扶揺(フーヤオ)~伝説の皇后~ 第50話 あらすじ/ネタバレ

緊迫した場面の中、雅蘭珠(がらんじゅ)は息も絶え絶えの戦北野(せんほくや)のもとへ駆け寄り、涙を流します。戦北野(せんほくや)は自分の命が尽きようとしていることを悟り、雅蘭珠(がらんじゅ)に長孫無極(ちょうそんむきょく)に天煞の安寧を託すよう伝えます。彼は自分の命を犠牲にすることで天煞の平和を手に入れることができれば、それは最も価値のあることだと考えていました。しかし、死の淵に立たされて初めて、彼が最も心を痛めているのは雅蘭珠(がらんじゅ)であることに気づきます。彼は雅蘭珠(がらんじゅ)に自分を忘れ、新しい人生を歩むように懇願しますが、雅蘭珠(がらんじゅ)はそれを拒否し、泣き崩れます。戦北野(せんほくや)は仕方なく、体に刺さっていた蒼龍在野剣を引き抜き、雅蘭珠(がらんじゅ)の腕の中で息を引き取ります。二人は天煞の民謡を歌い、その姿を見た隠軍は心を動かされ、戦北野(せんほくや)と共に未知の運命に立ち向かうことを決意します。奇跡的に、戦北野(せんほくや)は雅蘭珠(がらんじゅ)の腕の中で目を覚まし、二人は喜びのあまり抱きしめ合います。

一方、宗越(そうえつ)は斉震(せいしん)の住居に一人で乗り込みます。斉韵(せいいん)の必死の懇願にもかかわらず、彼は斉震(せいしん)との決著をつける決意を固めていました。斉震(せいしん)は病に伏せているものの、最後の抵抗を試みます。宗越(そうえつ)は事前に衣に毒を塗っており、斉震(せいしん)の抵抗は無駄に終わります。斉震(せいしん)は自分がすでに罠を仕掛けており、非煙(ひえん)の協力を得たと得意げに語ります。この突然の事態に、宗越(そうえつ)は措手不及となります。斉震(せいしん)は宗越(そうえつ)を倒すために、あらゆる手段を尽くし、非煙(ひえん)に頼るしかなかったのです。

天煞王宮では、戦南城(せんなんじょう)は扶揺(フーヤオ)に貴重な氷人果を贈ります。天煞の東から来たこの奇妙な果実は、彼の精鋭5万人の兵士の血と汗の結晶でした。しかし、扶揺(フーヤオ)は宮内の兵力が手薄になることを心配します。戦南城(せんなんじょう)が祥龍の吉兆に浸っている中、戦北野(せんほくや)が軍を率いて磐都に迫っているという戦況報告が舞い込みます。戦南城(せんなんじょう)は激怒し、静太妃(せいたいひ)を殺して見せしめにすることを決意しますが、扶揺(フーヤオ)は機転を利かせてそれを阻止します。彼女は静太妃(せいたいひ)を囮にして、戦北野(せんほくや)が戻ってきたら処罰することを提案します。兵力差が圧倒的な状況の中、扶揺(フーヤオ)は長孫無極(ちょうそんむきょく)に助けを求め、彼の10万の兵士を使って戦況を覆すことを提案します。戦南城(せんなんじょう)は疑念を抱きますが、他に選択肢がないため、扶揺(フーヤオ)を説得に向かわせます。

一方、斉韵(せいいん)は昏睡状態の宗越(そうえつ)の世話をしているうちに、自分が斉震(せいしん)に利用されていることに気づきます。彼女は斉震(せいしん)の残酷さと冷酷さを非難しますが、斉震(せいしん)は自分がしたことはすべて斉韵(せいいん)と太淵を守るためだと主張します。父娘の溝は深まり、斉韵(せいいん)は二度と斉震(せいしん)の犠牲にはならないと誓います。

雲痕(うんこん)(うんこん)は宗越(そうえつ)が危険にさらされていることを知り、長孫無極(ちょうそんむきょく)を探しますが、見つかりません。そこで、彼は一人で宗越(そうえつ)を探す旅に出ます。一方、長孫無極(ちょうそんむきょく)は穹蒼の無念山で師匠の天機(テンキ)に叱責されます。天機(テンキ)は長孫無極(ちょうそんむきょく)の逃避に失望し、彼を無理やり連れ戻し、私情のために使命を忘れてはならないと厳しく戒めます。天機(テンキ)は扶揺(フーヤオ)を殺すことだけが問題を解決できると主張しますが、長孫無極(ちょうそんむきょく)はそれを拒否し、両方の解決策を見つけようと決意します。最終的に、天機(テンキ)は罰として長孫無極(ちょうそんむきょく)の一部を奪い、扶揺(フーヤオ)を連れて使命を完遂するよう促します。

長孫無極(ちょうそんむきょく)は苦しみを堪え、鉄成(てっせい)と扶揺(フーヤオ)に穹蒼での出来事を隠し、修行のせいだと説明します。その後、彼は扶揺(フーヤオ)と共に策を練ります。戦北野(せんほくや)の迫り来る軍と天煞の危機に直面した二人は、力を合わせて立ち向かうことを決意します。扶揺(フーヤオ)は、二人で協力すれば、きっと信念と愛する人を守ることができるはずだと信じています。

第50話 感想

第50話は、緊迫感と感動が入り混じった、見応えのあるエピソードでした。特に、雅蘭珠(がらんじゅ)と戦北野(せんほくや)の別れは涙なしには見られません。戦北野(せんほくや)が命を落とす覚悟で天煞の安寧を託し、雅蘭珠(がらんじゅ)が彼を忘れようとしない姿は、愛の深さを痛切に感じさせます。また、宗越(そうえつ)と斉震(せいしん)の対立も激化し、非煙(ひえん)の存在が物語に新たな波紋を投げかけました。

一方、天煞王宮では、戦南城(せんなんじょう)の焦りと扶揺(フーヤオ)の冷静さが対照的に描かれています。戦南城(せんなんじょう)は戦北野(せんほくや)の軍勢に危機感を募らせますが、扶揺は冷静に策を練り、長孫無極(ちょうそんむきょく)に助けを求めます。二人の対比は、リーダーとしての資質の違いを浮き彫りにしています。

雲痕(うんこん)(うんこん)の旅立ちや長孫無極(ちょうそんむきょく)と天機(テンキ)の葛藤など、サブストーリーも充実しており、物語全体に深みを与えています。特に、長孫無極(ちょうそんむきょく)が扶揺を殺すことを拒否するシーンは、彼の優しさと思いやりを示しており、今後の展開が気になります。

つづく