永安夢~君の涙には逆らえない~ 第4話 あらすじ/ネタバレ

夜幕が下り、神婆の部屋ではろうそくの火が揺らめき、沈甄(しんしん)の姿を長く伸ばしています。外では、陸時硯(りくしげん)が一人立ち尽くしており、周囲は自分の心臓の鼓動しか聞こえません。彼はあの夜、夢の中で仙人が告げた「相思入骨、薬石無解」という言葉を思い出し、心中に波紋が広がります。神婆の能力に期待と疑念が入り混じります。彼女が本当に彼と沈甄(しんしん)の複雑な宿命の糸を解きほぐすことができるのでしょうか?

神婆の「神通力」は、巧妙に仕組まれた騙し事でした。彼女は沈甄(しんしん)の陸時硯(りくしげん)に対する気持ちをそれとなく探ってみますが、沈甄(しんしん)はきっぱりと首を横に振ります。沈甄(しんしん)の心には彼への思いはなく、ただ父親の冤罪が晴れないため、わずかな繋がりを維持せざるを得ません。一方、陸時硯(りくしげん)は沈甄(しんしん)を連れてきたものの、心中にはさほどの波風はありません。二人の間に火花が散らないことは、すでに予測していたようです。神婆はそれに便乗し、「塵縁未瞭」を理由に、陸時硯(りくしげん)の疑念を一時的に鎮めます。

しかし、陸時硯(りくしげん)の胸の痛みは依然として消えず、執念深い病のように彼を苦しめます。宮中から届いた知らせはさらに追い打ちをかけます。工図に問題が見つかり、沈文祁(しんぶんき)は秋後に斬首刑に処されることになったのです。沈甄(しんしん)は工図に間違いがないと確信していますが、朝廷には確たる証拠があります。陸時硯(りくしげん)と周述安(しゅうしゅつあん)は密会し、事件について話し合います。周述安(しゅうしゅつあん)は、宮中の工図に異変があり、すり替えられた疑いがあると明かします。同時に、沈文祁(しんぶんき)が中毒したのは非常に珍しい毒であり、宮中の人間でなければ入手できないため、事件はますます謎に包まれます。

沈甄(しんしん)は焦りを感じ、父親が残したもう一枚の草図を自力で探す決意をします。彼女はひそかに城を出て行きますが、自分がすでに許威(きょい)の標的にされていることに気づいていません。荒れ果てた郊外で、許威(きょい)は部下を連れて沈甄(しんしん)を待ち伏せし、彼女は窮地に陥ります。危機が迫る中、彼女は陸時硯(りくしげん)が自分の感情に敏感であることを利用し、大声で泣き始めます。案の定、陸時硯(りくしげん)は危機を察知し、馬を駆って駆けつけます。激しい戦いは避けられません。陸時硯(りくしげん)は勇猛果敢ですが、敵は多く、形勢は不利です。沈甄(しんしん)は機転を利かせて降伏を装い、その後突然剣を抜いて自害し、許威(きょい)たちを撤退させます。

沈甄(しんしん)は力尽きて気を失います。目覚めると、頭が割れるように痛みます。陸時硯(りくしげん)は手厚く看病させます。同時に、沈文祁(しんぶんき)の婿である李棣(りてい)の監視を強化します。李棣(りてい)の行動はますます怪しくなっています。沈甄(しんしん)が遭遇した幾度もの危機は、すべて李棣(りてい)と無関係ではないようです。しかも、李棣(りてい)は罪に問われるどころか、出世して財を成しています。このすべてが信じられません。

一方、周述安(しゅうしゅつあん)の捜査にも進展がありました。李棣(りてい)には愛人がおり、しかももう1年間も続いていることが判明します。沈姌は伯母の見舞いに行った際、さらに多くの内幕を知ります。伯母は後悔の念に駆られ、粛寧伯(しゅくねいはく)にそそのかされて沈甄を陥れることに加担した真相を打ち明けます。さらに沈姌を驚かせたのは、許威(きょい)を粛寧伯(しゅくねいはく)に紹介したのは李棣(りてい)だったということです。すべての線がつながり、李棣(りてい)の真の姿が徐々に明らかになってきます。

沈姌は複雑な気持ちで伯父に会いに行き、あえて彼の忠誠心を試します。しかし、伯父の仮応は彼女を徹底的に失望させます。普段は尊敬していた長老が、このような汚い行為に手を染めていたのです。沈姌は複雑な心境に陥りますが、真相を究明し、父親の名誉を回復するという決意をさらに固めます。

この夜、陸時硯(りくしげん)の執念、沈甄の知恵と勇気、周述安(しゅうしゅつあん)の捜査はすべて真相を解き明かすために前進しています。そして、闇躍する黒幕である李棣(りてい)も、正義の裁きを受けるために姿を現そうとしています。

第4話感想

第4話は、物語が大きく動き出す重要な回でした。沈甄は父親の冤罪を晴らすため、危険を顧みず奔走します。陸時硯(りくしげん)も彼女を支えつつ、事件の真相に迫ろうとします。そして、ついに黒幕である李棣(りてい)の正体が明らかになります。

沈甄の勇気と知恵には感心させられました。彼女は許威(きょい)の襲撃を機転を利かせて切り抜け、さらに父親の草図を探すために単身で行動します。また、陸時硯も沈甄への想いを胸に、彼女を全力で守ろうとする姿が印象的でした。

一方、李棣(りてい)の悪辣な策略には驚かされました。彼は沈文祁(しんぶんき)を陥れるだけでなく、沈甄の命も狙っていたのです。彼の真の目的は何なのか、今後の展開が気になります。

つづく