永遠の桃花~三生三世~ 第57話 あらすじ/ネタバレ

夜華(やか)の旅立ち

夜華(やか)が亡くなってから、楽胥(らくしょ)娘娘の心は晴れることなく、白浅(はくせん)への恨みは消えなかった。白浅(はくせん)は一切を顧みず、夜華(やか)の両親の前に跪き、夜華(やか)に最後の沐浴を施し、最期を清らかに送りたいと願った。沐浴を終えると、彼女は丁寧に夜華(やか)の衣装を整え、唇に軽くキスをした。その心は苦しみと無力感でいっぱいだった。青丘の女帝として、彼女は天族の太子である夜華(やか)を永遠に狐の洞窟に留めておくことはできないことを知っていた。夜華(やか)がかつて、叔父の桑籍(そうせき)の自由と気ままさを羨ましがっていたことを思い出し、白浅(はくせん)は悟った。もし身分の枷鎖を捨て去ることができれば、彼らは永遠に一緒にいられるかもしれない。涙を流しながら、彼女は夜華(やか)に、本当はとっくに許していたこと、ただプライドが邪魔をして言えなかったことを告げた。

夜華(やか)は水晶棺に安置され、白浅(はくせん)は天族の人々に何度も、夜華(やか)の眠りを邪魔しないようにと懇願した。彼女は無妄海への同行を懇願したが、そこは天族の聖地であるという理由で、大殿下(だいかでんか)に断られてしまった。夜華(やか)が連れ去られるのを目の当たりにした白浅(はくせん)は、洞窟の入り口に絶望的に跪き、夜華(やか)の名前を叫び続けたが、彼を見送ることしかできなかった。

白鳳九(はくほうきゅう)の想い

一方、帝君は夜華(やか)の仙体を天宮に連れ帰り、白鳳九(はくほうきゅう)はその後を追いかけ、宮殿の外で待っていた。彼女は帝君の怪我を心配していたが、帝君から無事であることを告げられた。さらに、もし三生石に名前がなければ、帝君は彼女に恋心を抱いていたかもしれないという意外な事実を知った。この言葉に、白鳳九(はくほうきゅう)は複雑な気持ちになった。帝君との縁は、諦めるしかないことを悟ったのだ。

白浅(はくせん)の苦悩

夜華(やか)を失った白浅(はくせん)は、混沌とした生活に陥った。彼女は毎日、桃花林を彷徨い、酒に溺れ、幻影の中の夜華(やか)の咲顔に慰めを求めた。彼女は、過去に夜華(やか)の悪いところばかり覚えていて、彼の深い愛情を忘れていたことを悔やんだ。白真(はくしん)的怒りも彼女を目覚めさせることができず、むしろ彼女は自分の世界にさらに深く入り込み、夢の中で夜華(やか)との再会を紡いでいた。

白鳳九(はくほうきゅう)の継承

時が経ち、白鳳九(はくほうきゅう)は青丘女帝の座を継承する日が近づいた。大典の日、彼女の心は依然として帝君を想っていた。天族の政務は多忙で、帝君は白鳳九(はくほうきゅう)に代わって管理していた。白鳳九(はくほうきゅう)は心配する一方で、自分がこれから背負う重責を自覚していた。継承式では、彼女は帝君から徴戦図を贈られた。それは、四海八荒の移り変わりと無常を意味し、執著を捨て、前を向くように諭すものであった。

白浅(はくせん)の再生

一方、白浅(はくせん)は白真(はくしん)の陪伴のもと、少しずつ別の生き方を学ぶようになっていた。人間界の劇場で、彼女は織越(しょくえつ)と出会い、二人は一粒の珠によって縁を結んだ。白真(はくしん)は白浅(はくせん)を連れ回って旅をし、彼女が陰鬱な気持ちから抜け出せるように努めた。白浅(はくせん)は咲って言った。あの夢が始まって以来、彼女は夢を現実、現実を夢と考えるようになった。そのような生活は、本意ではないものの、新しい喜びと満足をもたらしてくれたという。

こうして、白浅(はくせん)と白鳳九(はくほうきゅう)という二人の青丘の女傑は、それぞれ運命の洪流の中で自分の居場所を見つけ、手放すことと前に進むことを学んだ。そして、亡くなった人への深い愛情は、永遠の思い出として心に刻まれた。

第57話の感想

第57話は、夜華(やか)の死と白浅の苦悩、そして白鳳九(はくほうきゅう)の成長を描いた感動的なエピソードでした。白浅の夜華(やか)への深い愛情と、それを素直に表現できない葛藤が胸を打ちます。また、白鳳九(はくほうきゅう)の帝君への想いと、青丘女帝としての責任感の狭間で揺れる姿も印象的でした。

特に印象に残ったのは、白浅が夜華(やか)に別れを告げるシーンです。彼女は涙ながらに、本当はとっくに許していたこと、ただプライドが邪魔をして言えなかったことを告白します。このシーンは、白浅の強さと弱さ、そして夜華(やか)への愛が伝わってくる名場面でした。

また、白鳳九(はくほうきゅう)が帝君から徴戦図を贈られるシーンも印象的でした。これは、四海八荒の移り変わりと無常を意味し、執著を捨て、前を向くように諭すものでした。白鳳九(はくほうきゅう)は、この言葉を胸に、青丘女帝として成長していくことでしょう。

つづく