永遠の桃花~三生三世~ 第32話 あらすじ/ネタバレ

夕暮れに染まる空の下、夜華(やか)一行はきのこ狩りを終え、のんびりと狐洞へと戻ってきた。

白浅(はくせん)は日も暮れかかったことに気づき、迷穀(めいこく)に夕食の準備を命じる。夜華(やか)は白浅(はくせん)と肩を並べて座り、青丘仙境を眺める。白浅(はくせん)は仙気を失うことなく人間界のような生活の楽しさも加えた青丘の景色に、夜華(やか)は思わず咲みを浮かべる。「青丘は本来世俗を避けた仙郷なのに、あなたはそこに少しばかりの俗世の楽しみを加えたんですね。」白浅(はくせん)は軽く咲い、「私は仙術に頼りすぎるのは好きではないのです。たまには生活に少し挑戦を加えるのも良いでしょう。例えば、これから行う戦場の訓練のように、仙人に実戦の楽しさを味わってもらうのです。」と答える。夜華(やか)は白浅(はくせん)の言葉を聞いて、天兵天将を派遣して賑やかさを増そうと冗談めかして言う。

しかし、樹精である迷穀(めいこく)は火を恐れており、料理も苦手であった。空腹で泣き叫ぶ阿離(あり)を見て、迷穀(めいこく)は途方に暮れてしまう。白浅(はくせん)は仕方なく、迷穀(めいこく)に外の掲示板に張り紙を貼って料理人を募集するよう命じる。この光景を見て、夜華(やか)は俊疾山で素素(そそ)が料理ができないことを思い出す。上神となった白浅(はくせん)も料理の腕前は相変わらずで、あの凡界での生活を白浅(はくせん)がどのように一人で過ごしていたのか、夜華(やか)は興味津々であった。

気まずい雰囲気を和らげるため、夜華(やか)は自ら料理を申し出る。白浅(はくせん)は横で薪をくべて手伝う。二人が雑談をしていると、白浅(はくせん)は夜華(やか)の前妻の料理の腕前が素晴らしかったことを話題にする。夜華(やか)の表情は少し変わるが、すぐに落ち著きを取り戻し、前妻も白浅(はくせん)と同じように家事だけが得意で、本当の政治や修行は自分たちで努力する必要があると打ち明ける。

夕食の時間になると、一家三人は楽しく過ごす。夜華(やか)は阿離(あり)をからかい、食べ過ぎると「団子」になって天宮に転がり落ちるかもしれないと言うと、阿離(あり)は恥ずかしそうに白浅(はくせん)の腕に寄り添って甘える。食後、夜華(やか)は将碁をしようと提案するが、白浅は眠気に勝てず、半ばで眠ってしまう。

翌朝、伽昀(かうん)と司文星官(しぶんせいかん)が天宮の公文書を持ってやってくる。夜華(やか)は狐洞で執務することになり、白浅は喜びと不安が入り混じった複雑な気持ちになる。

一方、昆侖墟では、子闌(しらん)と疊風(ちょうほう)が東海の旅から戻り、師匠の帰りを待つ。素錦(そきん)は夜華(やか)が青丘にいることを知り、繆清(きゅうせい)を利用して白浅と夜華(やか)の関係を悪化させ、白浅を諦めさせようと企む。辛奴(しんぬ)は青丘に派遣されるが、白浅に会うことができず追い返されてしまう。素錦(そきん)はさらに憤慨する。

数日が経ち、夜華(やか)は青丘で白浅と過ごす日々を送る。二人は温かく楽しい時間を過ごす。外界の噂が絶えない中でも、夜華(やか)は白浅への愛情を貫き通す。ある日、夜華(やか)は白浅と阿離(あり)を連れて人間界に遊びに行く。阿離(あり)の誕生日に、夜華(やか)はサプライズを用意する。白浅は感動する一方で、事前に教えてくれなかったことを責める。夜には、夜華(やか)は急遽天宮に呼び戻され、白浅は阿離(あり)を連れて茶館で夜華(やか)の帰りを待つ。

そんな中、疊風(ちょうほう)は夜華(やか)に奇妙な事件を報告する。東海の寿宴から帰還する仙人が翼界の人形に襲撃されたという。翼界はすでに天族に降伏しているため、この異常事態に夜華(やか)は眉をひそめ、事態の複雑さを痛感する。

青丘の夜、白浅と阿離(あり)は茶館の灯火の中で夜華(やか)を待ちわびる。夜華(やか)への想いと期待が二人の心を強く結びつける。

第32話の感想

第32話は、夜華と白浅の甘い日常と、不穏な空気が漂う外の世界が対照的に描かれていました。

迷穀(めいこく)の料理下手エピソードはコミカルで、夜華と白浅の仲睦まじい様子が微咲ましかったです。また、夜華が前妻の料理の腕前を褒めるシーンは、白浅の少しやきもちを焼く様子が可愛らしかったです。

一方、昆侖墟では、子闌(しらん)と疊風(ちょうほう)が師匠の帰りを待ち、素錦(そきん)は白浅と夜華の関係を壊そうと画策していました。また、翼界の人形による襲撃事件は、今後の展開を予感させる不穏な要素でした。

つづく