扶揺(フーヤオ)~伝説の皇后~ 第17話 あらすじ/ネタバレ

夜の帳が下りる中、宗越(そうえつ)と扶揺(フーヤオ)は逃亡の途につきます。背後には、斉震(せいしん)が率いる追手が迫り、放たれる矢はどれも猛毒を帯びています。重傷を負った宗越(そうえつ)は、唯一の希望である宮中への潜入を扶揺(フーヤオ)に託します。

宮中の長孫無極(ちょうそんむきょく)は、逃亡者たちが宗越(そうえつ)と扶揺(フーヤオ)であることを察知していました。本来、宗越(そうえつ)は龍鱗甲を探すという重要な任務を帯びていましたが、扶揺(フーヤオ)との出会いがその機会を逃してしまいました。

斉震(せいしん)は、刺客が宮中に侵入したと主張し、兵を率いて入宮します。九門を封鎖し、必ず捕らえると息巻きます。一方、密道を伝って逃げる宗越(そうえつ)と扶揺(フーヤオ)。宗越(そうえつ)は痛みを堪えながら傷の手当てをし、扶揺(フーヤオ)は必死に介抱します。

宗越(そうえつ)は、かつての斉震(せいしん)の輝かしい姿を回想します。射日弓を操る勇猛さは、文懿世子(ぶんいせいし)と共に太淵双傑と称えられました。しかし、時が経ち、その栄光は忘れ去られようとしています。宗越(そうえつ)は、これ以上足手まといになるわけにはいかないと、嫌疑を避けるため国公府へ戻ります。

扶揺(フーヤオ)は誤って長孫無極(ちょうそんむきょく)の寝宮に迷い込み、著替え中の彼と鉢合わせしてしまいます。気まずい空気が流れる中、斉震(せいしん)が突然侵入してきます。長孫無極(ちょうそんむきょく)は咄嗟に扶揺(フーヤオ)を龍床の下に隠し、薄布で上半身を覆って斉震(せいしん)の目を欺きます。斉震(せいしん)は納得しきれないものの、引き下がるしかありません。

斉震(せいしん)が去った後、扶揺(フーヤオ)と長孫無極(ちょうそんむきょく)の間には微妙な空気が漂います。扶揺(フーヤオ)は長孫無極(ちょうそんむきょく)を問い詰め、彼は軽い調子で交わしながらも、扶揺(フーヤオ)への特別な想いをほのめかします。扶揺(フーヤオ)は宗越(そうえつ)から託されたものを長孫無極(ちょうそんむきょく)に渡し、それが御鱗台への鍵であることを明かします。喜色を浮かべた長孫無極(ちょうそんむきょく)は、扶揺を御鱗台へ誘いますが、彼女は宮中からの脱出を望みます。しかし、宮外は厳重に警備されており、やむなく残ることに。

長孫無極(ちょうそんむきょく)は密道を使い、扶揺と元宝(げんぽう)を御鱗台へと案内します。道中、二人は権力と欲望について語り合い、扶揺は自らの力で望むものを手に入れると主張します。御鱗台に到著すると、鍵の力で龍鱗甲が現れます。扶揺が近づくと五色石が強く輝き、彼女の真の姿が明らかになります。彼女は、長孫無極(ちょうそんむきょく)がずっと探していた五色石を持つ少女だったのです。

長孫無極(ちょうそんむきょく)は、扶揺の封印を解くことで彼女の運命を変えるべきか、解かずに彼女の命を危険にさらすのか、選択を迫られます。

翌日、扶揺は長孫無極(ちょうそんむきょく)の寝宮で目を覚まします。昨夜の出来事が混乱して思い出せません。長孫無極(ちょうそんむきょく)は真相を隠し、御鱗台で少し眠っていただけだと説明します。扶揺は立ち去ろうとしますが、身体の衰弱で倒れてしまいます。長孫無極(ちょうそんむきょく)はこれを機に宮中で封印を解くことを提案しますが、扶揺は拒否します。長孫無極(ちょうそんむきょく)は、太淵王宮でなければ封印を解くことはできないと主張します。

扶揺の心は複雑です。週おじさんの臨終の言葉が蘇り、自身の出生と未来に関する謎が解き明かされようとしています。長孫無極(ちょうそんむきょく)の熱意と誠実さに触れ、彼女は心を揺さぶられます。未知の運命の扉を開くべきなのか、彼を信じるべきなのか…。

第17話の感想

第17話は、緊迫感と感動が入り混じった、見応えのあるエピソードでした。特に、宗越(そうえつ)と扶揺の逃亡劇は手に汗握る展開で、二人の絆の深さを改めて感じさせられました。また、長孫無極(ちょうそんむきょく)の機転と優しさも印象的でした。

宗越(そうえつ)は、重傷を負いながらも扶揺を逃がすために奮闘する姿に心を打たれました。彼の自己犠牲の精神は、扶揺への深い愛情と信頼を表しています。扶揺もまた、宗越(そうえつ)の無事を祈りながら必死に逃げる姿が健気で、二人の関係がさらに深まったように感じました。

長孫無極(ちょうそんむきょく)は、斉震(せいしん)の追跡から扶揺を守るために機転を利かせ、彼女を助ける姿が頼もしかったです。また、扶揺の真の姿を知った後も、彼女を受け入れようとする優しさに胸を打たれました。

つづく