永安夢~君の涙には逆らえない~ 第21話 あらすじ/ネタバレ

夜闇に包まれた永安城。

ろうそくの灯に照らされ、趙(ちょう)管家はそっと袖から偽の皇女印鑑を取り出した。重要な鉄鉱石契約書に押印しようとした瞬間、背後から声が響く。

「趙(ちょう)管家、何を企んでいる?」

それは龐龍(ほう りゅう)の策略だった。彼は趙(ちょう)管家を買収し、偽の印鑑を使って皇女を陥れようとしたのだ。証拠を突きつけられた趙(ちょう)管家は、陸時硯(りくしげん)の部下に捕らえられ、周述安(しゅうしゅつあん)のもとへ連行される。

一方、蘇珩(そこう)と徐意清(じょいせい)は数日間の追跡の末、ついに龐龍(ほう りゅう)の真の姿を暴いた。それは、鍛造された武器の山と、焦燥に駆られた龐龍(ほう りゅう)の言葉から明らかになった。蘇珩(そこう)は自分が陸時硯(りくしげん)を誤解していたことに気づき、徐意清(じょいせい)と共に周述安(しゅうしゅつあん)に報告する。

その頃、龐虎(ほうこ)は陸時硯(りくしげん)を闇殺するため、部下を率いて廃屋に押し寄せていた。陸時硯(りくしげん)は窮地に陥るが、そこに蘇珩(そこう)と徐意清(じょいせい)が駆けつける。激しい戦いが繰り広げられる中、周述安(しゅうしゅつあん)も到著し、龐虎(ほうこ)は敗走する。

再会した蘇珩(そこう)は、陸時硯(りくしげん)の潔白を周述安(しゅうしゅつあん)に説明する。周述安(しゅうしゅつあん)は微笑み、既に全てを知っていたことを明かし、これまで幾度となく陸時硯(りくしげん)を助けていたことを語る。

事態の深刻さを悟った陸時硯と周述安(しゅうしゅつあん)は、蘇珩(そこう)に前線へ戻り兵力を集めるよう指示する。蘇珩(そこう)は名残惜しさを感じながらも、責任の重さを理解し、旅立つ。別れ際、彼は徐意清(じょいせい)と沈甄(しんしん)に感謝の言葉を述べ、必ず戻ると約束する。

沈甄(しんしん)は陸時硯への支持と信頼を具体的な行動で示す。皇女のために香囊と防寒用の膝当てを作り、新しい寝具を用意して獄中の寒さを和らげる。その優しさに感動した皇女は、鎮国公府の名誉が回復されれば、陸時硯と沈甄(しんしん)の結婚を認めると約束する。

一方、徐意清(じょいせい)と沈姌は偶然の出会いをきっかけに距離を縮める。彼らは江湖の術士、葛仙士(かくせんし)の祈願祭に参加するため、馬車で向かう途中、故障に見舞われる。そこに通りかかった沈姌が、彼らを自身の馬車に乗せる。車内では、徐意清(じょいせい)は意図的に沈姌と周述安を隣同士に座らせ、微妙な空気を醸し出す。しかし、突如現れた刺客によってその空気は一変する。刺客の襲撃に遭った沈姌は、周述安を庇って重傷を負ってしまう。この出来事は、周述安の心を痛め、沈姌への想いを一層深める。

雨に濡れた驿館は、彼らの運命の転換点となる。生と死の狭間で、それぞれの想いは大きく揺さぶられ、物語は新たな展開へと向かう。果たして、彼らの運命はどのような結末を迎えるのか? 続きは次回をお楽しみに。

永安夢~君の涙には逆らえない~ 第21話 感想

第21話は、ハラハラドキドキの展開が続く、見応えのあるエピソードでした。特に、陸時硯が窮地に陥るシーンは手に汗握る緊迫感があり、思わず息を呑んでしまいました。また、蘇珩と徐意清の活躍も頼もしく、彼らの正義感が伝わってきました。

一方、沈甄(しんしん)の優しさや周述安の深い愛情など、登場人物たちの心情描写も丁寧に描かれていて、感動的な場面も多くありました。特に、沈甄(しんしん)が陸時硯のために香囊や膝当てを作ったり、周述安が沈姌を庇って負傷したりするシーンは、思わず涙が滲んでしまいました。

つづく