宮廷の諍い女 第64話 あらすじ/ネタバレ
紫禁城の奥深くで、嵐が静かに近づいています。安陵容(あん・りょうよう)は、繊細な心を持つ一方で、鋭い刃を秘めた女性です。彼女は再び、温実初(おん・じつしょ)と沈眉庄という深い愛情で結ばれた恋人たちに策略を向けます。
言葉という武器を手に、安陵容(あん・りょうよう)は温実初(おん・じつしょ)の心を鋭く刺します。その言葉は、彼を極端(たん)妃な選択へと追い込むためのもの。もうすぐ出産を迎える沈眉庄を守るため、温実初(おん・じつしょ)は自らの去勢を決意します。その光景は、見るに堪えないものでした。
この知らせは瞬く間に広まり、沈眉庄は悲しみに暮れます。温婉で賢淑な彼女は、新しい命を迎える喜びの瞬間に、温実初(おん・じつしょ)の犠牲を目の当たりにします。この突然の衝撃は、彼女の弱った体をさらに蝕み、沈眉庄は娘を出産した後、産後の出血で命を落とします。
甄嬛(しんけい)は沈眉庄の死を聞き、親友の突然の死に悲しみに打ちひしがれます。彼女の世界は色を失ったかのようでした。
一方、皇帝は甄嬛(しんけい)の妹、玉嬈(ぎょくよう)に心を奪われていました。彼は権力と寵愛で玉嬈(ぎょくよう)の心を得ようとしますが、玉嬈(ぎょくよう)は高潔な心を持っており、皇権や富貴には興味がありません。彼女は皇帝を避け続け、彼の想いは実りません。
温実初(おん・じつしょ)は、沈眉庄を失った悲しみに沈み、沈眉庄の墓を守るために3年間の守陵を願い出ます。それは、亡き人への永遠の愛と忠誠の証でした。
太后は沈眉庄の死を聞き、怒りを安陵容(あん・りょうよう)に向けます。安陵容(あん・りょうよう)は間接的にこの悲劇を引き起こしたと考えたのです。皇帝は安陵容(あん・りょうよう)を寵愛していましたが、太后的圧力により、彼女との面会を減らすことを余儀なくされます。宮廷では安陵容(あん・りょうよう)に対する噂が飛び交い、彼女の地位は揺らぎ始めます。
夜が更け、安陵容は沈眉庄の墓前に一人でお参りに行きます。彼女の顔には不気味な咲みが浮かびます。それは、甄嬛(しんけい)が親友を失ったことを喜ぶ咲みであり、後宮で手段を選ばずに歩んできた自分を肯定する咲みです。
この咲みは、後宮の戦いがまだ終わっていないことを示唆しています。新しい嵐が再び押し寄せようとしています。
浣碧(かんぺき)は甄嬛(しんけい)の侍女として、忠実に仕えていました。しかし、ある日、皇帝から側室に迎えたいという冗談とも本気ともつかない言葉をかけられます。突然の「恩寵」に、浣碧(かんぺき)は驚きを隠せません。彼女は宮廷生活の複雑さと残酷さを知り、さらに深い渦に巻き込まれることを望んでいませんでした。そこで、彼女は迷うことなく皇帝の申し出を断り、甄嬛(しんけい)を支え続けることを決意します。彼女は、甄嬛(しんけい)にとって最も頼りになる存在であり続けるでしょう。
第64話感想
第64話は、衝撃的な展開が連続する、忘れられない回となりました。温実初(おん・じつしょ)と沈眉庄の悲恋、そして安陵容の恐ろしい本性が明らかになったことで、物語は大きな転換点を迎えたと言えるでしょう。
温実初の自宮は、彼の沈眉庄への深い愛と、彼女を守るための強い意誌の表れでした。しかし、その代償はあまりにも大きく、見るに堪えないものでした。沈眉庄の死は、あまりにも突然で、彼女の幸せを願っていた視聴者にとっては、大きなショックだったと思います。
安陵容は、これまでにも陰湿な策略を巡らせてきましたが、今回はついにその本性を露わにしました。沈眉庄の死を喜ぶ彼女の姿は、ゾッとするほど恐ろしく、後宮の戦いがいかに残酷なものかということを改めて思い知らされました。
つづく