宮廷の諍い女 第30話 あらすじ/ネタバレ
陰鬱な午後の出来事
ある陰鬱な午後、甄嬛(しんけい)は長い間跪いていたため、ついに流産してしまいました。その知らせは晴天の霹靂のように紫禁城の隅々にまで瞬く間に広がりました。皇帝と皇后は知らせを聞いて、心急如焚となり、馬を駆って宮殿へと戻りました。甄嬛(しんけい)が目覚めると、空っぽの寝台を見て、涙が音もなく流れ落ちました。まだ生まれていない子供は、彼女の心の中で永遠の痛みとなりました。皇帝はそれを目の当たりにして、自責の念が溢れ出ました。皇后はそばで、一見優しく慰めているように見えましたが、実際には何を考えているのか分かりませんでした。
華(かひ)妃・年世蘭(としらん)妃の策略
一方、華(かひ)妃・年世蘭(としらん)貴妃は甄嬛(しんけい)の流産の知らせを聞いて、心中に波が立ちました。彼女は、この事件が自分と無関係ではないことを知っていましたが、どうすることもできませんでした。曹(そう)貴人の巧みな説得により、華(かひ)妃・年世蘭(としらん)貴妃は最終的にプライドを捨て、簪を外して罪を認め、わずかな許しを得ようとしました。しかし、皇帝は激怒し、貴妃の地位を剝奪するだけでなく、称号を没収して妃の地位に降格させ、さらに翊坤宮の門前で毎日正午に2時間跪くように命じ、仮省を促しました。
皇帝の苦悩
皇帝は華(かひ)妃・年世蘭(としらん)妃を厳罰に処しましたが、朝政と年羹堯(ねん·こうぎょう)の巨大な勢力のために、甄嬛(しんけい)の願い通りに華(かひ)妃・年世蘭(としらん)妃を処刑することはできませんでした。この決定は、甄嬛(しんけい)に深い失望と落胆をもたらしました。彼女は、皇帝への信頼と愛情が静かに変化していくのを感じました。
年羹堯(ねん·こうぎょう)の介入
年羹堯(ねん·こうぎょう)は妹が失寵したことを知ると、すぐに皇帝に上奏し、華(かひ)妃・年世蘭(としらん)妃を冷遇し続ければ、年氏の忠誠と地位が揺らぐと切々と訴えました。皇帝は、年羹堯(ねん·こうぎょう)を怒らせたくはないが、甄嬛(しんけい)の気持ちも無視できないというジレンマに陥りました。そこで、密かに果郡王(かぐんおう)・允禮(いんれい)を呼び出し、この件についての意見を聞こうとしました。果郡王(かぐんおう)・允禮(いんれい)は賢明にも、「位に就いていないので、政に口出しはできない」という理由で、皇帝の質問を巧みに回避し、直接的に味方につくことも、皇帝の疑念を解消することもしました。
甄嬛(しんけい)の悲しみ
一方、甄嬛(しんけい)は子供を失ってから、まるで魂が抜けたように、果てしない悲しみに浸っていました。彼女の侍女である槿汐(きんせき)は、昼夜を問わずそばに寄り添い、心を込めて慰めようとしましたが、甄嬛(しんけい)の心の中の恨みと不屈の思いはなかなか鎮まりませんでした。ある偶然の機会に、甄嬛(しんけい)が皇帝を責める言葉を、ちょうど様子を見に来た皇帝が聞いてしまいました。彼は足を止め、複雑な表情を浮かべましたが、結局部屋に入ることはありませんでした。皇帝の心にも鬱屈がたまっており、太后のもとを訪れて心の苦しみを打ち明け、かつて年妃に与えた歓宜香が甄嬛(しんけい)の流産に間接的につながったことを告白し、自責の念を吐露しました。太后は事態の深刻さを理解しており、慈母の心で皇帝を慰めるしかありませんでした。
第30話の感想
第30話は、ドラマの大きな転換点となる重要なエピソードでした。甄嬛(しんけい)が流産したことで、彼女と皇帝の間に深い溝が生まれ、物語は新たな展開を迎えます。
特に印象的なのは、甄嬛(しんけい)の心情の変化です。流産によって、彼女は皇帝への信頼と愛情を失い、深い悲しみと怒りに包まれます。これまで皇帝を愛し、尽くしてきた甄嬛(しんけい)が、絶望の淵に立たされる姿は、見ていて胸が痛みます。
一方、皇帝もまた苦悩を抱えています。彼は甄嬛(しんけい)を愛しているものの、年羹堯(ねん·こうぎょう)の勢力や朝政の安定を優先せざるを得ません。その結果、甄嬛(しんけい)の願いを葉えることができず、彼女をさらに傷つけてしまうことになります。
華(かひ)妃・年世蘭(としらん)妃の策略も、このエピソードの見どころの一つです。彼女は巧みな言葉で皇帝を説得し、自らの罪を軽くしようとします。しかし、皇帝の怒りは収まらず、彼女は厳しい罰を受けることになります。
つづく