恋心が芽吹く頃~Blooming Days~ 第32話 あらすじ/ネタバレ

曲涼(きょくりょう)の屋敷で、慕海瑶(ぼかいよう)は複雑な心境に陥っていた。 柔夫人(じゅうふじん)の駱青蓮(らくせいれん)に対する温かい気遣いを見て、慕海瑶(ぼかいよう)はかつての自分と柔夫人(じゅうふじん)との親密な関係を懐かしんだ。しかし、信頼が一度壊れてしまえば元には戻らないことを柔夫人(じゅうふじん)は理解していた。慕海瑶(ぼかいよう)が駱青蓮(らくせいれん)の救出を妨げなければ、表面的平和は保たれるだろう。

一方、戦局は急変していた。 呂北逸(りょほくいつ)の策略で形勢が逆転したものの、賀連信(がれんしん)が士気を高めるために配給した軍糧に穀糠が混入していたことが発覚し、兵士たちの不満が爆発。戦況は再び悪化した。この背後にいたのは修公子(しゅうこうし)であり、真相を知った五公子(ごこうし)は衝撃を受ける。朝臣たちは損失を減らすために講和を主張した。

戦況が膠著状態にある中、次格爾の使者である策倫(さくろん)が曲涼(きょくりょう)城に到著した。 賀南昭(がなんしょう)が親自出迎し、両国の微妙な関係が浮き彫りになる。宴会の席上、賀連信(がれんしん)は曲涼(きょくりょう)と王府の力を示し、公正さをアピールするために駱青蓮(らくせいれん)の釈放を発表。さらに、自ら戦場に赴いて士気を高めることを宣言した。

策倫(さくろん)の来訪は当初、問責のためと思われていたが、意外にも講和の提案と、賢徳な女性を王妃に迎えるための縁談を持ち出した。 この知らせに容夫人(ようふじん)は不安を募らせ、愛娘である霊薇(れいび)が和親の対象になるのではないかと恐れた。駱青蓮(らくせいれん)は容夫人(ようふじん)を慰めたが、事態は予想以上に進展する。次格爾の大汗は嫡出の郡主との縁談を主張し、容夫人(ようふじん)は焦燥に駆られ、駱青蓮(らくせいれん)に王爷への嘆願を懇願した。

霊薇(れいび)の大切さを理解する駱青蓮(らくせいれん)は、自身の安危を顧みず嘆願に向かうも、願いは葉わなかった。 そこで蘇南春(そなんしゅん)は、偽の郡主を使って使者の態度を探る大胆な計画を提案。計画を実行に移したものの、偽の郡主は容姿に優れていなかったにもかかわらず、使者の決意は揺るがなかった。実はこの使者は次格爾の大汗本人であり、彼の度量と先見の明に駱青蓮(らくせいれん)は感銘を受けた。

次格爾の大汗の誠実さと大局観に触れた駱青蓮(らくせいれん)は、この縁談を改めて見つめ直す。 霊薇(れいび)をこのような君主に託せば、幸せになれるかもしれないと彼女は考えた。容夫人(ようふじん)は駱青蓮(らくせいれん)の考えを知り、感動と無力感に包まれる。最終的には、危険を承知で霊薇(れいび)を密かに逃がすことを決意した。

第32話感想

第32話は、物語が大きく動き出す重要な回でした。戦況の急変、次格爾との関係、そして霊薇(れいび)の運命など、様々な要素が絡み合い、目が離せない展開が続きました。

特に印象に残ったのは、駱青蓮(らくせいれん)の成長です。彼女はこれまで、自分の感情に流されがちでしたが、今回は冷静に状況を判断し、行動を起こしました。次格爾の大汗との出会いも、彼女の視野を広げるきっかけになったと思います。

また、容夫人(ようふじん)の苦悩にも心を打たれました。愛する娘を守るために、彼女は必死に抵抗しますが、力及ばず…。彼女の無力感と決意が伝わってくるシーンでした。

つづく