あらすじ

乾隆年間、後宮の新人選考を描いた『瓔珞えいらく<エイラク>〜紫禁城しきんじょうに燃ゆる逆襲の王妃〜』第1話は、秀女と宮女たちが様々な試練に立ち向かう様子を描いています。

新しく宮女となった魏瓔珞ぎえいらく<ぎえいらく>と吉祥きっしょう<きっしょう>たちは、早速難題に直面します。吉祥きっしょうがうっかり秀女の烏雅青黛うやせいたい<うやせいだい>の謁見用の衣装を濡らしてしまうのです。烏雅青黛うやせいたい吉祥きっしょうを侮辱し、仕返しを企てます。しかし魏瓔珞ぎえいらくは機転を利かせ、香粉を使って「歩歩生蓮<ほほしょうれん>」を作り出し、吉祥きっしょうを救うと同時に烏雅青黛うやせいたいの歓心も買います。

ところが、烏雅青黛うやせいたいの「歩歩生蓮」に皇帝が興味を示したのも束の間、纏足<てんそく>を悪習と断じ、烏雅青黛うやせいたいを退けます。そして伝統的な装いの納蘭淳雪ならんじゅんせつ<ならんじゅんせつ>を称賛しました。

宮女たちの刺繍の試験では、魏瓔珞ぎえいらく吉祥きっしょうの作品を手伝います。そして、不正行為の疑いをかけられた際も、持ち前の知恵で難局を乗り切り、結果、二人は揃って宮中に残ることが許されます。

ネタバレ

乾隆けんりゅう帝の治世、六月初二。紫禁城しきんじょうでは毎年恒例の秀女と宮女の選考が行われていた。新人宮女の魏瓔珞ぎえいらくたちは、華やかな衣装を纏った名門出身の秀女たちと対照的に、質素な身なりで宮廷に足を踏み入れた。

その最中、宮女の吉祥きっしょうがうっかり転倒し、持っていた桶の水を秀女の烏雅青黛うやせいたいにかけてしまう。侮辱されたと感じた烏雅青黛うやせいたいは、吉祥きっしょうを平手打ちし、指を切り落とすと脅迫する。

とっさに機転を利かせた魏瓔珞ぎえいらくは、香粉を使って「歩歩生蓮」の演出を披露し、周囲の賞賛を集める。そして、歩歩生蓮にまつわる故事を語り、烏雅青黛うやせいたいの機嫌を直し、吉祥きっしょうの罰を免れさせた。

秀女選考が始まり、烏雅青黛うやせいたいは歩歩生蓮で皇帝の目に留まる。しかし、得意げな烏雅青黛うやせいたいに対し、皇帝は纏足を悪習と断じ、歩歩生蓮の故事が妖妃と昏君にまつわるものであることを指摘し、厳しく叱責する。一方、別の秀女、納蘭淳雪ならんじゅんせつは、伝統的な衣装で皇帝の称賛を得て選考を通過した。

続いて宮女たちの刺繍の試験が行われた。合格しなければ宮廷に残ることはできない。吉祥きっしょうは刺繍中に指を傷つけ、作品を血で汚してしまう。同僚の錦繍きんしゅう吉祥きっしょうを嘲笑い、宮廷に残る資格はないと罵る。

魏瓔珞ぎえいらく吉祥きっしょうと刺繍作品を交換することを提案し、吉祥きっしょうの作品に金色の鯉の刺繍を付け加えた。試験の結果、吉祥きっしょうの作品は高く評価され、魏瓔珞ぎえいらくの作品も独創性で称賛を浴びる。作品交換を密告する者もいたが、魏瓔珞ぎえいらくは冷静に弁明し、未完成の段階での交換であり不正ではないと主張し、二人とも宮廷に残ることが許された。

後宮の争いを鎮めるため、皇帝は各妃に宮訓図を贈り、協調性を保つよう諭した。皇后こうごうは選考における高貴妃こうきひの傲慢な態度を咎めず、寛容な姿勢を見せた。一方、身分の低い嫻妃かんひは後宮の争いに巻き込まれることを避け、実家から便宜を図るよう懇願されても、毅然とした態度で拒否した。

張嬷嬷ちょうままの指導の下、魏瓔珞ぎえいらくたちは正式に宮女となり、宮廷生活をスタートさせた。この物語は、様々な境遇の人々が複雑な人間関係の中で生き抜く様子を描いている。

第1話 の感想

瓔珞えいらく<エイラク>~紫禁城しきんじょうに燃ゆる逆襲の王妃~」第1話は、まさに今後の波乱を予感させる幕開けでした。主人公・魏瓔珞ぎえいらくの頭の回転の速さと機転の良さは、まさに圧巻。香粉を使った「歩歩生蓮」の演出や、刺繍の試験での金色の鯉など、窮地を逆手に取るアイデアは見ていて爽快です。

特に印象的だったのは、烏雅青黛うやせいたいとの対峙シーン。理不尽な要求にも臆することなく、知恵と勇気で乗り越える姿は、まさに「逆襲の王妃」の片鱗を感じさせます。一方、他の秀女や宮女たちは、権力や嫉妬に翻弄される様子が描かれており、宮廷内の権力闘争の激しさを予感させます。

また、皇帝や皇后こうごう高貴妃こうきひ嫻妃かんひといった主要人物たちの性格や立ち位置も少しずつ明らかになり、今後の展開への期待が高まります。特に、嫻妃かんひの清廉潔白な姿勢は、他の妃嬪たちとの対比で際立っており、今後の物語におけるキーパーソンとなる予感がします。

つづく