扶揺(フーヤオ)~伝説の皇后~ 第35話 あらすじ/ネタバレ
南戎の砂漠での死闘
茫漠たる南戎の砂漠で、生死をかけた戦いの後、扶揺(フーヤオ)は長孫平戎(ちょうそんへいじゅう)の猛毒に冒され、命を落とす寸前だった。長孫無極(ちょうそんむきょく)は焦燥に駆られ、扶揺(フーヤオ)を連れてこの砂塵舞う不毛の地を駆け抜け、解毒の方法を探す決意をする。彼らは一縷の望みをかけて、黄砂が吹き荒れる土地を艱難辛苦に進んでいく。
飲沽草を求めて
まさに飲沽草が盛んに生い茂る季節、宗越(そうえつ)は自ら進んで伝説の解毒の聖草を探しに行くことを申し出る。長孫無極(ちょうそんむきょく)は昏睡状態の扶揺(フーヤオ)の傍らで彼女を強く抱きしめ、自責と後悔の念に駆られる。彼は自分の傲慢さと隠し事が何度も扶揺(フーヤオ)を危険にさらしてきたことを悟る。そして、扶揺(フーヤオ)が目を覚ませばどんな代償を払ってもいいと誓う。
夜明けと新たな危機
夜が訪れ、宗越(そうえつ)は飲沽草を持って帰ってくる。彼は長孫無極(ちょうそんむきょく)の童男の血を薬引として用いて、丹念に解毒剤を調合する。しかし、飲沽草は一時的に毒素を緩和させることができるものの、扶揺(フーヤオ)の病を根治するには、星輝聖手方遺墨を見つける必要がある。
その矢先、宮中から急報が届く。長孫無極(ちょうそんむきょく)が父に逆らったことで長孫迥(ちょうそんけい)の怒りを買い、元皇后は兵を派遣して彼を宮中に連れ戻そうとしていた。
宮中への帰還と新たな決意
長孫無極(ちょうそんむきょく)は宮中の危険性を熟知していたが、扶揺(フーヤオ)の安全のために、一時的にすべてを置いて宮中に戻ることを余儀なくされる。出発前に、彼は扶揺(フーヤオ)を宗越(そうえつ)に託し、自分の代わりに彼女を守ってくれるように頼む。
宗越(そうえつ)は扶揺(フーヤオ)と小七(しょうしち)を連れて旅を続けるが、姚城で前代未聞の危機に遭遇する。
姚城の危機と宗越(そうえつ)の決断
姚城週辺では、黒戎寨の土匪が横行し、すでに数々の村を焼き払っており、次の標的は姚城だった。人々は恐怖に怯え、次々と故郷を逃れていく。宗越(そうえつ)と小七(しょうしち)は扶揺(フーヤオ)のために滋養強壮剤を買おうとしたが、偶然にもこの人間惨劇を目撃してしまう。彼らは姚城がもはや安全な避難場所ではなくなったことを悟る。
宮中に戻った長孫無極(ちょうそんむきょく)は、長孫迥(ちょうそんけい)の怒りに直面し、自分の過ちを率直に認め、父親に扶揺(フーヤオ)を許してくれるように懇願する。長孫迥(ちょうそんけい)は長孫無極(ちょうそんむきょく)の情にほだされて失望するが、最終的には許すことにする。長孫無極(ちょうそんむきょく)はこれを機に扶揺の事件を徹底的に調べ上げ、仏蓮(ぶつれん)の真の姿を暴く。
実は、仏蓮(ぶつれん)は表面上は聖なる生ける菩薩であったが、実際には冷酷非情であり、名声と利益のために天を恐れぬ罪を犯していた。長孫無極(ちょうそんむきょく)は仏蓮(ぶつれん)を寒捨に幽閉し、彼女に自分の罪と向き合わせる。
姚城の解放と長孫無極(ちょうそんむきょく)の決意
一方、宗越(そうえつ)も姚城で行動を開始する。彼は上陽宮親衛の腰牌を使って、命惜しみの県官を威圧し、姚城の事務を天権特使に任せるよう迫る。宗越(そうえつ)は県官と土匪の癒著の真相を知っており、密かに毒薬を盛って脅迫し、土匪を剿滅するために兵を派遣せざるを得ないようにする。
宗越(そうえつ)の綿密な計画により、姚城の危機はようやく収束する。一方、宮中の長孫無極(ちょうそんむきょく)は、南戎に赴いて長孫平戎(ちょうそんへいじゅう)の犯罪証拠を集める計画を著々と進めている。彼はこの旅が非常に危険であることを承知しているが、扶揺と天下の正義のために、ためらうことなく旅に出る。
扶揺の覚醒と新たな挑戦
一方、扶揺は宗越(そうえつ)の献身的な看病により、徐々に意識を取り戻していく。彼女は身体は弱っているものの、長孫無極(ちょうそんむきょく)への想い、正義への渇望に満ち溢れている。黒戎寨が村民を襲撃したことを知ると、彼女は人々のために復讐しようと必死になる。しかし、宗越(そうえつ)は彼女を製止し、冷静さと理性を保つことで、今後の課題に立ち向かうことができることを告げる。
第35話の感想
第35話は、緊迫感と感動が入り混じった、見ごたえのあるエピソードでした。
特に印象に残ったのは、扶揺と長孫無極(ちょうそんむきょく)の絆の深さです。長孫無極(ちょうそんむきょく)は、扶揺を救うために命を懸けて戦い、危険を顧みずに彼女を助けようとします。扶揺もまた、長孫無極(ちょうそんむきょく)への強い想いを胸に、困難に立ち向かっていきます。
また、宗越(そうえつ)の活躍も光っていました。彼は、冷静沈著な判断力と行動力で、姚城の危機を救います。彼の存在は、扶揺と長孫無極(ちょうそんむきょく)にとって大きな助けとなりました。
つづく