永安夢~君の涙には逆らえない~ 第6話 あらすじ/ネタバレ

朝焼けが空を染め始める頃、長公主は静寂を求めて陸時硯(りくしげん)の別邸を訪れた。しかし、そこで出くわしたのは、派手な衣装と饒舌な言葉遣いで不快感を抱かせる沈甄(しんしん)の姿だった。長公主は激怒し、沈甄(しんしん)に張り手を食らわせる。清渓(せいけい)の弁明にも耳を貸さず、沈甄(しんしん)を別邸に留め置くことを許さない姿勢を見せる。しかし、陸時硯(りくしげん)は沈甄(しんしん)が事件解決の重要な証人であると説明し、彼女の安全確保のために別邸に留める必要があると主張する。息子の性格を熟知する長公主は、沈甄(しんしん)の滞在を黙認する。

夜が更ける中、陸時硯(りくしげん)の夢は沈甄(しんしん)の姿で埋め尽くされる。夢の中で、沈甄(しんしん)は何度も彼に跪き、涙を流しながら父親の救済を懇願する。陸時硯(りくしげん)は夢の中で冷酷な判官となり、沈甄(しんしん)に刑罰を下し、別邸に幽閉する。夢から覚めると、陸時硯(りくしげん)は夢の中の残忍さに驚き、沈甄(しんしん)との関係に困惑する。

呉州への出発の日、沈甄(しんしん)は夫人として陸時硯(りくしげん)と同じ駕籠に乗る。彼女の荷物は多く、女性らしい小物ばかりかと思いきや、中には朝廷の法律書がぎっしり詰まっていた。沈甄(しんしん)は法律を武器に、父の無実を証明する決意を固めている。旅の道中、彼女は法律書を熱心に読み込み、その意誌の強さと執念に陸時硯(りくしげん)は感銘を受ける。

一行が客栈に到著すると、予期せぬトラブルが発生する。客栈の女将は一見親切そうに見えるが、裏では悪事を企んでいた。酒を飲まされた一行は酔いつぶれ、女将は彼らを襲おうとするが、陸時硯(りくしげん)に見破られる。彼は客栈の異変に気づいており、事前に下人に解毒剤を飲ませていたのだ。状況は一転し、凶暴そうに見えた女たちは、実は夫や息子を徴兵で奪われ、幼い子供まで連れ去られた被害者だったことが判明する。真相を知った陸時硯(りくしげん)は、女将を厳罰に処すると同時に、彼女たちを救済することを約束する。

夜が更け、沈甄(しんしん)と陸時硯(りくしげん)は女たちの処遇について話し合う。沈甄は法律は厳格だが、情も考慮すべきだと主張し、公正な裁きを陸時硯(りくしげん)に求める。陸時硯(りくしげん)は彼女の意見に賛同し、客栈に匿われていた子供たちを長公主が支援する慈幼院に送り届けると同時に、事件の黒幕を追及することを約束する。女将たちは涙を流しながら感謝の意を表し、陸時硯に跪いて頭を下げる。

しかし、その夜、陸時硯は突然胸の痛みを感じ、沈甄に何かあったと勘違いして、傷ついた体で剣を手に飛び出す。実は、沈甄は悪夢にうなされており、夢の中で父親の無実を訴え、枕を涙で濡らしていた。陸時硯は彼女を憐れみ、夜明けまでそばで手を握りながら見守る。

一方、沈姌は夫の李棣(りてい)と愛人の関係を暴くために、綿密な計画を立てて「偶然の出会い」を演出する。しかし、義母と愛人の親密さには想像以上のものがあり、さらに衝撃的なことに、愛人は堂々と李棣(りてい)の妻であると主張し、妊娠していることを明かす。この突然の対峙に、沈姌は前代未聞の窮地に陥る。

第6話 感想

第6話は、夢と正義が交差する旅路を描いた、見応えのあるエピソードでした。

特に印象に残ったのは、沈甄の強い意誌と決意です。彼女は法律を武器に、父の無実を証明しようと決意し、旅の道中も法律書を熱心に読み込んでいました。その姿は、どんな困難にも屈しない、強い意誌を感じさせました。

また、陸時硯の葛藤も描かれていました。彼は夢の中で沈甄に冷酷な判官となり、彼女を幽閉するなど、残忍な行為をしていました。夢から覚めた後、彼は自分の行為に驚き、沈甄との関係に困惑していました。この葛藤は、陸時硯の正義感と人間らしさを表しているように感じました。

さらに、客栈の女将の事件も、考えさせられるものでした。女将は夫や息子を徴兵で奪われ、幼い子供まで連れ去られた被害者でした。彼女は、自分の悲しみと怒りを原動力に、悪事を働いていました。この事件は、戦争の悲劇と、人間の心の闇を浮き彫りにしたように感じました。

つづく