『宮廷の諍い女』第33話 あらすじ/ネタバレ
紫禁城の奥深くで、甄嬛(しんけい)はかつてないほどのどん底を経験していました。失寵により病床に伏し、週囲の冷たさと孤独に心を痛めていました。そんな苦しい時でも、敬(けい)妃妃と沈眉庄という二人の親友が寄り添い、昼夜を問わず看病してくれました。彼女たちの温かい思いやりは、甄嬛(しんけい)の心を慰めました。
一方、皇后は華(かひ)妃・年世蘭(としらん)妃と甄嬛(しんけい)という二人の強敵が失脚し、安陵容(あん・りょうよう)が完全に自分の支配下にあることに、言葉にできないほどの喜びを感じていました。彼女は、自分が中宮の座に君臨し、誰も揺るがすことのできない未来をすでに手にしたかのように思っていました。
しかし、この冷たい宮廷の中にも、温かな情が訪れます。普段は甄嬛(しんけい)と親交のない敦親王(とんしんおう)福晋が、人としての優しさを示してくれたのです。彼女は甄嬛(しんけい)の境遇を憐れみ、身分の違いを顧みず、わざわざ訪ねてきてくれました。そして、甄嬛(しんけい)に久々の温もりと優しさをもたらしてくれたのです。この雪中の炭のような思いやりに、甄嬛(しんけい)は驚きと感動を覚えました。
夜が更け、甄嬛(しんけい)は病床で眠れずにいました。すると、窓の外から美しい笛の音が聞こえてきました。それは、心を揺さぶる「長相思」の曲でした。音に導かれて外に出ると、笛を吹いているのはなんと果郡王(かぐんおう)・允禮(いんれい)でした。二人は月光の下で出会い、世の中の冷たさに対する思いを語り合い、傷ついた心を慰め合いました。甄嬛(しんけい)は果郡王(かぐんおう)・允禮(いんれい)の深い愛情を感じていましたが、自分の立場と現状を考えると、心の波を抑えざるを得ませんでした。そして、浣碧(かんぺき)に果郡王(かぐんおう)・允禮(いんれい)と親しくなりすぎないようにと忠告し、不必要なトラブルを避けるようにと伝えました。
甄嬛(しんけい)を再び立ち直らせるため、沈眉庄は彼女を冷宮に連れて行くことにしました。そこで、彼女たちは失寵後に悲惨な境遇に陥った芳 (ほう)貴人と、精神を病んでしまった麗(れい)嬪嬪の姿を目の当たりにしました。かつて栄華(かひ)妃・年世蘭(としらん)を極めた二人の妃が、このような末路を辿っているのを見て、甄嬛(しんけい)は大きな衝撃を受けました。眉荘(びそう)はこれを例に、甄嬛(しんけい)は家族の繁栄と自分の生存のために、目の前の苦しみに浸っているのではなく、長期的な計画を立てる必要があると忠告しました。
しかし、運命は甄嬛(しんけい)を簡単に解放しようとはしませんでした。ある日、彼女は長廊下で斉(せい)妃妃と富察(ふちゃ)貴人貴人に遭遇しました。この時の甄嬛(しんけい)は、かつての輝きと地位を失い、ひどく落胆し、無力感に苛まれていました。斉(せい)妃妃と富察(ふちゃ)貴人貴人は、甄嬛(しんけい)の姿を見て同情するどころか、逆に彼女を辱めました。彼女たちは甄嬛(しんけい)に長廊で跪いて罰を受けさせ、宮女に顔を打たせました。この屈辱と苦しみを目の当たりにした甄嬛(しんけい)は、宮廷の残酷さと現実を痛感しました。
皇帝の寵愛と庇護を取り戻すため、甄嬛(しんけい)は行動を起こす決意をしました。彼女は浣碧(かんぺき)たちに、寒い冬に蝶を探して驚かせるように命じました。しかし、この一見狂ったような行動は、多くの人々の噂の的となり、中には甄嬛(しんけい)が気が狂っているのではないかと疑う者もいました。様々な困難と疑問に直面した浣碧(かんぺき)は、果郡王(かぐんおう)・允禮(いんれい)に助けを求めざるを得ませんでした。果郡王(かぐんおう)・允禮(いんれい)は迷うことなく彼女の願いを聞き入れ、全力を尽くして甄嬛(しんけい)のために貴重な蝶を探しました。この努力と献身は、甄嬛(しんけい)が将来寵愛を取り戻すための重要な鍵となるでしょう。
第33話の感想
第33話は、甄嬛(しんけい)が人生のどん底を経験する回でした。失寵によって病床に伏し、孤独と絶望に苛まれる甄嬛(しんけい)の姿は、見ていて胸が痛みました。しかし、そんな中でも敬(けい)妃妃と沈眉庄という親友の存在が大きな支えとなっていたことが印象的でした。
また、この回では敦親王(とんしんおう)福晋という意外な人物が温かい一面を見せてくれました。身分の違いを乗り越えて甄嬛(しんけい)を気遣う姿には、人としての優しさを感じました。
一方、皇后は華(かひ)妃・年世蘭(としらん)妃と甄嬛という二人の強敵を失脚させたことで、ますます権力を強めていきます。しかし、その裏で安陵容(あん・りょうよう)を完全に支配しているという事実が明らかになり、皇后の冷酷さが浮き彫りになりました。
そして、この回で最も印象に残ったのは、甄嬛と果郡王(かぐんおう)・允禮(いんれい)の出会いのシーンです。月光の下で笛の音色を交わす二人の姿は、とても美しく切なかったです。しかし、甄嬛は自分の立場をわきまえ、果郡王(かぐんおう)・允禮(いんれい)との関係を深めることをためらっていました。
つづく