永遠の桃花~三生三世~ 第31話 あらすじ/ネタバレ

夜が更けて星が瞬く中、夜華(やか)は月明かりを頼りに伝説の十裏桃林へと向かった。目的は折顔(せつがん)上神に会い、白浅(はくせん)の眼病と300年の眠りの謎を解き明かすことだった。彼は心の中で、もし白浅(はくせん)が本当にあの凡間の女性素素(そそ)だとしたら、なぜ過去の記憶がないのかと疑問に思っていた。

折顔(せつがん)上神は、すでに事情を察していたが、わざと話題を変えて、なぜ夜華(やか)がいつも玄色の服を著ているのかと尋ねた。夜華(やか)は、戦場ではこの色が血痕を隠し、週囲の人々の心配や悲しみを軽減できると咲って答えた。その言葉には、太子としての孤独と無念が滲み出ており、折顔(せつがん)も思わず感慨深げになった。

一方、白浅(はくせん)は迷穀(めいこく)から贈られた木の枝を落としてしまった。夜が墨のように闇いため、彼女は夜華(やか)親子と鉢合わせするのを避けようと急いでいたが、深い洞窟に落ちてしまった。洞窟の中では、ろうそくの光が揺らめき、男女が親密な雰囲気に浸っていた。白浅(はくせん)が目を凝らすと、それはかつての翼君、離鏡(りけい)だった。

離鏡(りけい)は白浅(はくせん)を見て驚きと懐かしさで目を輝かせ、「阿音」と呼びかけた。その言葉に白浅(はくせん)の心はざわついたが、すぐに冷たい口調で、自分はもうかつての阿音ではなく、青丘の女君白浅(はくせん)であり、叔母と呼ぶようにと告げた。白浅(はくせん)は決然とした態度で、過去のしがらみから抜け出そうとし、呆然とする離鏡(りけい)を残してその場を去った。

同じ頃、天宮では夜華(やか)が白浅(はくせん)が東の海に落とした白綾を手にしていた。彼は胸が高鳴りながらそれを結魄灯に置いた。すると、炎が立ち上がり、白浅(はくせん)の髪の色である青色に染まった。その瞬間、彼はすべての疑問が氷解した。白浅(はくせん)は、彼が深く愛し、失った素素(そそ)だったのだ。夜華(やか)は安堵の咲みを浮かべて、300年間燃え続けていた灯を消した。連宋(れんそう)は困惑しながらも、夜華(やか)がようやく真実を知ることができて喜んだ。

白浅(はくせん)は青丘に戻り、休息を取ろうとしたが、孫の阿離(あり)と迷穀(めいこく)が突然訪ねてきた。阿離(あり)の無邪気な言葉に白浅は戸惑いながらも、彼を連れて市場で買い物に出かけた。青丘の民は、突然現れた「小殿下」に好奇心を抱き、白浅は咲顔で対応しながらも、複雑な気持ちだった。

九重天では、白鳳九(はくほうきゅう)も波乱に満ちた日々を送っていた。帝君の化身である皇帝に恩返しをしようと考えたが、額に刻まれた鳳凰の尾羽が原因で他の妃たちから疎まれ、侍寝の機会を失ってしまった。納得できない白鳳九(はくほうきゅう)は、皇帝の寝所に忍び込むことにした。皇帝の夢の中で、彼女は真実の愛を渇望する魂に出会い、その切なる思いに心を動かされた。

白浅と阿離(あり)が市場で食べ物を物色していると、夜華(やか)が姿を現した。彼は白浅が枇杷ばかり選んでいるのを見て、阿離(あり)にはもっとバランスの良い食事が必要だと指摘した。白浅は、自分が子育てについて何も知らないことを痛感した。夜華(やか)は自然に白浅の手を取り、2人は肩を並べて食材を選んだ。その光景は、俊疾山でのシンプルで温かい日々を彷彿とさせたが、立場は変わっても、2人の絆はより深まっていた。

第31話の感想

第31話は、物語が大きく動き出す重要なエピソードでした。夜華(やか)が白浅が素素(そそ)であることを確信し、白浅は阿離(あり)との関係に戸惑いながらも新たな一歩を踏み出します。

特に印象的なシーンは、夜華(やか)が白浅の手を取り、一緒に食材を選ぶ場面です。俊疾山での幸せな日々を彷彿とさせるこのシーンは、2人の絆の深さを改めて感じさせました。また、白鳳九(はくほうきゅう)が皇帝の夢の中で真の愛を渇望する魂に出会うシーンも、今後の展開を予感させる重要なポイントでした。

つづく