扶揺(フーヤオ) 第38話 あらすじ/ネタバレ

夜の砂漠

夜幕が降り、広大な砂漠に佇む長孫無極(ちょうそんむきょく)は、酒壺を手に憂いをにじませています。そこに、ひっそりと扶揺(フーヤオ)が現れます。二人の間には、言葉にできない重苦しい空気が流れます。

長孫無極(ちょうそんむきょく)は、なぜ扶揺(フーヤオ)が自分を遠ざけるのかと問います。二人は心を通わせていたはずなのに。涙を浮かべた扶揺(フーヤオ)は、自分が解毒不可能な鎖情の毒に冒されていることを打ち明けます。長孫無極(ちょうそんむきょく)を巻き込みたくないと、彼の前から消えようとしていたのです。

長孫無極(ちょうそんむきょく)は、彼女の言葉を聞いて強く心を揺さぶられます。彼は扶揺(フーヤオ)を強く抱きしめ、情熱的なキスで彼女の唇を覆います。どんな困難があっても、必ず解毒法を見つけ、彼女と共に人生を歩むと誓います。

二人は砂漠に腰を下ろし、夜空を見上げます。鮮やかな花火が彼らの顔を照らし、美しい神鳥が舞い上がります。儚い命だからこそ、その美しさは心を奪います。長孫無極(ちょうそんむきょく)は、扶揺(フーヤオ)の髪を撫でながら、たとえ生死を超えても、いつまでも一緒にいたいと願います。

天権の急報

翌朝、天権から長孫迥(ちょうそんけい)の危篤を知らせる緊急の知らせが届きます。長孫無極(ちょうそんむきょく)は、長孫平戎(ちょうそんへいじゅう)が待ち構えている危険な葛雅砂漠を通らなければなりません。しかし、家族と責任のため、彼は宗越(そうえつ)と共に旅立ちます。

一方、天権国内では各勢力が蠢き、長孫平戎(ちょうそんへいじゅう)は権力を奪う機会をうかがっています。病床の長孫迥(ちょうそんけい)は、長孫無極(ちょうそんむきょく)の仮抗に心を痛めながらも、彼を鍛えるため、長孫平戎(ちょうそんへいじゅう)との謁見を許可し、葛雅砂漠での待ち伏せを黙認します。皇位への道は、血で染まっていることを悟らせるためです。

扶揺(フーヤオ)は、長孫無極(ちょうそんむきょく)の旅立ちを知り、名残惜しさを感じながらも、彼の責任の重さを理解します。彼女は想いを込めて巾著を縫い、姚城を守り抜くと決意します。長孫無極(ちょうそんむきょく)は、元宝(げんぽう)を扶揺(フーヤオ)に託し、最後の守りとして残します。

徳王の苦悩

青楼で紅瀛(こうえい)と密会する徳王長孫迦(ちょうそんか)は、複雑な感情を抱いています。紅瀛(こうえい)は長孫平戎(ちょうそんへいじゅう)の動向を伝え、長孫迦(ちょうそんか)は権力への興味がないことを嘆きます。紅瀛(こうえい)を守るため、彼は彼女を宮廷の争いから遠ざけることを決意します。

姚城の戦い

長孫平戎(ちょうそんへいじゅう)は赤鬼(せきき)と手を組み、5万の兵を率いて姚城に攻め寄せます。3000人の守備兵と5日分の食料しかない姚城は、圧倒的に不利な状況です。しかし、扶揺(フーヤオ)は冷静さを失わず、姚城の地形を利用した空城計と火攻で敵軍の第一波攻撃を撃退します。彼女の非凡な知恵と勇気が光ります。

一方、葛雅砂漠では、長孫無極(ちょうそんむきょく)と宗越(そうえつ)が追っ手と戦いながら進みます。援軍が遅れ、状況はさらに悪化します。長孫無極(ちょうそんむきょく)は、宗越(そうえつ)と別行動を取り、単身で砂漠を突破することを決意します。宗越(そうえつ)は、天権に援軍を要請するため、単独で帰還します。

愛、責任、生存をかけた戦いが、砂漠と姚城で繰り広げられます。命を懸けて愛する人を守る者、野心を抱く者、それぞれが信念のために戦い、独自の伝説を刻んでいきます。

第38話の感想

第38話は、長孫無極(ちょうそんむきょく)と扶揺(フーヤオ)の強い絆が描かれた感動的なエピソードでした。鎖情の毒に苦しむ扶揺(フーヤオ)の決意と、それを受け入れられない長孫無極(ちょうそんむきょく)の葛藤が切なく表現されています。特に、砂漠での二人のシーンは、美しい景色と切ない音楽が相まって、忘れられない名場面となりました。

一方、天権国内では権力闘争が激化し、長孫平戎(ちょうそんへいじゅう)の陰謀が明らかになります。病床の長孫迥(ちょうそんけい)の複雑な心情も描かれ、物語はさらに複雑な展開を迎えます。

姚城の戦いでは、扶揺(フーヤオ)の知恵と勇気が光りました。圧倒的に不利な状況の中でも、冷静さを失わず、空城計と火攻で敵軍を撃退する姿は、まさにヒロインの貫禄です。

つづく