感情が描かれた、見応えのあるエピソードでした。
特に印象に残ったのは、甄嬛(しんけい)と眉荘(びそう)の友情です。二人は親友としてお互いを支え合っていましたが、余氏の事件を機に、二人の間に溝が生じてしまいました。眉荘(びそう)は甄嬛が余氏を冷酷に処罰したことに疑問を抱き、安陵容は甄嬛に感謝しつつも、自分の存在意義に不安を感じました。
また、安陵容の複雑な心情も描かれていました。彼女は甄嬛に恩義を感じており、宮廷の陰鬱を払拭するために余氏を殺害しましたが、その行為は眉荘から誤解されてしまいました。安陵容は悲しみと孤独を抱え、甄嬛との関係に亀裂が生じてしまいました。
つづく