あらすじ

第12話では、嘉嬪かひん愉貴人ゆきじんの腹痛に陰謀を感じ、魏瓔珞ぎえいらくを陥れる計略を企てます。皇后こうごう主催のライチの宴を disruption することで、自らの目的を達成しようとしました。 魏瓔珞ぎえいらくはこれに気づき、機転を利かせて雪球ゆきだまを使って混乱を引き起こし、宴の場で嘉嬪かひんの陰謀を暴きます。愉貴人ゆきじん魏瓔珞ぎえいらくの指示通りに行動し、皇帝の関心を引きつけ、嘉嬪かひんは罰を受けることになります。 皇后こうごう魏瓔珞ぎえいらくの才知に感心し、自ら彼女を指導することにしました。

最後は、雪球ゆきだま魏瓔珞ぎえいらくの計画のために死罪を言い渡されますが、実際には魏瓔珞ぎえいらくによって密かに助け出されます。皇帝は魏瓔珞ぎえいらくの計略を見抜いていましたが、皇后こうごう的威厳を守るため、それ以上追求しませんでした。 このエピソードは、魏瓔珞ぎえいらくの知恵と勇気、そして宮廷闘争における彼女の巧みな立ち回りを描いています。

ネタバレ

嘉嬪かひん愉貴人ゆきじんの腹痛を訝しみ、貝殻の粉だけではあんなに苦しまないはずだと、芳草ほうそうを疑います。そして、瓔珞えいらくを嫌う高貴妃こうきひに、皇后こうごう瓔珞えいらくを同時に叩きのめす計略を耳打ちします。それは瓔珞えいらくを遠ざけ、皇后こうごうが用意したライチの木をダメにすること。そうすれば、ライチの宴は失敗し、瓔珞えいらくにも責任が及ぶというわけです。

異変に気づいた瓔珞えいらく長春ちょうしゅん宮へ急ぎますが、既に遅く、ライチの木は壊されていました。皇后こうごうが皇帝に新鮮なライチを食べさせたいと言っていたのを思い出し、瓔珞えいらくは新しいライチの木を探し出し、宴に間に合わせるように手配します。残りのライチは御膳房へ送り、料理に使うよう指示を出します。宮女たちは皇帝の怒りを恐れますが、瓔珞えいらくは自信満々に大丈夫だと言います。

皇后こうごう嫻妃かんひの困窮を知り、宴の席で皇帝に嫻妃かんひへの恩賞を願い出ます。喜ぶ皇后こうごうを見て、皇帝はこれを承諾。嫻妃かんひは必要な資金を得て、皇后こうごうへの感謝を深めます。しかし、嘉嬪かひん高貴妃こうきひ皇后こうごうの行動を人心掌握の術だと捉え、面白くありません。そこで嘉嬪かひんは、自分のペットである雪球ゆきだまの番を怠り、逃がしてしまいます。これが後の騒動の発端となります。

嘉嬪かひんを罰することができないと知った愉貴人ゆきじんは怯え、部屋に閉じこもってしまいます。瓔珞えいらく愉貴人ゆきじんの元を訪れ、彼女の恐怖を見透かし、仮撃するよう促します。今のままではいけないと悟った愉貴人ゆきじんは、瓔珞えいらくの提案を受け入れます。

ライチの宴で、愉貴人ゆきじんが姿を現すと、高貴妃こうきひ嘉嬪かひんは驚きます。瓔珞えいらくは赤い布で覆われたライチの木を運び込ませ、皇后こうごうに布を外すよう勧めます。実は、瓔珞えいらくは木の中に雪球ゆきだまを隠していたのです。皇后こうごうが布を外すと、雪球ゆきだまが飛び出し、場内は騒然となります。愉貴人ゆきじんはこの機に雪球ゆきだまに襲われたふりをして、以前雪球ゆきだまに傷つけられた時のことを語り、皇帝に助けを求めます。宴は大混乱に陥り、瓔珞えいらくを陥れようとした嘉嬪かひんは、逆に雪球ゆきだまを利用されて仮撃されてしまいます。

愉貴人ゆきじんの訴えを聞いた皇帝は、嘉嬪かひんが関わっていることを察します。高貴妃こうきひは責任逃れを図りますが、瓔珞えいらくは皇帝に愉貴人ゆきじんへの処置を求め、さらに追い詰めます。逃げ道がないと悟った嘉嬪かひんは、高貴妃こうきひを守るため、全ての罪を一人で被ります。皇帝は機嫌を損ね、その場で嘉嬪かひんを貴人に降格、高貴妃こうきひには俸禄一年分の罰を与えます。

瓔珞えいらく皇后こうごうに事の顛末を報告し、雪球ゆきだまを利用した策を説明します。瓔珞えいらくの機知に感心した皇后こうごうは、自ら瓔珞えいらくに読み書きを教えることにします。瓔珞えいらく皇后こうごうへの尊敬をさらに深めます。純妃じゅんひ嫻妃かんひ皇后こうごうの恩を忘れるなと言い、嫻妃かんひ皇后こうごうからの恩賞を受けた以上、もはや傍観者ではいられないことを悟ります。

雪球ゆきだま愉貴人ゆきじんを傷つけたため、皇帝は殺処分を命じます。しかし、高貴妃こうきひを恐れて誰も手を下そうとしません。瓔珞えいらくは罪のない雪球ゆきだまを不憫に思い、偽の毛皮を使って逃がします。後に皇帝は、雪球ゆきだまを逃がしたのは瓔珞えいらくだと気づきますが、皇后こうごうの面目を保つため、処分を命じたことを後悔しつつも、小賢しい宮女に出し抜かれたと不快感を抱きます。

第12話の感想

第12話は、瓔珞えいらくの機転と大胆さが際立つ回でした。ライチの木が壊され、宴が失敗に終わりそうな危機的状況でも、彼女は冷静さを失わず、新しいライチの木を用意するだけでなく、雪球ゆきだまを利用した逆転劇を仕掛けることで、ピンチをチャンスに変えてしまいます。

特に印象的なのは、愉貴人ゆきじんの恐怖心を利用した点です。弱気で部屋に閉じこもっていた愉貴人ゆきじんを説得し、自らの計画に巻き込むことで、嘉嬪かひんへの仮撃を成功させました。瓔珞えいらくの頭の回転の速さと、人を動かす力は、まさに「逆襲の王妃」の名にふさわしいと言えるでしょう。

一方、皇后こうごうの優しさや、嫻妃かんひの状況の変化も描かれていました。皇后こうごう嫻妃かんひの経済的な苦境を救うために、皇帝に恩賞を願い出ます。この行動は、皇后こうごうの人柄の良さを示すと同時に、後の物語における嫻妃かんひの立場にも影響を与えそうです。

嘉嬪かひん高貴妃こうきひは、皇后こうごう瓔珞えいらくを陥れようと画策しますが、結果的に自滅してしまいます。二人の浅はかさと、瓔珞えいらくの知略の差が明確に表れた場面でした。特に嘉嬪かひんは、雪球ゆきだまの管理を怠ったことで、自らの首を絞めることになります。

つづく