永遠の桃花~三生三世~ 第28話 あらすじ/ネタバレ

夜が更けていく天宮。夜華(やか)は重い足取りで素錦(そきん)の寝宮へと足を踏み入れた。素錦(そきん)は涙を流しながら、この7万年間に抱えてきた苦しみと、特に夜華(やか)への断ち切れない想いが、まるで彼女を奈落の底に突き落とすかのように、彼女を苦しめていると訴えた。彼女は、伝説の結魄灯だけが、素素(そそ)を蘇らせるという彼女の願いを葉えることができると明かした。素素(そそ)の遺品を灯に入れて燃やすだけで、百裏以内の魂魄を集め、価たような魂を再構築することができるのだという。そして彼女の唯一の願いは、洗梧宮に住み、夜華(やか)のそばに寄り添うことだけだった。その慎ましい願いは、聞く人の心を痛ませるものだった。

夜華(やか)は黙って聞いていたが、心は複雑だった。彼は寝宮に戻り、素素(そそ)が生前に著ていた婚礼衣装を結魄灯に入れた。炎が瞬時に燃え上がったが、十裏桃林に異変が起こり、突風が吹き荒れ、花びらが舞い上がり、最終的には桃の花の雨が夜華(やか)の肩に降り注いだ。この満開の桃の花を見つめながら、夜華(やか)の心には、素素(そそ)と過ごしたあの頃への限りない寂しさと懐かしさが込み上げてきた。哀悼の意を表するために、彼は一攬芳華に桃の木を植え、季節が移り変わるたびに、息子である阿離(あり)を連れて俊疾山を訪れ、束の間の安らぎを求めた。歳月は流れ、300年が瞬く間に過ぎ去った。

白浅(はくせん)の誕生日が近づき、白鳳九(はくほうきゅう)はプレゼント選びに頭を悩ませていた。彼女は迷穀(めいこく)に、姑姑の願い事を尋ねた。迷穀(めいこく)は機転を利かせて、白浅(はくせん)は墨淵(ぼくえん)(ぼくえん)上神の蘇りをずっと願っていることを教えてくれた。白鳳九(はくほうきゅう)はひらめき、結魄灯が役に立つかもしれないと思った。そこで、彼女は素錦(そきん)に変身して夜華(やか)の寝宮に忍び込み、結魄灯をそっと持ち出した。

このことはすぐに星官に知られ、彼は急いで俊疾山に駆けつけて夜華(やか)に報告した。夜華(やか)は素錦(そきん)の仕業と思い込み、激怒して素錦(そきん)の寝宮に押し入り、問い詰めた。素錦(そきん)はわけがわからず、茫然としていた。夜華(やか)は警告を残して怒りながら立ち去り、胸の怒りは収まらなかった。連宋(れんそう)は、結魄灯が夜華(やか)にとってどれほど大切なものかを知っており、急いで駆けつけたが、夜華(やか)は魂が抜けたように落胆していた。夜華(やか)は連宋(れんそう)に、この灯は自分の希望であるだけでなく、素素(そそ)への未練でもあると絶望的に語った。そして今、その最後の希望さえも奪われてしまったという。

白浅(はくせん)は白鳳九(はくほうきゅう)の行動を知り、失望はしたものの、結魄灯は元神の欠片がなければ効果がないこと、墨淵(ぼくえん)(ぼくえん)の元神はまだ行方がわからないため、この灯は墨淵(ぼくえん)(ぼくえん)には役に立たないと説明した。白鳳九(はくほうきゅう)は自分の過ちに気づき、結魄灯を返そうとしたが、不注意で消してしまった。司命(しめい)と連宋(れんそう)は事の重大さを知り、夜華(やか)を説得しようと、東華帝君(とうかていくん)の権威を持ち出し、青丘と帝君の縁を理由に説得した。最終的に夜華(やか)はしぶしぶ受け入れたが、心は晴れないままであった。

夜華(やか)は、自分の魂を犠牲にするなど、あらゆる方法で素素(そそ)を蘇らせようと試みたが、連宋(れんそう)に阻止され、天族の太子として、阿離(あり)の面倒を見る必要があることを思い出させられた。阿離(あり)のことを聞くと、夜華(やか)はようやく崩壊の淵から救われ、自分の責任と義務を自覚した。

一方、俊疾山では、阿離(あり)が遊びに出かけて迷子になり、蛇の妖怪に襲われたが、仙女に助けられた。仙女は阿離(あり)を無事に送り届け、夜華(やか)は息子が無事に帰ってきたことに安堵したが、結魄灯を失った痛みは、大きな石のように彼の胸に重くのしかかり、息苦しさを感じさせた。

第28話の感想

第28話は、切なさ、怒り、絶望、そして希望が交錯する、感情のジェットコースターのような展開でした。夜華(やか)の素素(そそ)への変わらぬ想いと、それを利用しようとする素錦(そきん)の狡猾さ、そして白鳳九(はくほうきゅう)の善意から生まれた過ちが、複雑な人間模様を描き出していました。

特に印象的だったのは、夜華(やか)が十裏桃林で桃の花びらを浴びながら、素素(そそ)との思い出に浸るシーンです。満開の桃の花が、夜華(やか)の切ない心情をより一層際立たせていました。また、白鳳九(はくほうきゅう)が結魄灯を消してしまったことで、夜華(やか)が絶望の淵に立たされるシーンも胸が痛みました。

しかし、連宋(れんそう)や司命(しめい)の説得により、夜華(やか)は徐々に希望を取り戻していきます。阿離(あり)の無事を確認したことで、責任感を取り戻し、再び前に進む決意をした夜華(やか)の姿には、感動を覚えました。

つづく