宮廷の諍い女 第46話 あらすじ/ネタバレ

紫禁城の奥深く、突如其来に起こった早産の騒動は後宮の平穏を揺るがしました。かつて皇帝の寵愛を一身に受けていた甄嬛(しんけい)は、果てしない苦しみと闘いの中で、朧月(ろうげつ)と名付けられた女の子を出産しました。その名は、月光のように柔らかく、朧げな未来を意味します。

皇帝は知らせを聞いて駆けつけ、襁褓に包まれた幼い娘を眺め、喜びに満ちていました。しかし、甄嬛(しんけい)の心はすでに灰のように冷え切っていました。皇帝への失望と絶望は、彼女に驚くべき決断をさせました。自らの意思で宮廷を離れ、甘露寺で修行することを願い出たのです。それは、娘の朧月(ろうげつ)の安寧と引き換えにできる唯一のことでした。

旅立つ前に、甄嬛(しんけい)は敬(けい)妃妃に最も大切なものを託しました。朧月(ろうげつ)を養育してくれるよう懇願し、彼女が宮廷の陰謀から遠ざかり、健やかに成長することを願いました。その深い母性は、場にいたすべての人々を感動させました。甄嬛(しんけい)の最も堅固な支えであった沈眉庄と温実初(おん・じつしょ)は、彼女を見送る際に、別れと心配の色を隠せませんでした。

甄嬛(しんけい)にとって、甘露寺は新たな始まりであり、無限の試練の場でもありました。彼女は莫愁と名を変え、青灯古仏のもとで心の安らぎを求めました。しかし、宮中の陰謀は彼女の離脱によって止まることなく、むしろさらに猖獗を極めました。皇后は安陵容(あん・りょうよう)と祺(きき)貴人嬪などの側近を皇帝の側に配置し、著々と勢力を固め、後宮全体を闇雲に覆い尽くしました。

一方、甘露寺で暮らす甄嬛(しんけい)の日々は決して楽ではありませんでした。修行の名のもとに、彼女は虐げられ、質素な生活を強いられ、心は孤独に耐え難いものでした。しかし、それでも彼女は毅然と立ち上がり、あらゆる苦難に耐え抜きました。

そんな時、思いがけない訪問者が甘露寺の静寂を破りました。風流で情の深い果郡王(かぐんおう)・允禮(いんれい)は、甄嬛(しんけい)の境遇を知ると、どんな危険を冒しても彼女に会いに行くことを決意しました。彼は朧月(ろうげつ)の肖像画を持ってきてくれました。その小さな肖像画は、甄嬛(しんけい)と娘の深い愛情を結ぶ暖かい糸のようなものでした。果郡王(かぐんおう)・允禮(いんれい)の訪問は、春の風のように甄嬛(しんけい)の心の陰りを吹き払い、久々に安らぎと温もりを感じさせてくれました。

甄嬛(しんけい)は朧月(ろうげつ)の肖像画を見つめ、涙が溢れそうになりましたが、すぐに涙を拭い、果郡王(かぐんおう)・允禮(いんれい)に深く感謝の意を伝えました。彼女は、悲しみに浸っているわけにはいかないことを知っていました。朧月(ろうげつ)のためにも、自分の未来のためにも、強く生き続けなければなりませんでした。

第46話の感想

第46話は、衝撃と感動が入り混じった、ドラマティックな展開の回でした。甄嬛(しんけい)の早産とそれに伴う自請離宮、敬(けい)妃妃への朧月(ろうげつ)の託児、そして甘露寺での果郡王(かぐんおう)・允禮(いんれい)との再会など、見どころ満載の内容でした。

特に印象的だったのは、甄嬛(しんけい)の決意と覚悟です。皇帝への失望と絶望から、彼女は自らの幸せよりも娘の安寧を優先し、宮廷を離れるという決断を下しました。この決断は、彼女がどれほど朧月(ろうげつ)を愛しているか、そしてどれほど宮廷の権力闘争に疲弊しているかを物語っています。

また、敬(けい)妃妃の母性にも感動しました。甄嬛(しんけい)の願いを快く引き受け、朧月(ろうげつ)を我が子のように大切に育てようとする姿は、彼女の優しさと強さを示しています。

そして、甘露寺での果郡王(かぐんおう)・允禮(いんれい)との再会は、視聴者に希望の光を与えてくれました。甄嬛(しんけい)の苦しみを理解し、寄り添う果郡王(かぐんおう)・允禮(いんれい)の存在は、彼女にとってかけがえのないものとなるでしょう。

つづく