扶揺(フーヤオ)~伝説の皇后~ 第44話 あらすじ/ネタバレ

幽闇な幕営の中で

雅蘭珠(がらんじゅ)は蒼白な顔をした戦北野(せんほくや)を見つめていた。彼は薬を飲むことが出来ず、雅蘭珠(がらんじゅ)は焦っていた。助けを求めようと立ち上がったが、週りには誰もいなかった。扶揺(フーヤオ)は自分たちを見捨てたと誤解し、涙が溢れそうになる。悲しみを堪えながら、彼女は戦北野(せんほくや)のそばに留まり、二人の出会いを思い出していた。その揺るぎない愛は、岩のように堅固だった。

禁断の術

戦北野(せんほくや)の命が危篤状態であることを知った雅蘭珠(がらんじゅ)は、邛葉族の禁断の術を使う決意をした。彼女は自分の安全を顧みず、術を施した。術の効果で、戦北野(せんほくや)の息は落ち著き、蘇生の兆しが見えた。しかし、雅蘭珠(がらんじゅ)は術の代償として失明してしまった。駆けつけた小七(しょうしち)は、その様子を見て心を痛めた。雅蘭珠(がらんじゅ)は戦北野(せんほくや)の無事を祈り、小七(しょうしち)に自分の失明を秘密にするよう懇願し、静かに去ることを決意した。彼女は歌声で深い愛情を伝え、天煞の民謡が夜空に響き渡った。

心魔との戦い

一方、扶揺(フーヤオ)と長孫無極(ちょうそんむきょく)は天門墟でそれぞれ心の試練に直面していた。長孫無極(ちょうそんむきょく)は驚異的な意誌力で心魔の幻境を突破したが、扶揺(フーヤオ)は心魔に囚われてしまった。長孫無極(ちょうそんむきょく)が内力で呼びかけるまで、彼女は心魔との激戦を繰り広げていた。微妙なつながりを利用して、扶揺(フーヤオ)は自傷することで心魔を破ったが、力尽きて倒れてしまった。その瞬間、長孫平戎(ちょうそんへいじゅう)が襲いかかってきたが、長孫無極(ちょうそんむきょく)と蘇醒した扶揺(フーヤオ)に阻止された。絶望に陥った長孫平戎(ちょうそんへいじゅう)は二人に助けを求め、命を救われた。

天門墟からの脱出

天門墟の外では、五色の光が空を照らし、五洲の未来を予兆していた。長孫無極(ちょうそんむきょく)と長孫平戎(ちょうそんへいじゅう)が次々と脱出し、週囲は騒然となった。人々は長孫無極(ちょうそんむきょく)の帰還を喜び、安堵した。しかし、長孫無極(ちょうそんむきょく)の心は複雑だった。彼は扶揺(フーヤオ)の犠牲と忍耐がなければ、この結果は得られなかったことを知っていた。

戦北野(せんほくや)の蘇生と謎

戦北野(せんほくや)がついに目を覚ました。扶揺(フーヤオ)は喜び、摂坤鈴を返却したが、雅蘭珠(がらんじゅ)の貢献は伏せた。小七(しょうしち)の落胆に気づいた扶揺(フーヤオ)は、雅蘭珠(がらんじゅ)が休養していることを伝えた。扶揺(フーヤオ)は天門墟での出来事を思い返していた。宗越(そうえつ)が現れ、扶揺(フーヤオ)の脈が異常であることに気づいた。宗越(そうえつ)も気づいていたが、真相は明かさなかった。

静かな夜、長孫無極(ちょうそんむきょく)が琴を弾いていると、宗越(そうえつ)が訪ねてきた。二人は扶揺(フーヤオ)の脈について話し、彼女は天門墟で体内の封印を解いたのではないかと推測した。この発見に長孫無極(ちょうそんむきょく)は心を重くした。彼は五色石の少女を見つけ出すという使命を背負っており、扶揺(フーヤオ)の正体は徐々に明らかになっていた。

天権王宮の動揺

天権王宮では、長孫迥(ちょうそんけい)は長孫無極(ちょうそんむきょく)の無事を喜び、絶食を続ける皇后にその知らせを伝えた。皇後は驚きと安堵の表情を浮かべた。複雑な宮廷のしがらみが、この瞬間から微妙に変化し始めていた。

第44話の感想

第44話は、衝撃と感動に満ちた展開が続きました。特に印象的だったのは、雅蘭珠(がらんじゅ)の自己犠牲と扶揺の心魔との戦い。雅蘭珠(がらんじゅ)は、戦北野(せんほくや)の命を救うために禁断の術を使い、失明という代償を払いました。彼女の深い愛情と自己犠牲の精神には、胸を打たれました。一方、扶揺は心魔に囚われ、苦しい戦いを強いられました。しかし、彼女は自傷することで心魔を破り、強い意誌力を見せつけました。

また、長孫無極(ちょうそんむきょく)と長孫平戎(ちょうそんへいじゅう)の対決も注目すべき点でした。長孫平戎(ちょうそんへいじゅう)は、絶望のあまり二人に助けを求め、命を救われました。このシーンは、長孫平戎(ちょうそんへいじゅう)の傲慢さと弱さを浮き彫りにし、長孫無極(ちょうそんむきょく)の優しさと強さを際立たせました。

天門墟での出来事は、扶揺の正体に大きな影響を与えました。宗越(そうえつ)は、扶揺の脈が異常であることに気づき、彼女が五色石の少女ではないかと推測しました。この謎は、今後の展開を大きく左右する重要なポイントとなるでしょう。

つづく