雪中悍刀行~徐鳳年(シュー・フォンニエン)、北椋王への道~ 第32話 あらすじ/ネタバレ

徽山での出会い

徽山での修行を終えた徐鳳年(シュー・フォンニエン)は、下山する前に軒轅敬城(ケンエン・ケイジョウ)から武学心得と手紙を受け取る。手紙には、北椋世子が徽山を裏切らなければ、必ず厚く報いるという約束が書かれていた。軒轅敬城(ケンエン・ケイジョウ)は読書によって陸地神仙の境地に達した人物であり、その秘伝は並大抵のものではない。

当初、軒轅青鋒(ケンエン・セイホウ)は徐鳳年(シュー・フォンニエン)の真意を疑っていたが、徐鳳年(シュー・フォンニエン)は前例にとらわれず、独自の道を切り開くと宣言し、徽山を守り続けるよう説得する。徐鳳年(シュー・フォンニエン)の言葉に、軒轅青鋒(ケンエン・セイホウ)の疑念は少し和らいだ。

一方、外で待っていた姜泥(ジャン・ニー)は、徐鳳年(シュー・フォンニエン)が船を借りた理由を尋ねる。徽山での修行で、軒轅敬城(ケンエン・ケイジョウ)が妻と娘のために命を懸けた姿を見た徐鳳年(シュー・フォンニエン)は、心を動かされていた。彼は父親である徐驍( シュー・シャオ)の老いを心配し、軒轅敬城(ケンエン・ケイジョウ)に自分自身の姿を重ね、軒轅家の武学秘伝に頼らずとも徽山との同盟を結ぶ決意を固める。

軒轅青鋒(ケンエン・セイホウ)は、嫡長房の庭院に戻り、父親が残した蔵書と心血を見て、複雑な気持ちになる。召使いは再び武学心得と錦囊を手渡す。それは、父親が彼女のために綿密に計画した最後の策略だった。

藏悟軒の奥にある庭では、軒轅夫人が空の錦囊と一杯の酒を受け取る。彼女は酒杯を握りしめ、軒轅敬城(ケンエン・ケイジョウ)との思い出を振り返り、最終的に呉素(ウー・スー)の肖像画を焼き捨て、大雪坪へと向かう。ため息をついた後、彼女は崖から身を投げて自害する。

龍虎山への旅

一方、徐鳳年(シュー・フォンニエン)は龍虎山に到著し、趙希抟(チョウ・キデン)が先に山に登ったことを知る。道士に案内されて、徐鳳年(シュー・フォンニエン)は趙希抟(チョウ・キデン)のもとへ向かう。趙希抟(チョウ・キデン)は掌門の兄を探そうとするが、正門に小坊主の絵が描かれ、「東西最好」と書かれているのを発見する。それは、二禅寺の小坊主が小娘を連れて論法に来たことを意味しており、その悟性は週囲の人々を感嘆させた。

龍虎山は、外姓人の斉玄帧(サイ・ゲンセン)が飛昇したため、四天師が揃うことは稀であった。青詞学士の趙丹坪(チョウ・タンペイ)が突然戻ってきたのは、実は殺意を秘めたものであり、皇子である趙楷(チャオ・カイ)と北椋世子である徐鳳年(シュー・フォンニエン)を排除しようとしていた。

趙希抟(チョウ・キデン)はこれを聞いて驚き、徐鳳年(シュー・フォンニエン)がここで命を落とせば、北椋の怒りを買うことは必至だと悟る。しかし、趙丹坪(チョウ・タンペイ)は、徐鳳年(シュー・フォンニエン)の大黄庭功力が全開になれば、武当が介入し、天下が乱れると主張し、根絶やしにする必要があると考える。

徐鳳年は、李淳罡だけを連れて山に登り、青鳥(アオトリ)たちを山下に残すことにする。彼は寧峨眉(ニン・アーメイ)に今回の目的を説明する。寧峨眉(ニン・アーメイ)は少し動揺するものの、徐鳳年を認める気持ちが強かった。二人は龍虎山の門まで行き、異様な雰囲気を感じ取る。李淳罡は、曹長卿(ソウ・チョウケイ)が常に姜泥(ジャン・ニー)の安全を気にかけていることから、念のため姜泥(ジャン・ニー)を連れて行くことを勧める。しかし、徐鳳年は自信満々に、どちらも連れて行くと宣言する。

李淳罡は、過去を振り返り、一歩踏み出せなかったことで最愛の人を失い、剣心が乱れたことを思い出す。彼は徐鳳年と姜泥(ジャン・ニー)に、同じ轍を踏まないようにと忠告する。徐鳳年は李淳罡と賭けをし、運命がどうなろうとも、自分の道を貫き通すと宣言し、李淳罡に自分の約束を目の当たりにしてほしいと願う。

趙丹坪(チョウ・タンペイ)の妨害に遭った徐鳳年は、李淳罡が「剣来」と叫ぶと、無数の剣が鳴り響き、趙丹坪(チョウ・タンペイ)を震え上がらせる。この瞬間、李淳罡は陸地神仙の境地を取り戻し、趙黄巢(チョウ・コウチョウ)も龍虎山で手出しするのは不可能だと悟り、武帝城で計画を実行することにする。趙丹坪(チョウ・タンペイ)は形勢不利と見て、徐鳳年を解放する。李淳罡が軽く手を振ると、空中に浮かんでいた剣が雨のように降り注ぎ、危機は回避された。

第32話の感想

第32話は、徐鳳年と軒轅青鋒(ケンエン・セイホウ)の絆が深まる一方で、龍虎山での新たな危機が訪れるという波乱の展開でした。

印象的だったのは、軒轅敬城(ケンエン・ケイジョウ)の妻と娘への深い愛情です。彼は読書によって陸地神仙の境地に達した人物でしたが、家族を守るために命を懸けることを厭いませんでした。彼の死は、徐鳳年と軒轅青鋒(ケンエン・セイホウ)の心に大きな影響を与え、二人の絆をより強固なものにしました。

また、李淳罡の復活も大きな見どころでした。彼は過去に最愛の人を失ったことで剣心が乱れ、陸地神仙の境地から落ちていましたが、徐鳳年との出会いによって再びその力を取り戻しました。李淳罡の復活は、今後の物語に大きな影響を与えることは間違いありません。

一方、趙丹坪(チョウ・タンペイ)の企みは失敗に終わりました。彼は徐鳳年と趙楷(チャオ・カイ)を排除しようとしましたが、李淳罡の介入によって阻止されました。この事件は、天下の勢力図を大きく変える可能性を秘めています。

つづく