永安夢~君の涙には逆らえない~ 第16話 あらすじ/ネタバレ
夜が深まり、陸時硯(りくしげん)は再び陰森とした牢獄へと足を踏み入れた。彼の目は鋭く、趙(ちょう)衝が刺された謎を解き明かそうと決意していた。彼は現場をくまなく調べ、鍵の異常を発見する。鍵は鍵穴で開けられた後、刃物で切りつけられており、その痕跡は不自然だった。さらに不可解なことに、趙(ちょう)衝が倒れた場所の周囲は散らかっていて、彼の身下だけが綺麗に拭かれていた。食卓に残された食べ物の跡は、趙(ちょう)衝が刺客に冷静に対峙していたことを示唆しており、すべてが熟人が犯人であることを示唆していた。
夜が明け、陸時硯(りくしげん)はすべての獄卒を集め、犯人がその中に潜んでいることを公表した。彼は一盆の水を真実を明かすための道具として使い、その場の空気は一変した。緊張した面々のなかで、一人の獄卒が不自然に袖をこすり合わせ、何かを隠そうとしていた。そのわずかな動きは陸時硯(りくしげん)の鋭い視線から逃れなかった。取り調べの結果、その獄卒が刺客の一人であることが判明するも、彼は正義の裁きを前に沈黙と自決を選び、家族への思いを残して自害した。彼の死は、無限の悔恨と謎を残した。
一方、沈姌は昏睡から目覚め、最初に救命恩人である周述安(しゅうしゅつあん)の様子を見に行った。周述安(しゅうしゅつあん)が自分を助けるために怪我をしたことを知った沈姌は、感謝の気持ちでいっぱいになった。周述安(しゅうしゅつあん)はこれを機に、沈姌にチャンスを与えてほしいと告白する。しかし、李棣(りてい)の事件を経験した沈姌は、感情に対して淡泊になっており、周述安(しゅうしゅつあん)の申し出を断る。しかし、時間をかけてすべてを証明すると約束した。
一方、李棣(りてい)はついに逮捕され、取り調べを受けるも、黒幕については口を閉ざした。周述安(しゅうしゅつあん)は巧妙な計略を用いて、蘭児(らんじ)の死を餌に、沈文祁(しんぶんき)が「死んだ」という偽情報を流布し、李棣(りてい)の心理的防線を完全に崩壊させた。李棣(りてい)は精神的に追い詰められ、部分的に真実を吐露した。これらの証言はすべて記録され、沈文祁(しんぶんき)の冤罪を晴らすための重要な証拠となった。
沈甄(しんしん)は自由の身となり、姉の沈姌のもとへ駆けつけた。姉妹は再会を喜び、涙を流した。過去の苦難は、この瞬間慰められたようだった。夜が更け、蘇珩(そこう)は書斎で一人、牢獄での出来事を思い出していた。趙(ちょう)衝が血で「長公主」という文字を書いたのは、重要な情報を伝えようとしていたのだ。彼はこの証拠を大切に保管し、信頼できる人物に渡すことを決意した。
皇帝の聖旨が突然届き、蘇珩(そこう)は陸時硯(りくしげん)の捜査を助けることになった。周述安(しゅうしゅつあん)から、陸時硯(りくしげん)と趙(ちょう)衝の因縁、そして手に汗握る追跡劇を聞いた蘇珩(そこう)は、趙(ちょう)衝が残した血文字を周述安(しゅうしゅつあん)に託し、草木を驚かせないように厳重に秘密を守るよう命じた。
陸時硯(りくしげん)は心中の疑問が解けず、趙(ちょう)衝の衣服の一部がなくなっていることと、沈甄(しんしん)の玉の腕輪がなくなっていることが気になっていた。彼は蘇珩(そこう)を訪ねて、さらに手がかりを探そうとした。蘇珩(そこう)は陸時硯(りくしげん)の沈甄(しんしん)への深い愛情を知り、複雑な気持ちになった。沈姌もこの関係には賛成しておらず、妹の将来を心配し、穏やかな生活を送ってほしいと願っていた。
最終的に、陸時硯(りくしげん)と周述安(しゅうしゅつあん)の共同努力により、沈文祁(しんぶんき)の冤罪は晴らされ、彼は再び日の目を見ることになった。沈府は歓喜に包まれ、沈文祁(しんぶんき)は陸時硯(りくしげん)と周述安(しゅうしゅつあん)を自宅に招いて感謝の意を表した。二人の青年はそれぞれ得意分野を活かし、沈文祁(しんぶんき)に良い印象を与えようと努力し、それぞれの未来を切り開こうとした。陸時硯(りくしげん)は沈甄(しんしん)への思いを諦めず、この得難い愛を守り抜くと信じていた。前途は未知数だが、彼は勇敢に前に進もうとしていた。
第16話感想
第16話は、衝撃的な展開と複雑な人間模様が描かれた、非常に重要な回でした。
まず、趙(ちょう)衝の死の真相が明らかになり、彼が刺客によって殺害されたことが判明しました。犯人は獄卒の一人であり、彼は自害によって真相を闇に葬ろうとしました。この事件は、牢獄内部に潜む闇の深さを浮き彫りにし、物語にさらなる緊張感を与えました。
一方、沈文祁(しんぶんき)の冤罪が晴らされ、彼はついに自由の身となりました。これは、陸時硯(りくしげん)と周述安(しゅうしゅつあん)の努力の賜物であり、彼らの正義感が改めて強調されました。
また、沈姌と周述安(しゅうしゅつあん)の関係も進展を見せました。周述安(しゅうしゅつあん)は沈姌に告白し、沈姌は時間をかけて彼の気持ちに応えることを約束しました。二人の恋の行方は、今後の見どころの一つです。
そして、蘇珩(そこう)と陸時硯(りくしげん)の関係も複雑さを増しています。蘇珩(そこう)は陸時硯の沈甄(しんしん)への愛情を知り、複雑な気持ちを抱いています。この三角関係は、物語にさらなるドラマ性を加えるでしょう。
つづく