永遠の桃花~三生三世~ 第35話 あらすじ/ネタバレ

夜が更け、月明かりが静かに降り注ぐ中、白浅(はくせん)は部屋に座り、眉間にしわを寄せて元貞(げんてい)の劫を無事に乗り越える方法を考えていた。そんな時、そっと風が吹き、夜華(やか)が音もなく彼女の隣に現れた。彼の顔には優しい咲顔が浮かび、「浅浅、久しぶりだな。会いたかったよ」と囁く。その言葉は春の風のように心地よかったが、白浅(はくせん)の心は少し震え、頬が赤らんだ。幸い、夜華(やか)は彼女の恥ずかしさに気づき、適度に話題を切り替えた。

夜華(やか)はゆっくりと腰を下ろし、隣を空けた。白浅(はくせん)は少し躊躇した後、勇気を振り絞ってそこに座った。夜華(やか)が今回来た目的は、白浅(はくせん)に衝撃的な秘密を伝えるためだった。なんと、元貞(げんてい)の父親は、自らの意思で凡界に降りてきた東華帝君(とうかていくん)だったのだ。白浅(はくせん)は驚きと共に、白鳳九(はくほうきゅう)の切ない想いに胸を痛めた。夜華(やか)は白浅(はくせん)に、元貞(げんてい)の劫を助けるだけでなく、東華帝君(とうかていくん)の命運にも影響を与えないようにするよう厳しく命じた。それは白浅(はくせん)に大きなプレッシャーを与えた。

窓の外の風の音が強くなり、白浅(はくせん)は立ち上がって窓を閉めた。振り返ると、夜華(やか)はすでに外衣を脱ぎ、寝具を整えて、彼女の睡眠習慣を優しく尋ねていた。白浅(はくせん)は慌てて断り、床で寝る習慣があると主張した。夜華(やか)は咲い、冗談めかして言った。最終的に二人は、一人は内側、一人は外側でベッドに横になった。白浅(はくせん)にとって、男性とベッドを共にするのは初めてのことだった。相手が未来の夫であっても、眠れない夜だった。夜華(やか)はそっと抱きしめて眠ることを提案した。白浅(はくせん)は緊張のあまりベッドから転がり落ち、夜華(やか)は咲いながら彼女を起こしてくれた。二人はようやく落ち著き、それぞれ思いを抱いて眠りについた。

朝の光、束の間の安らぎと新たな決意

朝、陽光が窓から差し込み、部屋を照らした。夜華(やか)は気分良く白浅(はくせん)を起こし、天君(てんくん)に謁見するために天宮へ向かう準備をした。白浅は木製の櫛を手にして、丁寧に夜華(やか)の髪を整えた。二人の間には、言葉では言い表せないほどの信頼と温もりが漂っていた。出発前に、夜華(やか)は白浅に身を守るための数珠を贈り、元貞(げんてい)の劫を助けるための具体的な計画を詳しく説明した。それは、六月朔日に東華帝君(とうかていくん)と美人を出会い合わせ、元貞(げんてい)の情劫を解き、同時に帝君の命運を乱さないようにするというものだった。

夜華(やか)を見送った後、白浅は白鳳九(はくほうきゅう)に相談することにした。道中、元貞(げんてい)に会い、後宮に陳という貴妃がいて、額に鳳尾花の印があることを知った。それはまさに白鳳九(はくほうきゅう)の姿だった。白浅はすぐに白鳳九(はくほうきゅう)の住まいを訪ねると、彼女は一人寂しそうに池のほとりに座っていた。白浅は心配になり、事情を尋ねると、白鳳九(はくほうきゅう)は東華のそばにいたい一心で、青丘の禁術である双生呪を使ったことを明かした。白浅は彼女の不器用さに怒りを覚えながらも、彼女の純粋な想いに心を痛め、彼女を眠らせて部屋に運んだ。

夜が訪れ、白浅は一人食事をしていた。すると、白鳳九(はくほうきゅう)が罪を償うためにやってきた。伯母の問いに、白鳳九(はくほうきゅう)は双生呪を使った理由と、東華の夢の中で知った彼の願いを正直に語った。白浅は、東華の願いは少し「俗っぽい」と感じながらも、白鳳九(はくほうきゅう)の純粋な想いを理解した。二人は話し合った結果、夜華(やか)の計画に従い、六月朔日を待つことにした。

その夜、白浅と白鳳九(はくほうきゅう)はそれぞれ思いを抱きながらも、同じ目標のために努力した。元貞(げんてい)が情劫を乗り越えられるように、そして白鳳九(はくほうきゅう)がこの運命の絡み合いの中で幸せを見つけられるように。そして、東華帝君(とうかていくん)と白鳳九(はくほうきゅう)の縁は、この一連の波乱の中で静かに芽生え、運命の最終的な裁きを待っていた。

第35話の感想

第35話は、白浅と夜華(やか)の仲睦まじい様子や、元貞(げんてい)と白鳳九(はくほうきゅう)の切ない恋模様が描かれていて、とても見応えのある回でした。

特に印象に残ったのは、夜華(やか)が白浅に東華帝君(とうかていくん)の秘密を打ち明けたシーンです。白浅は驚きながらも、元貞(げんてい)の劫を助けるために尽力することを決意します。また、白鳳九(はくほうきゅう)が東華帝君(とうかていくん)への想いを白浅に打ち明けるシーンも感動的でした。白鳳九(はくほうきゅう)の純粋な想いは、見ている人の心を打つものがあります。

この回は、白浅と夜華(やか)、元貞(げんてい)と白鳳九(はくほうきゅう)のそれぞれの恋模様が大きく進展する重要な回でした。今後の展開がますます楽しみです。

つづく