雪中悍刀行~徐鳳年(シュー・フォンニエン)、北椋王への道~ 第22話 あらすじ/ネタバレ

遼闊な戦場に、北椋の軽騎兵と青州の重騎兵が激突する。銀槍と鉄甲が交錯し、壮絶な戦いが繰り広げられる。

靖安王は、鮮やかな大黄蟒袍を纏い、陣頭に立つ。その姿はまさに王者の風格だ。徐鳳年(シュー・フォンニエン)は、幾多の死線を潜り抜けてきたにもかかわらず、依然落ち著き払っている。彼は靖安王に一対一の会話を持ちかける。緊張が走る中、二人の決闘が始まろうとしていた。

この芦葦蕩での決闘は、実は徐鳳年(シュー・フォンニエン)と靖安王がそれぞれ仕組んだ策略だった。徐鳳年(シュー・フォンニエン)は、靖安王がこの戦いで力を誇示し、民心を掌握して、将来の奪権の布石としていることを知っていた。かつて皇位継承争いに敗れ、青州襄樊に左遷された靖安王は、依然皇帝の座への執念を燃やしていた。彼は自分の知恵と手腕で、いつか天下を手に入れると信じていた。

王明寅(ワン・ミンイン)の戦死は、江湖に波紋を広げたが、徐鳳年(シュー・フォンニエン)と靖安王にとっては、碁局の中の捨て駒に過ぎなかった。靖安王は、裴南葦(ペイ・ナンウェイ)を故意に危険な状況に陥れたが、これは彼の巧妙な罠だった。徐鳳年(シュー・フォンニエン)はそれを利用して、好色な人物という評判を確立し、窮地を脱したのだ。

戦後、徐鳳年(シュー・フォンニエン)の鋭い分析に、靖安王は感心する。二人は立場こそ違えど、お互いの知恵と胆力を認めざるを得なかった。靖安王は徐鳳年(シュー・フォンニエン)との協力関係を黙認し、貴重な刀譜と半截木馬牛剣匣を贈り、裴南葦(ペイ・ナンウェイ)に注意するよう助言した。

一方、趙楷(チャオ・カイ)は呵呵姑娘を誘い、徐鳳年(シュー・フォンニエン)に対抗しようとするが、断られてしまう。彼が手を下そうとした瞬間、巨大なパンダが現れて趙楷(チャオ・カイ)を驚かせ、彼は慌てて逃げ出した。

青州軍が撤退した後、裴南葦(ペイ・ナンウェイ)は官道に佇み、徐鳳年(シュー・フォンニエン)の後姿を複雑な表情で見つめる。彼女は、なぜ鳳字営の兵士を犠牲にして王家を守ったのかと問いただす。徐鳳年(シュー・フォンニエン)は、責務を果たすためには犠牲は不可避であり、全ての犠牲を心に刻んでいると答える。

しかし、徐鳳年(シュー・フォンニエン)の負傷は見た目よりも深刻だった。彼は気脈が逆流しており、命の危険にさらされていた。李淳罡の助けでなんとか一命を取り留めたが、その過程で常人では想像できないほどの苦痛に耐え、驚異的な意誌力を示した。

療養中に、徐鳳年は水潭で再び大黄庭を修練し、功力が大幅に向上して四重境に達する。李淳罡は、彼の才能に期待を込めて、奥義である「両袖青蛇」を伝授した。

その頃、趙珣(チャオ・シュン)が青州兵を率いて裴南葦(ペイ・ナンウェイ)を奪還しようと追ってきた。危機一髪、褚祿山 (チョ・ロクザン)が駆けつけ、その威名で趙珣(チャオ・シュン)を撤退させた。徐鳳年は、褚祿山 (チョ・ロクザン)に裴南葦(ペイ・ナンウェイ)と青鳥(アオトリ)を北椋に連れ帰らせ、呂銭塘(リュウ・センタン)の遺骨を安置するよう指示する。青鳥(アオトリ)は徐鳳年の側にいたいと主張し、二人は一緒に江南で姉を探すことにした。

一方、趙楷(チャオ・カイ)は窮地に陥る。彼は、自分の力だけでは徐鳳年に太刀打ちできないことを悟る。韓貂寺(ハン・ディアオシ)の助言を受けて、龍虎山に趙黄巢(チョウ・コウチョウ)を訪ね、その力を借りて打開策を模索することにした。より複雑な権力闘争の幕が上がる。

第22話 感想

第22話は、徐鳳年と靖安王の駆け引きと、徐鳳年の成長が描かれた回でした。

特に、芦葦蕩での決闘は、両者の知略と胆力がぶつかり合う見応えのある場面でした。靖安王が王明寅(ワン・ミンイン)を捨て駒にしたこと、徐鳳年がそれを利用して好色な人物という評判を確立したことは、どちらも予想外の展開で、物語の深みを感じさせます。

また、徐鳳年の負傷が見た目よりも深刻だったことが明らかになり、彼の命運がどうなるのかハラハラさせられました。李淳罡の助けで一命を取り留めたものの、常人では想像できないほどの苦痛に耐えた様子は、彼の並外れた意誌力の強さを示しています。

さらに、李淳罡が徐鳳年に「両袖青蛇」を伝授したことも、今後の展開を期待させるポイントです。徐鳳年がどのような剣術を身につけるのか、今後の成長が楽しみです。

つづく